ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

旧(ふるい)怪談―耳袋より

2009-06-10 22:09:49 | Weblog
京極夏彦著、(幽ブックス)メディアファクトリー

私はこういう本、好きだなあ。

江戸時代の怖い話。
中学生の頃、親にだまってこっそり見た少し寒くなるテレビ番組のようなノリ。

イニシャルトークのようになっているところがまたいい。
こんなふうにリライトができるなんて、さすが京極さんだ。

人は、変わらないのね、と思う。
どうして、江戸時代の人が面白いと感じたことが、
いまの私も面白いと感じるのだろう。

美の基準は、時代とともに少しずつ変わるもののような気がするけど、
「うわさ話」系は、時代をこえて、やはり同じように面白く感じるものなのか。
そういえば、落語などは、アレンジが少しずつ変わっていると思うけど、
でも、オチで笑えるところは、時代の差があまりないような気がする。

面白い、と感じる基準は、時代の差というよりは、
地域の差のほうが大きいかな。
私は大阪のコントを見ても、面白いと思えないことがある。
他国の冗談はもっと笑えない。そんな感じだ。

面白さの基準は、味覚に近いかもしれない。