雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

ボーイズ・ラヴ☆☆

2007-12-20 | ある物語
 いつも先輩に迷惑ばかりかけてしまう、己の不甲斐無さを鍛え上げるべく、僕は自主トレーニングを始めることにした。

 これから毎晩、親が寝静まった頃を見計らって、僕は精神を集中させ、先輩の厳しくも温かな眼差しを思い浮かべ、ひたむきに、己を鍛え上げよう!

 さっそく僕は瞳を閉じ、先輩の姿を思い浮かべ、肉体の一部を硬直させ、いつもの先輩のシゴキに倣って、己自身に鞭打つ。

 ・・・・・・・・・・。

「ハァ、ハァ、ハァ、ハァ・・・・くっ!な、なにくそっ!」

 始めてから三十秒、早くも音をあげそうになる。我慢だ!我慢するんだ!

 僕は必死に先輩の厳しい顔を脳裏に浮かび上がらせる。

「ハァ、ハァ、ハッ!・・・せ、せんぱ・・いぃぃぃぃ・・・くはっ!」

 僕はビクンビクン痙攣する身体をベッドに横たえ、打ちひしがれた・・・。

 くそぅ、こんなことでは、先輩の熱き想いには到底応えられないぞ!くそぅ!先輩!すみませんっ!

 心の中で先輩に詫びを入れる。

 すると、心の中の先輩が、とても優しい笑顔で「大丈夫、オマエならやれる。ホラ、立て。立ってもう一度、オレに『漢(おとこ)』を見せてくれ!」と激をとばしてくださった。

 僕は、身体の内からみるみる力が湧き上がってくるのを感じ、雄叫びとともに、猛々しく、その身を屹立させた。

「オッス!もう一度、お願いします!」

 そう言って2ラウンド目に入ろうとした瞬間、部屋の扉が微かに開いて両親の心配そうな顔が現れた。

「お、おい・・・だ、大丈夫、か?」父が不安そうに訊ねる。

 軟弱であがり症の僕は、秘密のトレーニングを覗かれたことに困惑し、「せ、先輩が、先輩が、、、優しすぎるんだ・・・」と意味不明の回答を投げつけたまま、布団にもぐり込んでしまった。

 そんな僕に、父は「あんまり根を詰めすぎるなよ。おやすみ・・・」と囁き、ソッと扉を閉めた。
 父は廊下で不安に駆られている母に「『漢(おとこ)』には、『漢(おとこ)』の事情ってものがあるんだ、ソッとしておきなさい」そう宥めすかしてその場を後にした。

 僕は、父の『漢(おとこ)』に胸を打たれ、うっすらと瞳に涙を浮かべた・・・。



 ボーイズ・ラヴ☆・・・それは、真の『漢(おとこ)』たちの、熱き物語で、ある。


 つづく・・・(いやいやいや、だから、つづかんて・・・)
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永遠を旅する者-ロストオデッセイ 千年の夢/重松 清

2007-12-20 | 小説
『主人公は、カイム。
 永遠の生を生きる・・・
 すなわち、死ねない男。
 物語の舞台はすべて、一千年の旅をしてきたカイムが訪れた
「いつか、どこか」の町である。』(本文より)

 
「ファイナルファンタジー」の坂口博信、「バガボンド」の井上雄彦、そして、生と死を描き続ける作家、重松清。この三人が手を組み生み出した、壮大なる叙事詩!

 なんですが、個人的には、ダメでした・・・(あらら・・・

 三十近い短編が連なり、そのどれから読んでも問題はない、んですけど、なんというか、、、その、、、飽きちゃう(あらら・・・

 どうもね、異国の地ってのが、ダメみたいです、ボク。ってゆうか、重松らしさが、内容的には出てるんですけど、どうも、イマイチ、いつもの力が発揮しきれてないかなーって。。。

 たぶんね、これ、一日一話づつ読むとかしてったら、もうちょっと感慨深くなれたんだろうけど、如何せん図書館からの借り物だし、しかも友人からの又貸しだし(あらら・・・

 で、ちょっと駆け足で読みすぎちゃったかなぁ、ってカンジです。

 まぁ、初めてです、重松作品読み進めるのに苦痛を感じたのは。。。まぁ、それはそれで、良しとしておこうよ☆(あくまで重松ファン☆
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有頂天家族/森見 登美彦

2007-12-20 | 小説
「面白きことは良きことなり!」

 狸と天狗と人間が織り成す、奇想天外!抱腹絶倒!捲土重来!(←使い方オカシイ?)
 登美彦氏最高傑作の青春ファンタジー小説!

 とにかく、面白い。なんにせよ、面白い。間違いなく、面白い。

 そう、「面白きことは良きことなり!」この一言に尽きますわー☆

 
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