雲跳【うんちょう】

あの雲を跳び越えたなら

文学談議

2009-07-09 | 友人
 昨夜は友人のKちゃん(39才♂、独身)と一対一(サシ)で呑みに行ってきた。

 Kちゃんとはもう十年以上の付き合いになるが、よくよく記憶を辿ってみるとサシで呑みに行ったことは数えるほどしかなかった。なんだか意外な気がしたが、そんなもんである。

 いつもは数人の仲間達とわいわい言いながら色んな料理を頼んで、ちょこちょこつまんでいればやがて料理はなくなるが、二人だと俄然消極的な注文になってしまう私は、どうしても肉系よりも魚系に走ってしまう。あと、野菜系。お寿司屋を営んでいるKちゃんにしてみれば、たまの休日くらい魚のことは忘れて肉を食らいたかったであろう、ちょっと申し訳なかった。だが、人のよいKちゃんは初っ端から「鯵の刺身」や「南蛮漬け」を頼む私を快く許してくれた。しかし「鯵ぬた」は却下された…。
 それでも「牛スジ煮込み」「豚しゃぶサラダ」なども注文し面目は保てた、と思う。一軒目はそんな感じで程よく腹を和ませて、じゃあ次行くか、と二軒目へ。でもそこがまた和食中心の居酒屋で、これまた前に並ぶのは「イカの煮物」や「アサリの吸い物」といった具合だ。尚且つそこで私が「ゆでブロッコリー」などと注文したときのKちゃんの苦笑いがよかった。
 それでも「カマンベールチーズ揚げ」「牛ももタタキ」なども注文し面目は保てた、と思う。でも最後に注文したのは「ヤリイカのお造り」。

 そんなこんなだが、この二人になると、やはりどうしても話題はエロのほうへ……と思いきや、いえいえ、もうほとんど小説の話。ここまで打てば響くような小説に関しての話を思う存分できる人はお互い、なかなかいないようで、ともかく好きなことを言い合った。それはとても、気持ちのいい時間であった。

 二軒目を出たのは午後10時を少しまわった頃。明日も仕事だし、この辺でお開きにしようか、と思うのだが、互いに、まだもう少し呑み足りない、というか話し足りない、といった具合だったので、コンビニでビールでも買ってその辺でちょっと呑むか、ということにした。11時には帰れればいいし、と。
 そして私たちは缶ビールを二本買い、近くの銀行の駐車場横で乾杯した。
 そこからは、二人、思いのたけをぶちまけた文学談議を繰り広げた。それはもう、昭和の文学青年のように、熱く激しく潔く、各々の文学論を語った。それはとても素敵な時間だったので、気付けば早、11時半を過ぎていた。

 私たちは昭和の文学青年よろしく、お互いの健闘を祈りつつ帰路についた。

 文学を志す者の非常にストイックな感じの呑み会であった。たまに「おっぱい」や「チンコ」などの語彙も飛び出すが、ご愛嬌だ。

 酔うとくどくなる私の話を真っ直ぐに聴いてくれたKちゃんに心より感謝する。
 
 そしてまた、文学談議に花を咲かせようではないか!
コメント (2)
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