神谷美恵子著、みすず書房刊。
神谷さんが晩年に、自分の「遍歴」を書いた本。
他の本に収録されていることもあれば、ここで初めて語られることもある。
神谷さんは、私の祖母と同じ世代の女性。
海外暮らしの経験があって、すごい秀才で、
履歴書を見たら、「恐れ入りました」と言いたくなるだろう。
もし私の祖母だったら、と想像してみる。
きっと私も上流階級で・・・、なんて月並みな想像は無理だな。
私だったらきっと、祖母と自分を比べ、
なにも為さず、自分の人生をただ漫然と過ごしていることで、
いま以上に自己嫌悪感が、どんどんどんどん、どんどんつのって、
きっと、もっともっとひねくれていただろう思う。
自分のことを書くなんて、
きっと神谷さんのような人には大変な作業だったろうと思う。
文章を書くのが好きだとは言っても、それとこれとは別問題。
でも、おかげで、いま私は神谷さんの文章を読んで、元気づけられている。
自分の過去のことも、いろいろと思い出すことが増えた。
私のように、両親も兄弟もいないような人間には、
自分の幼い頃のことを話す機会がないので、過去は急激に失われる。
そして、未来が見えなくなる。
ふと、数人の友人の顔を思い浮かべた。
彼らは、いつか自分史の本を出そうと思って、
若いうちから日記を書きためているような人たちだ。
付き合うには面白い人たちなんだけど、でも・・・、
そう言う人って押し付けがましいんだよなあ、と、ちらりと思った。
神谷さんが晩年に、自分の「遍歴」を書いた本。
他の本に収録されていることもあれば、ここで初めて語られることもある。
神谷さんは、私の祖母と同じ世代の女性。
海外暮らしの経験があって、すごい秀才で、
履歴書を見たら、「恐れ入りました」と言いたくなるだろう。
もし私の祖母だったら、と想像してみる。
きっと私も上流階級で・・・、なんて月並みな想像は無理だな。
私だったらきっと、祖母と自分を比べ、
なにも為さず、自分の人生をただ漫然と過ごしていることで、
いま以上に自己嫌悪感が、どんどんどんどん、どんどんつのって、
きっと、もっともっとひねくれていただろう思う。
自分のことを書くなんて、
きっと神谷さんのような人には大変な作業だったろうと思う。
文章を書くのが好きだとは言っても、それとこれとは別問題。
でも、おかげで、いま私は神谷さんの文章を読んで、元気づけられている。
自分の過去のことも、いろいろと思い出すことが増えた。
私のように、両親も兄弟もいないような人間には、
自分の幼い頃のことを話す機会がないので、過去は急激に失われる。
そして、未来が見えなくなる。
ふと、数人の友人の顔を思い浮かべた。
彼らは、いつか自分史の本を出そうと思って、
若いうちから日記を書きためているような人たちだ。
付き合うには面白い人たちなんだけど、でも・・・、
そう言う人って押し付けがましいんだよなあ、と、ちらりと思った。