ゼレンスキー氏=ロイター
【ウィーン=田中孝幸】
ウクライナのゼレンスキー大統領は5日のビデオ演説で、ロシアに派遣された北朝鮮兵とウクライナ軍との戦闘は「世界の不安定化の新たなページを開く」と語った。
一部で交戦があったことを認めた形だが、日時や場所などの詳細は明らかにしなかった。
ウメロフ国防相も韓国KBSが同日放送したインタビューで、北朝鮮兵と初めての「小規模な交戦」があったと明らかにしていた。
ウメロフ氏は数週間以内に兵員の配備が終わり「より多くの交戦がある」と予測した。
米国務省のミラー報道官は4日、ウクライナが一部を支配下に置くロシアのクルスク州などの前線に1万人の北朝鮮兵が配置されたとの分析を示した。米国や韓国はまだ北朝鮮兵とウクライナ軍の大規模な戦闘を確認していない。
今回のゼレンスキー氏の発言の背景には、ウクライナへの西側の軍事支援の伸び悩みへの危機感がある。1日にはX(旧ツイッター)への投稿で、米英独は情勢を監視しているが「みんな北朝鮮軍がウクライナを攻撃し始めるのを待っているだけだ」と対応の遅れへのいらだちをあらわにした。
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日経記事2024.11.06より引用