雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

光と影の誘惑/貫井 徳郎

2008-11-17 | 小説
 貫井要素凝縮的四中篇集推理物語。誘拐物有米国的推理劇有驚愕有苦悩有。貫井初心者是入門編我良思。

 というわけで、チョロッと四編の感想を。

【長く孤独な誘拐】・・・これは結構、斬新な誘拐のアイデアだった。その誘拐スタイルだけでも惹きつけられるのに、尚且つその裏で蠢く驚愕の真相。初っ端から貫井氏の実力を見せつけられます。

【二十四羽の目撃者】・・・お次は貫井作品には珍しく軽妙な語り口調で洋モノテイスト溢れるハードボイルド系本格推理。こういうのも書いちゃうんですね。わりと楽しく読めましたが、トリックが微妙・・・。

【光と影の誘惑】・・・表題作になるだけあって、これぞ貫井の得意技!って作品です。要するに、多くは語れない、という作品です。

【我が母の教えたまいし歌】・・・私的にはこれがいちばん好きだったなぁ。途中で話は見えてくるんだけど、やはり最後にその事実を突きつけられるカタストロフィー。それに伴う快感が堪らんです。
 そしてこの作品内に漂う「重さ」「やるせなさ」。そういったものが、私の中の貫井作品に魅力を感じるいちばん大きなところなんだな、と感じた。
コメント (4)
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