怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

エコい生活

2009年05月16日 | ここの生活
義父から炊飯器のタイマー使用を禁止を言い渡された。
最近、私は朝食にご飯を食べていたのだ。
前夜に米を洗って、タイマーをセットしておくことをしていたのだが、
義父はタイマー作動中のランプの電気が夜中ずっとつきっぱなしなのが気になるようだ。

私の苛立ちの矛先は、
そういったみみっちい発想をする義父でなく、
独立して生計を立てられない夫でもなく、
ドイツを「エコ先進国」とあがめている日本の人々だった。

日本とドイツの気候や地理的環境、歴史的背景などを一切考えず、
また、実際の生活をほとんど知らずにテレビや雑誌記事、短期の旅行の印象で
「ドイツの人々は環境に配慮した生活をしている」
と思っていることだ。

日本では毎日洗濯、風呂に入る人が多いだろう。
私のちっちゃい調査によると(知り合うドイツ人に聞いてみる程度~)
ドイツ人平均家庭の洗濯回数は週1回。
風呂につかることはめったになく、シャワーをするのだが、
義父母に言わせると、毎日シャワーをすると、肌を痛める、
とかで、彼らはほとんどシャワーさえしていない様子だ。
(凄いだろう!義母はぬれたタオルで身体を拭く、という伝統的な身体の手入れ方法を今でもやっているそうだ)
夫は少々特殊で、毎日身体を石鹸で洗わなくてはならない強迫観念に取り付かれている。
これはこれで大変だが、すくなくとも、私は夫に助けられ、毎日シャワーすることが可能な生活をしている。
ウチの洗濯は2~3週間に1回、シーツ類は2,3ヶ月に1度しか洗わない!
平均以下だ!
シーツは気をつけないと、虫が湧く!(本当だ!去年の夏、ダニが発生したのだ!)

こんなに洗濯・入浴が少ないのは、気候の違いのせいもあるだろう。
関東以西の日本の盛夏で、ドイツのマネは、まず無理だ。
汗でぬれたシャツを、次の日にもう一度、袖を通す気になる日本人がどれくらいいるだろうか?
襟の付いたシャツを1日着ると、実家では襟がかなり汚れたものだが、
こちらは何日か着つづけてもなかなか汚れない。
気候の差が、衣類の汚れ具合、さらには洗濯の回数の差にも繋がっていくように思う。

昭和40年代ごろまでは風呂が家庭にないところも多かったらしいので、
もしかしたら、毎日入浴をしているのはここ3,40年の日本の特別贅沢な生活習慣なのかもしれない。

多くの家庭で、電気ポットを使っている日本だが、ドイツで売っているのをまだみていない。
っていうか、売れないと思う。
日がな一日電気を消耗する商品だから~
こちらは温かいお茶を四六時中口にする習慣もないし。
義父母は朝にまとめて作ったハーブティーと自家製りんごジュースと自家製フルーツジュースを混ぜたものを、妙な形の入れ物に入れて(もちろん保温機能なし)一日かけて飲み干している。

炊飯器の保温機能を使って御飯をそのままにしている日本の家庭も多いだろう。
義父はタイマーでさえ嫌がるのに、保温のような消費電力が大きいと感じられるものは使わないだろう。
「冷えたら、そのつど暖めればいい」
と答えが来るだろう。

また、衛生観念の差も大きい。
洗剤と、食品を買ったとき、それらを一緒の袋に入れることができる日本人がどれくらいいるかしら?
持参の買い物袋を持っていたとしても、日本人はスーパー備え付けのビニール袋に洗剤を入れないだろうか?
こちらではまったく気にすることなく、全部一緒くたにマイバッグ入りさ!


日本の某洗剤のコマーシャルで驚いたことがある。
「お気に入りのブラウスを毎日洗濯しても、風合いが落ちない」
ってやっていた。
1回着用ごとに洗濯するように洗脳しているとしか思えなかったぞ!

包装の簡潔さの潔さ。
パン屋でパンを買っても、大抵紙袋1重だけ、である。
セルフサービスのところでは、トレイから袋に自分で入れるときのトングはないので素手でパンをつかまなくてはならない。
日本人、できるか?!
さっき、多くの人々の手を渡った硬貨や紙幣を触ったばかりのその手で!
夏場のパン屋にはパンにハエがたかっていることもおおいのだけど。
大量の殺虫剤を使うより、ハエのほうが安全なのかも。
事実、皆平気でハエたかりパンを食べている。
体調不良・店舗の不衛生を訴えられ、パン屋が店をしめた話もない。

商店は夜8時まで、日曜日は完全休業。
エネルギー節約のためのものではない。
これは宗教からくる決まりだそうだ、日本がキリスト教国でなかったことにほっとするくらいだぞ。
短い営業時間で使うエネルギーは日本より少ないだろうけど、売り上げだって少なくなるはずだ。
日曜日は家族でお買い物、が楽しみな日本の家庭も多いはずだ。
それはここにはない。
つまらない。

こうした多くの、いまの日本人には無理そうな生活がここでは展開されていることを知ってほしい。
または、風呂の回数を減らすとか、もう一日洗わないで、同じブラウスを着てみるとか、
調理家電製品の保温機能を使わないなど、こうした行動が「エコ先進国」と同じであることを知って、挑戦してみてほしい。
そう遠くないかつての日本もそうだったのだから。



写真は、義父が炊飯器用に新しく買ってきたスイッチ付き延長コード。
はっきり言って、全く意味不明。
でも、言わない。
パラサイトの私たち夫婦、親の言いなりさ。
早起きしてスイッチを入れるしかないさ。
りす
応援の声が日本から聞こえるぅ~