神谷美恵子著、みすず書房
ひきつづき、神谷さんの本。
人が生まれてから死ぬまでのこころの旅路を書いた本。
正直なところ、子どもを育てた経験はないし、その気もないので、
幼少期の部分については、よくわからなかった。
自分の身に置き換えてみたとしても、そんなによく覚えてはいないし、
ましてや、幼いころは自分を客観視できていたわけでもないから、
へえ、きっと子をもつ親は、こんなふうに感じるんだろうな、という気分だった。
それでも、両親のことが思い出されたし、
むかしは母に比べると子に対する愛がうすいと感じていた父の愛についても、
ある程度の確信をもって、その愛を再認識することができた。
そして、いまの自分の年齢から、年老いて死ぬまでの時間のことは、
比較的すんなりと、そしてある種の手応えを感じながら読んだ。
両親の死を経験してからは、明日自分が死ぬ可能性だってあるのだ、
と思って暮らしているつもりになっているけど、
いざというときは慌てるのかな。
それもまた、私という人間らしくていいや。
生前の父に、自分を見失っている、ともらしたことがある。
そのとき、ぽそっと、「でもピアノはまだ弾いているんだろう」と言われた。
最近、その台詞を思い出して、
そこにこめられた想いをいまさらながら受け止めた。
なんだか心があたたかくなってきたような気がする。
ひきつづき、神谷さんの本。
人が生まれてから死ぬまでのこころの旅路を書いた本。
正直なところ、子どもを育てた経験はないし、その気もないので、
幼少期の部分については、よくわからなかった。
自分の身に置き換えてみたとしても、そんなによく覚えてはいないし、
ましてや、幼いころは自分を客観視できていたわけでもないから、
へえ、きっと子をもつ親は、こんなふうに感じるんだろうな、という気分だった。
それでも、両親のことが思い出されたし、
むかしは母に比べると子に対する愛がうすいと感じていた父の愛についても、
ある程度の確信をもって、その愛を再認識することができた。
そして、いまの自分の年齢から、年老いて死ぬまでの時間のことは、
比較的すんなりと、そしてある種の手応えを感じながら読んだ。
両親の死を経験してからは、明日自分が死ぬ可能性だってあるのだ、
と思って暮らしているつもりになっているけど、
いざというときは慌てるのかな。
それもまた、私という人間らしくていいや。
生前の父に、自分を見失っている、ともらしたことがある。
そのとき、ぽそっと、「でもピアノはまだ弾いているんだろう」と言われた。
最近、その台詞を思い出して、
そこにこめられた想いをいまさらながら受け止めた。
なんだか心があたたかくなってきたような気がする。