さりとて、浜松町に着いたところで何処へ行くあてもなく、駅北口から出て辺りを見上げれば、ビル、ビル、ビル。しかし、その切れ間から霧雨で上部が霞んだ東京タワーが見えました。
おおっ、昨今の東京タワーブームが鼻につき、やや意固地になって「東京タワー?見んでもいいさー」とぬかしていたが、遠くからでも、多少霞んでいても、やはり田舎モンにとっては東京のシンボルと感じてしまうんでしょうか?なんだか感慨深げに眺めていました。
しかし、それも束の間のこと、すでに歩き疲れて、そこら辺をウロウロする元気も余裕もないので、六時過ぎくらいに空港へ行こうと考えていましたが、もう行っちゃうか、と一時間ばかり予定を繰り上げることにして、モノレールへ乗り込みました。
モノレールでグングン空港へ向かってゆくと、なんだか、あぁ・・・もうすぐ帰るんだよなぁ・・・と安堵と寂しさが入り混じった複雑な感情がジワジワと込み上げてきました。
去年もそうだったけど、今回も電車に乗っているときは「この車窓から流れる景色を目に焼き付けておこう!」という勢いでずーっと外を見つめているんですが(流石に地下鉄では外は見ません。女子高生とかオネェチャンをチラ見しています)最後のモノレールから流れる景色はぼんやりと眺めているにもかかわらず、思いのほか胸に焼きついているようで、今でも鮮明に思い出せます。
たぶん、「フッ・・・」と気負いの抜けた気持ちの穴に「スルリ」と入ってきたんでしょうね。
さて、空港に着いてからも、なんやかんやとウロウロしていたんですが、どうやら予定通り飛行機も飛ぶということなので、とりあえず腹ごしらえでもしておこうと、お食事フロアへ。
そういえば今回の旅行記、やたら食いモンの話ばかりしたなぁ、と、まぁでも、旅行といえば、やはり普段とは違う食事になるもので、それは書いておきたくなるものであって・・・。
で、私はオムライスを、妻はベーグルなどを食べて、疲れもかなり出てきたんでしょう、帰りまでの時間をなんだかボーッとしつつも、妙に落ち着かなかったり、とても曖昧模糊な時を過ごしていました。
ほどなく飛行機に乗り込み、離陸。来たときとは逆に地上に瞬く無数の光が遠ざかってゆく様を見ていると、家に帰る安堵感よりも、やはり日常に戻ってしまうなぁ、という切なさというかやるせなさみたいな、そんな感情のほうが強く胸に溢れていました。
そして無事、小松空港へ降り立ち、車で帰る道々、お互いにしんみりとこの二泊三日で巡った場所での情景や出来事などをポツポツと喋りあいながら、「あぁ、あそこへ行けばよかったねー」「あぁ、あの場所へも行きたかったなー」などと、今更ながらなことを口にして、最後には「また、行こうよ」と、頷き合い、またその日がくるまでの、二人の日常と生活が在るべき場所へと帰っていったのでした。
旅行というのは、ちょっとしたものでも結構疲れたり嫌な事などもあったりするけれど、その分、色々な体験ができ、色々なものを見て、聞いて、肌で感じて、普段の生活の中では味わえない様々な想いや考えに出くわし、めぐり合えるので、半月経った今だからこそ言えるのかもしれないが、やっぱり、いいなー、って、心から、そう思える。
でも次は、もうちょっとのんびりとした旅をしたいなー、とも、思っているのであった・・・。
-了-
おおっ、昨今の東京タワーブームが鼻につき、やや意固地になって「東京タワー?見んでもいいさー」とぬかしていたが、遠くからでも、多少霞んでいても、やはり田舎モンにとっては東京のシンボルと感じてしまうんでしょうか?なんだか感慨深げに眺めていました。
しかし、それも束の間のこと、すでに歩き疲れて、そこら辺をウロウロする元気も余裕もないので、六時過ぎくらいに空港へ行こうと考えていましたが、もう行っちゃうか、と一時間ばかり予定を繰り上げることにして、モノレールへ乗り込みました。
モノレールでグングン空港へ向かってゆくと、なんだか、あぁ・・・もうすぐ帰るんだよなぁ・・・と安堵と寂しさが入り混じった複雑な感情がジワジワと込み上げてきました。
去年もそうだったけど、今回も電車に乗っているときは「この車窓から流れる景色を目に焼き付けておこう!」という勢いでずーっと外を見つめているんですが(流石に地下鉄では外は見ません。女子高生とかオネェチャンをチラ見しています)最後のモノレールから流れる景色はぼんやりと眺めているにもかかわらず、思いのほか胸に焼きついているようで、今でも鮮明に思い出せます。
たぶん、「フッ・・・」と気負いの抜けた気持ちの穴に「スルリ」と入ってきたんでしょうね。
さて、空港に着いてからも、なんやかんやとウロウロしていたんですが、どうやら予定通り飛行機も飛ぶということなので、とりあえず腹ごしらえでもしておこうと、お食事フロアへ。
そういえば今回の旅行記、やたら食いモンの話ばかりしたなぁ、と、まぁでも、旅行といえば、やはり普段とは違う食事になるもので、それは書いておきたくなるものであって・・・。
で、私はオムライスを、妻はベーグルなどを食べて、疲れもかなり出てきたんでしょう、帰りまでの時間をなんだかボーッとしつつも、妙に落ち着かなかったり、とても曖昧模糊な時を過ごしていました。
ほどなく飛行機に乗り込み、離陸。来たときとは逆に地上に瞬く無数の光が遠ざかってゆく様を見ていると、家に帰る安堵感よりも、やはり日常に戻ってしまうなぁ、という切なさというかやるせなさみたいな、そんな感情のほうが強く胸に溢れていました。
そして無事、小松空港へ降り立ち、車で帰る道々、お互いにしんみりとこの二泊三日で巡った場所での情景や出来事などをポツポツと喋りあいながら、「あぁ、あそこへ行けばよかったねー」「あぁ、あの場所へも行きたかったなー」などと、今更ながらなことを口にして、最後には「また、行こうよ」と、頷き合い、またその日がくるまでの、二人の日常と生活が在るべき場所へと帰っていったのでした。
旅行というのは、ちょっとしたものでも結構疲れたり嫌な事などもあったりするけれど、その分、色々な体験ができ、色々なものを見て、聞いて、肌で感じて、普段の生活の中では味わえない様々な想いや考えに出くわし、めぐり合えるので、半月経った今だからこそ言えるのかもしれないが、やっぱり、いいなー、って、心から、そう思える。
でも次は、もうちょっとのんびりとした旅をしたいなー、とも、思っているのであった・・・。
-了-