Eos5D写真三昧 格安の海外旅行記と国内旅行のすすめ

海外旅行の情報を旅行記として綴った記録。EOS5Dとiphoneで撮った写真をあげております。

17:甘粛省の交通事情と人民について

2010年10月25日 19時52分56秒 | 中国旅行記2010年8月
非常に驚くべき事だが、甘粛省の中国の人民の愛想は極めて良い。駅員や切符の窓口の係員または長距離バスの係員または公安などは別だが。とにかく中国で愛想の悪いのは、公務員か準公務員級の地位の高い連中であって、その他の人民については概ねヨーロッパの人民と同じくらい愛想が良いものだ。これには正直私も驚いた。ただし、忘れてはいけないのは、愛想はいいが油断しているとボッタくられるということである。商人には値段を吹っかけられることは多いので、油断していると損な取引をされることはままある。だが、彼らが愛想が悪いかといえばそうではない。また、商人以外の利害のない人民においては、これは愛想のよさだけが目立つ。彼らが反日教育をうけているとはとても思えないほどである。ただ、これを中国のスタンダードと捉えるのは正確とはいえないかもしれない。なにせ私が赴いているのは中国でも西域である。愛想が良いと感じ出したのは、甘粛省に入ってからである。北京や陝西省の西安などでは、愛想の良い人もいたが、逆に悪い人の方が沢山いた。やはり田舎というものは、世界各国共通して人がいいのかもしれない。上海や香港ではこうはいかないかもしれない。また、1人旅+電車利用&安宿利用というのも影響しているかもしれない。とにかく異邦人があまり使わないようなインフラを私は好んで使ってきた。
 この現実を、穿った見かたをすれば、やはり商売から生じるものかもしれない。西域は観光地である。そこは中国の平均物価からみて、かなり値段をボッている。だがツアー客などは、そんなところまで節約して極限まで値切ろうとはしない。日本と比較すれば、値切らなくても安いからだ。本当は値切ればもっと安くなるのだが、ツアー観光客はそんなメンドウな事はしないので、中国人商人からすれば「金離れの良い客」なのだろう。これが愛想の良い理由になっているという見かただ。西域の商人は観光で儲ける。商人の家族や知人も観光客はオイシイと思う。だから愛想の良い人が多く生産される。こういうシステムである。それは上海や北京でも同じでは?と言われる方もいるかもしれないが、上海や北京では日本の商社という、観光者よりも圧倒的に利害に目敏い人が中国人商人と駆け引きを行い商談をまとめるので、「金離れがいいお客」では必ずしもない。だから人民は冷たい。という要素もあるだろう。

まぁ個人的には、愛想のいい理由の5割はやはり「都会と田舎」だろう。都会の人は冷たく、田舎の人はあったかいのだ。のこりの5割中の3割は、反日教育の浸透かもしれない。やはりインフラの整った中国沿岸部のほうが、情報や教育の浸透度が大きいに違いない。残りの2割が「金離れのいい」という、点だろう。だが、これはなにも中国に限ったことではない。ヨーロッパでも、そして日本であっても同じことだ。ただ、その内訳の割合がちょっと違うというところであろう。

これは推測だが、ホテルは安いホテルの方が愛想が良い。
経験上では60~180元くらいのホテルがよかった。特によかったのは60元と128元のホテルである。200~280元のホテルは、まぁ普通か。300元以上するホテルはどうも気取りすぎて愛想が悪い。これが1000元くらいになると、恐らくこの法則は崩れ、素晴らしいものになるのであろう。というか、そういう値段のホテルはもはやだいたいが外資系である。この国の人民は偉くなると偉そうになる傾向が強い。トコトン豪勢にいくか、トコトンケチるのが、よい愛想を手に入れる近道かもしれない。(ただし、食堂はこれと逆である)





