川上弘美さん初期エッセイ集。川上さんは、小説もファンタジックであるが、その人となりがもう、ファンタジックである。だもんで、川上さんにかかると身の回りの徒然が、途端に魅力的なものに満ちていく。だが基本、エッセイというものは小説と違って「うそばなし」はあまり望ましくない。しかし川上さんはすこぶるファンタジックな性質なので、読んでいるといつしか幻影へと滑り出し、現(うつつ)からはみでる。それがあまりにも些細で自然すぎて、ついつい信じてしまいそうになるのがくすぐったい。川上さんに取り込まれるような感覚が、いい。
いわんや、それは夢でしょう、ともなるが、ならばそれはそれで現実なのだな、と思える。川上さんが見たものを書く。それが夢でも現でも、そこに現れた世界は現に在るのだから。
と、こんなことを書いているとなんだかお伽噺みたいなエッセイか? と思われてはいけないので、きちんと言っておかなければならない。
個人的に印象に残っているのがそういった類いのものなのであって、実際は日々の細々や、周囲のあれこれを自分の想いにそって小気味よく語っておられる、たいへん良質なエッセイ集なのである。その文章文体からは、取りも直さず作家川上弘美のあどけない姿が匂いたってきて、たいへん心地好くさせられるのだ。
いわんや、それは夢でしょう、ともなるが、ならばそれはそれで現実なのだな、と思える。川上さんが見たものを書く。それが夢でも現でも、そこに現れた世界は現に在るのだから。
と、こんなことを書いているとなんだかお伽噺みたいなエッセイか? と思われてはいけないので、きちんと言っておかなければならない。
個人的に印象に残っているのがそういった類いのものなのであって、実際は日々の細々や、周囲のあれこれを自分の想いにそって小気味よく語っておられる、たいへん良質なエッセイ集なのである。その文章文体からは、取りも直さず作家川上弘美のあどけない姿が匂いたってきて、たいへん心地好くさせられるのだ。
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