怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

頬キスの挨拶

2014年02月21日 | ひとびと
台所の窓から見えるところで、人々が挨拶をしていた。
「ぶっしぃ、ぶっしぃ(どうも、キス、のことらしい)あら、もう一回」と義母はぶつぶつ言いながら得意の仁王立ちで彼らの様子を観察してた。
「ああいった挨拶は昔は無かったものよ」と義母は言った。
お互いの頬を重ねる挨拶は外国から来たものなのだそう。フランスやスペインなどからだろうな、と私が言おうとしたら「おそらく東からね」と義母は言った。う~ん、そうなのかな。

南米在住時に嫌だった物事の一つに、この両頬キッスの挨拶があった。
面倒だし、自分の髪の匂いとか口臭とかを相手に気づかれる恐怖もあった。何より他人とえらく近づくのが苦手だ。
ドイツは大丈夫だろう、と思っていたらすでに多民族国家のここ、あらゆる国の方法で挨拶するぞ。
親しくしているエチオピア人に両頬キス挨拶のモデルをしてもらった。
 
軽く頬をあわせるだけなのだが、やっぱり面倒だ。エチオピアでは三回だとかで、私も三回を強要される。彼女とならいいが彼女の旦那まで「おいおい、僕とは挨拶しないのかい」と迫るので憂鬱だ。
フランス人もやりたがる。「地方によって2回か3回の違いがあるのよ」とか説明していた。
ドイツ人は親しさの度合による。初対面では握手だけなので安心。二度目くらいになると抱擁の挨拶になることも。
うう、憂鬱。でも両頬キッスほど面倒じゃあない。
よくわからないのがモンゴル人や中国人・タイ人・ベトナム人その他のアジア人たちで、こちらの習慣を真似ることもあるのか、やたら抱擁したがる人も多い。もっとも彼らの母国では家族などの間柄では頻繁に抱擁をする様子なので、日本人の感覚とはかなり違うのかもしれない。

ある日、義父と意気投合した。
「風邪を引いている人と握手した後は手を洗うことにしている」という義父。
「日本の挨拶はお辞儀ですからとても衛生的です」と私。「そうだな、そう思う」と義父も賛成してくれた。
西洋でもお辞儀の挨拶をときどき観察できるので、全く彼らに無理ということはないだろう。
よし、お辞儀挨拶普及に努めるかな、わたし。おにぎり普及も進行中だし。

人気ブログランキングへ

去年の帰省時に新宿駅構内で目撃した。
20歳代くらいの日本人女性と、肌の色の濃い若い男性が両頬キスをしていた。
東京でこの挨拶を見るのは珍しく、私は立ち止まって観察してしまった。どちらも慣れた様子だったし、また唇へのキスと違って嫌な感じは全くしなかった。男性はエチオピア人?南米人?ああ、追いかけて尋ねればよかったかっ
うむむ、東京も多民族国家になりつつあるのかな、とちょっと感心。