物質にはなぜ質量があるのか。今年のノーベル物理学賞を受賞するヒッグス氏とアングレール氏は、当たり前に思えるが根源的な問いについて答えを出した。
138億年前に宇宙が誕生したころ、物質を構成する素粒子には質量(重さ)がなかったとされる。
直後に宇宙空間をヒッグス粒子が満たした結果、質量を持つようになったとされる。この結果、素粒子が集まって原子ができ、星や地球がつくられ、ひいては生命の誕生につながった。
人間が住む今の世界の存在を説明している。ヒッグス粒子はあらゆる場所に存在し、「神の粒子」と呼ばれる。
証明される前から、ヒッグス粒子が存在することを前提として理論がつくられてきた。すでにノーベル物理学賞を受賞した研究者もいる。
ヒッグス粒子の理論は現代物理学の基礎となる「標準理論」の中でも根幹をなす存在だ。2008年のノーベル物理学賞を受賞した高エネルギー加速器研究機構の小林誠特別栄誉教授は「大変重要な仕事で、受賞は当然だ」とたたえた。
日経記事2013.10.08より引用