雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

家路

2006-02-23 | 雑記
 くる日もくる日も、同じ道を辿って帰っていると、たまに違う道から帰りたくなる。
 なので、時折私は帰り道を複雑にしてしまうクセがある。
 と言ってもワザと複雑にしているのではなく、ちょいと道を逸れてみると、どういうわけか取り返しがつかなくなる時がある。
 たまにドライブなどに出かけると、妻は私を「方向オンチ」となじる。しかし、通い慣れた道を外れ見慣れない町並みに偶然出会えるのならば、私は「方向オンチ」でよい。そんな時こそ、意外な発見というやつがあるのだ。
 そんな今日の私は、いつもの帰路に抵抗し、少し遠回りしてみることにした。何かが待ち受けているかも!そんな期待を胸に秘め。
 しかし、たかだか十五分や二十分の道程である。そうそう珍しい情景に出くわすわけでもなく、ちょいちょい横道に入っていくと、
「あぁ、ここにつながっているのか」
「あぁ、ここからくれば早いのか」
 その程度の発見である。
 さぁて、それじゃぁそろそろ、軌道を家に向けるかぁ、と思いきや、
「あれ?」
 夕闇が徐々に幕を降ろし、だんだんと道幅を狭めてゆく。聴こえるはずも無い、ケモノ等の鳴き声が辺りに響き渡る!
 なぁんて、そんな世迷い事すらない・・・。
 ただアクセルを踏み込み、家へ帰る。
 そんな単調な毎日の中に、淡い幻想を探してしまうほど、私は毎日の家路に嫌気が差しているのかも、知れない。
 
 
コメント
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