さて、これまで私は観光地への移動にタクシーを使ってきた。というのは、バスの乗り方とか切符の買い方などがよく分からないし、行き先があっているかどうかも不安だったからである。だが、私は今回初めてバスを使うことにした。それはまず莫高窟から敦煌への帰りの道のりであった。敦煌~莫高窟の行きの移動は、前述したようにタクシーを利用した。金額は75元。帰りのバスの料金は、なんと8元である。バスは安いとは聞いていたが、まさかこんなに安いとは・・・。
さて、そのバスの乗り方だが、これが実はそんなに難しくはない。言葉が通じなくても乗れる。まず、バスには行き先のプレートがついている。これは運転席の窓に掲示してあるものや、バスそのものにカッティングシートなどで行き先を貼り付けているものもある。だいたい、町の郊外にある観光地へのバスは、市内を通るバスとはちょっと違う。どう違うかというと、市内を通るバスは、行き先が電光掲示板などで記されており「565番」とか「18番」とか、行き先によって異なった番号が振られている。バスも大収容が可能な大型バスである。頻度も5分や10分おきに来る。一方、観光地に向かうバスは、もっとアバウトである。中型の中古のバスで、前述したように、行き先のプレートが窓に張ってあったり、車体にシールで張られてあったりなどといった、簡易なものである。料金は市内のバスも観光地へのバスも、バスの中で切符を購入するシステムである。パスには運転手だけではなく、常に料金を徴収する車掌がいる。これがバスの切符を売っているわけだ。観光地へのバスは定額制。市内のバスは、行き先によって値段が変わる。簡単なのは前者の観光地へのバスのほうだ。この場合だと筆談もいらない。

これを経験してしまうと、もうタクシーには乗りたくなくなる。早朝などの行きはともかく、帰りの道でタクシーを使うのはとても勿体無い。行きもバスにしたいところだが、バス乗り場の位置がわからないので、これは難易度がちょっと上がるが、帰りは絶対にバスに乗るべきである。

さて、莫高窟の後に行った「鳴沙山・月牙泉」の観光地だが、ここへは行きはタクシー、帰りはバスを利用した。タクシーの金額は10元くらい。バスを利用すると1元である。観光地への入場料は100元くらい。水の値段は2元~5元。もう金銭感覚がクラクラする。いったい何が高くて何が安く、何が普通なのかが分からない。まぁ、入場料が馬鹿高いことだけは分かった。





