ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

やもり の その後

2009-09-29 21:11:52 | Weblog
上海から帰って来たら居着いていた「やもり」。
その後もずっとうちにいた。

メスだった。

なぜメスだとわかったかというと、もちろん
卵が産みつけられていたから。

どうもお腹がメタボっぽいと思ったんだ。
ある日、ふと見ると、スレンダーになっている。
やもりがダイエットなんてするわけがないけど・・・、
一時、思考をストップしていた。

週末に台所の掃除をした。
下水の蓋の裏側に、黒くて小さなつぶつぶがいっぱい付着していた。
たぶん、卵だったと思う。これまでに見たことないけど。

最近、うちの台所用洗剤は、無添加で微生物入り。
人間にやさしい、ということは、やもりにもやさしい。
毎日、食器を洗っていたにもかかわらず、逃げて行く気配はなく、
逆に、居着いてしまっていた。

でも、うじゃっと子やもりがいる台所は、やはりがまんできない。
想像した段階で、卵は流させてもらった。

さ~て、すっきりしたぞ、と思い、
シンクの上に一時退避していたやもりに目をやると・・・、
彼女は、シュンとしていた。
一目見てわかるくらいに。

ショックだった。ものすごく申し訳なかった。
たかだか「やもり」だと思っていたけど、
彼女は、我が家と子どもたちを守っていたのだった。

なぜ感情がないと言い切れるだろう。
もしかしたら感情と言えるほどのものではないかもしれない。
でも、何かを感じ取ることは当然ありうる。

ああ、申し訳なかった。

そうはいっても、もう止まれない。
その後、すっかり元気をなくした彼女も、
ティッシュでつまんで、外の芝生に逃がすことにした。

長期的に見たら、自然のなかで過ごす方が、彼女にとってもいいかもしれない。
でも、安全な家を求めて、うちにやってきたんだよね。
卵と一緒に外に出すとか、もう少し考えてから行動すればよかった。
本気で落ち込んだ。

ああ、でも来年また来たら、どうしよう・・・。

そして、夜・・・、
「家守」がいなくなった我が家の台所に、ゴッキーが出た。

彼女は本当に、やもりだったのだ。