雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

親子だな

2008-11-03 | 雑記
 つい先日、心臓の不調を訴え検査を受けた親父の見舞いにいってきた。

 調子はどうだ?と訊くと、しきりに「肩が痛い」だの「身体がだるい」と言い募ってくる。それはいつものことなのだが、なんせ不調を訴えたばかりなのでこちらとしてもやはり心配になってしまう。しかしここで私までもが弱気になってもしょうがないので、軽く「歳だろ」と言い放つと、苦痛に顔を歪めていた親父が少しばかり笑った。

 しばらくの間、他愛のないやりとりを交わしながらも「ひどいなぁ」「昨日はまだ楽だった」と親父は脈絡なく溢していた。

 一時間もそんな相手をしているとこちらもいい加減疲れてきたので、「んじゃ、もういくわ」というと、またなんの脈絡もなく親父が語りだした。

父「だんご・・・」

私「は?団子?喰いたいんか?」

父「昨日、夜、だんご、三つ喰って・・・」

私「ふん?」

父「ビール呑みながら・・・」

私「はぁ?」

父「十二時まで映画観とった・・・あぁ、なんでこんなひどいがや・・・」

私「おいっ!」


 とにかく、「養生してくれ」と言って部屋を後にした。
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エバーグリーン/豊島 ミホ

2008-11-03 | 小説
≪漫画家を目指すアヤコと、ミュージシャンを志すシンは別々の高校に進むことになる。卒業式のあと二人は約束する。10年後にまた会おう。10年、その間に二人はどうなるのか。淡く切ない、残酷だけど美しい日々を描いた青春小説。≫

 あーーー!こーいう小説が読みたかったんだぁー!なんかもうダイレクトにハマってしまった。いいっ、これはいいっ!

 ヘンに馴れ合いが多かったり、悩み苦しんだり、暑苦しかったり、(ラジバンダリ・・・)いや、そういった青春小説も好きっちゃあ、好きなんだけど、そういうのがあんまりなくて、かといって冷め切ってるワケではなくて、その挫折や成功がリアルっぽい。

 中学を卒業してからのお互いの10年間に、これといって特別な事件はないけれど、それでも10年という歳月は確実に流れ、ドラマをともなっているんだ、と。

 これを読んでると自分の中学卒業からの記憶なんかも溢れ出すようによみがえってきました。いい歳したおっさんでも淡く切ない想いなどに駆られてしまえる最高の恋愛青春小説です。

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