雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

鼻くそ

2009-07-05 | 思い出
 小学校の時分、クラスに一人か二人は鼻くそをほじくって食べてたヤツ、いませんでした?

 今日、車で信号待ちしているとき、何気にバックミラーで後ろの車を見ると、ちょっとイケメンなオニィサンが思いっきり鼻くそほじくっていた。さすがにそれを口に運ぶことはしなかったのだが、その光景を見て、小学校のクラスメートA君のことを思い出した。

 A君は、しょっちゅう鼻くそをほじくっていた。授業中も休み時間も、とにかく、気がつくとほじくっていた。どんだけ鼻くそあるんだよ、ってくらい、ほじくっていた。しかしA君は、そのほじくったブツを食べるわけではない。彼はほじくりとった獲物をことごとく椅子の裏になすりつけていた。
 掃除の時間などになり、机と椅子を下げる際、椅子をグルリと返して机の上に乗せて移動させるのだが、そのときにA君の椅子裏の『鼻くそアート』が白日の下にさらされる。その前衛的な作品にはクラス中が、呆れを通り越して、嫌悪感を抱いていた。

 しかしながら僕らは、それに対して、からかったり文句を言ったりはしなかった。もはや、人智を越えた凄みが、そこにあったから。

 そんなある日、授業中にA君が突然鼻血を出した。

 先生は突然のことに「お、おい! どうした!」と慌てふためいていたのだが、クラスのみんなは冷静に事の次第を悟っていた。

 
 鼻くそ、ほじり過ぎだってば……。

 
コメント (2)
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