さて敦煌での観光も終わった。敦煌には一泊する予定もないので、夜行列車で次の観光地を目指すことになる。すでに切符は入手しているので、あとは駅に向かうだけだ。柳園駅までは道のりにして130キロメートルはある。行きはタクシーで市内まで来たが、既にバスの値段の安さをしってしまったので、バスを使って柳園駅に行くことにした。ところが柳園駅行きのバスを探すがなかなか見つからない。ガイドブックには柳園行きのバスの乗り場の場所が書いてあったが、探してもそのようなバス停は見つからないのだ。そこで売店で、水を買って、お店の人にバスの情報をもらうことにした。通りすがりの人に聞くよりも、買い物をした店の店員に聞くほうが有効だと思ったからである。この効果はてきめんだった。この店員は実に面倒見がよかった。甘粛省の公務員でない人民はとても親切であるという所以は、この経験からもきている。まず店員のねーちゃんはこう言った。タクシーに50元札を渡して、これで行け!と粘れ!と言った。私は「そんなアホな。そんなの了承するタクシーはないよ」と思っていると、さっそくねーちゃんは公道に出て近くを通るタクシーを止めるではないか。そして中国語で何やら交渉をしだした。50元の交渉である。おおっ、代行して交渉してくれている、と喜んでいると、最終的な値段は120元ということになった。・・・・むむっ・・・早朝使ったタクシーはたしか150元だった。ち、ぼられたか・・・と思っていると、ねーちゃんは「高すぎる」ということで、他の手段を探してくれた。ねーちゃんは次に携帯電話をかける。会話をしばらくしたあと、私についてこい、と言った。ついていくと一日ツアーの斡旋のような会社であった。そこにはオバちゃんのタクシードライバーがいて、ツアー斡旋のスタッフのお姉さんが既に話しをして居る。どうやら、乗り合いタクシーの話をしているようだ。そして、タクシーの集合場所(たぶん、客を引きやすい)まで移動。オバちゃんは同僚タクシーのオッさんと話をつけて、このオッさんが客を引いて、4人を確保して行くようだ。ツアー斡旋のおねえさんは英語が流暢なので、英語で私に今後の選択肢について説明する。内容はこうだ。タクシーは通常では120元らしい。4人なら一人頭30元でいく。この場合、乗り合いの人を探さなければならないので、すこし時間がかかる。というものである。列車の時間まではまだタップリあるので承諾する。さっそくそのツアー斡旋の会社に待機してたオバちゃんタクシーに乗る。オバちゃんは客を探しながら、タクシーの集まる集合地に向った。ここで選手の交代がおこる。客を探すのはオバちゃんタクシーから、おっちゃんタクシーに変わった。オバちゃんは、タクシー集合地までのタクシー料金の5元を要求するので、払う。
ここにきて、ちょっと不安になった。当初と展開が違う。このオバちゃんが乗り合いを探すということではなかったか?と思っていたので、つじつまが合わないと感じ始めてきた。どだいたどたどしい英語の会話だったので、最初からこういう展開だったのか、それとも途中で展開が変わったのか私には分からなくなった。だが、騙されるのはまずいので、おっちゃんタクシーに念を押す。本当に乗り合いだろうな?1人30元なんだろうな?と。おっちゃんは「そうだ、大丈夫」というような事を中国語で言っている。そして料金の30元の前払いを要求されるので払う。支払うとおっちゃんは車を降りて乗り合いの客を探しに行ってしまった。ここで30分~1時間ほど車で待たされる。半分眠りこけていると、おっちゃんが戻ってきて、こう言う。「あっちのおっちゃんBのタクシーのところへ行け」と。さぁいよいよ胡散臭くなってきた。またタクシー乗り換えである。だが、このおっちゃんには30元支払っている。つぎの「あっちのおっちゃんB」から、また30元も請求されてはたまらないので、しつこいくらいに念を押す。おっちゃんは、おっちゃんBに金は渡してあるから大丈夫という。なんだかかなり不安になってきた。タクシーのおっちゃんBのところに行って、くどく念を押す。30元はもらったよな?・・・と。おっちゃんBは「貰った。大丈夫」というような事を中国語で言っている。
「というような事を中国語で言っている」という事くらい不安なものはない。確証が持てないので、必然的にくどく念を押すことになる。ヘタをすると35元が水の泡になる可能性があるからだ。上手い事は裏がある・・・・という台詞にピッタリなシチュエーションだからだ。念は押しに押した。先方も「大丈夫」と言った。念書を交わしたわけではない。口約束ではある。だが、打てる手は打った。もしこれで柳園駅まで乗り合いで行ければ、破格の値段(35元)だ。仮に行かなかったとしても、125元である。安くはないが、この結末を見極めてみたいと思った。騙されるにしても、どうやってこの後騙すのかも見てみたかった。どの道、電車の発車の22時までやる事はない。無為に時間を過ごすよりも悪くない。結局、2時間かかることになるが、乗り合い3人は見つかったのである。
乗り合いタクシーで35元。時間がある人は試されることをお薦めする。





駅では日本人観光客のツアーがいた。どうやら大学生によるツアーらしい。二週間の旅程で、かれらは船で上海まできたとか。自分と同じような弾丸ツアーで、電車の寝台車を宿にしながら移動している日々が続いているらしい。
列車では軟臥を初めて経験する。およそ8時間あまりの乗車だが、これは快適だった。