雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

初恋素描帖/豊島 ミホ

2008-11-19 | 小説
 思春期真っ盛り!の中学2年生、2組の生徒20人の初恋を20の語り口で綴ってゆく連作掌編。

 おもしろいですね、こういう形態の小説。同じクラス内でのお話なのでもちろん各話に登場する人物がその後のお話にも出てきたりして、なんだか掌編集と言いつつも、ひとつの長編に仕上がっている感じです。

 で、そうなると登場人物も多いわけですが(最低でも20人だし)この齢になるとなかなか人物が覚えられなくて・・・しかし、そんな心配もご無用!各話タイトルが出席番号と名前で記されてて、そして目次を見ると出席簿。尚且つ各話タイトル下に浅野いにお氏が描く、その話の主人公のイラストが、いかにもこの性格だとこんなヤツだよなぁ、という具合に絶妙なタッチで描かれております。
 ですので、途中、前に出てきた名前など見かけて「どんなヤツだったっけ?」と思ったら、すぐさま目次で名前を確認。ページを開けばイラスト。「あぁ!はいはい。こいつこいつ」と、非常にわかりやすいのです。ちなみに私はこの動作をかなり繰り返しました(照

 そんなこんなですが、つまるところは中二の初恋話。とにかく甘酸っぱくて、ほろ苦くて、そして少し、大人びてて・・・。

 読んでて思わず、淡い胸のざわめきなんぞが甦ってきたりして、独りで照れ笑いなんか浮かべちゃったりなんかしちゃったりしちゃって・・・気持ち悪いです。

 豊島さんの本を読むと、たいがいこういう気持ちになっちゃうんですがね。それがクセになっちゃったりなんかしちゃったりなんか・・・・ウザイです。

 まぁ、こんなこと言ってる私の中二のときの思い出は『コレ』なので、どうしようもないっちゃあ、どうしようもないんですがね。てへへ☆
コメント (2)
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