Eos5D写真三昧 格安の海外旅行記と国内旅行のすすめ

海外旅行の情報を旅行記として綴った記録。EOS5Dとiphoneで撮った写真をあげております。

16:敦煌の砂漠

2010年10月23日 02時16分50秒 | 中国旅行記2010年8月
EF24-105mmF4L
いよいよ来ました。砂漠の敦煌。ここは鳴沙山・月牙泉という観光名所。敦煌の中心部からタクシーに乗って10分程で到着する。
写真でみると、正面の砂丘に登るのはたやすいように思える。・・・が、砂丘を登るのは実はかなり体力を使うものなのである。山登りと違う。感覚的には山登りの5倍は疲れる。砂丘は高さ50~100メートルくらいだが、250~500メートルの山登りに匹敵する体力を消耗する。そもそも足場がよろしくない。第一歩踏み出すと、足が沈みだす。傾斜があるので、沈むだけでなく、少し後退する。なので、次の足を出さなければ後退するし、沈んでいく。次の足も沈みながら後退するので、また足を出す。これを延々を繰り返すのである。緩やかな傾斜の場所に到達するまでは、休むことは許されない。沈むし後退するからである。放っておくて簡単に膝の上まで埋まる。これは怖い。砂漠の砂の粒子は細かい。故に雪崩のように砂は低いところへ流れていく。高いところにある砂は、傾斜をたもとうとするので上方から下方へ、すなわち足元に砂が流れてきて、そうして埋まっていくのである。埋まるだけではなく、下方に砂はながれていくので、足場は安定せず、そのまま砂と共に下に流れていくので、前にすすまない。後退してしまう。まさに「巨大なアリ地獄」なのだ。
砂丘は登ることができる限界角度がある。30度くらいの傾斜はまず登れない。もしも登ったら、腹まで埋まるだろう。危険すぎる。20度で限界。砂丘を登る場合は絶対に急がば回れである。ショートカットするために急な傾斜のコースを選んではいけない。
次に直射日光が強い。日陰がないので、熱射病に注意しなければならない。まず水は2リットルはもって行くべきだ。すくなくとも砂漠の中を1時間以上滞在しようと思ったら、それくらいの水は持っていなければならない。あとは出来る限り軽装備で登ること。リュックを持って登るのは無謀である。私は6キロ+水の入ったリュックを背負って、この砂丘を登ったが死ぬほど疲れた。さらに直射日光を避ける帽子は必須かもしれない。




砂漠で歩きやすいポイントは山の峰を通ることである。傾斜がもっとも緩やかなところが足を捕られにくいからだ。
砂丘の峰までくると沢山の足跡がついているが、この砂丘をを登っている人は私以外の人では数名しかいなかった。



砂丘を一つ登っても、まだ先が・・・・。勾配が激しいので、写真に写っている先まで行ってみようとは思わない。代える体力が無くなるかもしれないからだ。砂漠は怖い。たった一つの砂丘を登っただけでもこれである。砂漠を越えて歩くなんていうのは、まさに狂気の沙汰である。砂漠を一日あるこうと思ったら、水を10リットル以上は持っていないと脱水症状に陥るだろう。つまり日中にあるくのは無理である。まさに天然の要害。敵は砂漠の向こうからはやってこない。日本にいてはこの感覚はなかなかピンとこないが、私も砂漠というものがほんの少し分かったような気がする。



さて、ここ鳴沙山には、エンジン付きハングライダーに乗ることが出来る。三角形の帆のついたハングライダーに、推進力をもたせるエンジンを搭載している乗り物である。中国製だろうからちょっと怖いけど、空中遊覧を楽しむことが出来るようだ。値段は260元。(3380円)  正直中国の物価からすると高い。だが、これをケチって乗らないのは絶対に間違っている。敦煌の砂漠を上空から見る機会など、これを逃したらまずないからだ。3380円など安いのである。重要なのは、ケチるところはケチり、ケチってはいけないところは行くのである。



下界を見ていただければ分かると思うが、住居の区画跡と思われる境界の線が砂上に薄っすらと見える。これは、かつてはこの辺りまで住居が存在したのだろう。しかし砂漠の砂に飲み込まれてしまったのである。これはおそらく現在進行形であろう。現在の入場口付近にある住居や建物も、やがては砂に飲み込まれる運命にあるのかもしれない。




見よ、この砂漠とオアシスの境目を。写真の左側はどこまでも続く砂丘があり、右側に行けば敦煌市内に至る。写真の中央の緑化された地域まで砂丘の砂が侵食しているのがお分かりであろうか。砂漠化はなおも進行中なのが良く分かる。昨今、温暖化の影響などが騒がれているが、日本よりも中国や大陸のほうが温暖化すれば、砂漠化がさらに進行して深刻な状況に陥るということが良く分かる光景である。まが、そんなエコの話は抜きにしても、この景色はすごい。





こちらは月牙泉。泉の形が三日月になっていることから、こういう名前が付いたらしい。
人の大きさと砂丘の大きさの対比していみると、いかに砂丘が広大なのがよく分かる。



山頂に上った峰から月牙泉を見下ろした写真。砂漠の上にポツポツ立っている黒い点は人である。まるでゴミのように小さい(笑)