約15年ぶりに、大学の恩師と電話で話した。
とても不思議なもので、先週、恩師の著書をたまたま手にとり、
ぱらぱらとめくって、元気にしていらっしゃるのか気になっていた。
週末に先生からお電話をいただき、メッセージを残してくださっていた。
久しぶりに過去の資料を整理していて、私の名前を見つけ、
懐かしくなって電話をしてくださったということだった。
中国で生まれ育ち、その後もう長く日本に住んでいらっしゃるので、
中国語だけでなく、日本語も私の話すものより美しい。
しかも、戦前の貴族の教育を受けた最後の世代の方だろうと思う。
お話をしていると、自然と敬ってしまうような気品と威厳がある。
私は小学生のときに、東京裁判における愛新覚羅溥儀さんの中国語を聞き、
「私は中国語を学ぼう」と直感した。
その後、大学で溥儀さんと同じ中国語を話す先生にめぐり会えたのは、
本当に運命だったのだと思う。
清朝の時代のいわゆる宮廷中国語を話す人は、いまの中国にほとんど残っていない。
言葉は変化するものだから、いいか悪いかの問題ではないけれど、
いま標準と言われているテレビ局のアナウンサーの発音や話し方は、
私が学びたかった中国語と、少しずれている。
すごく感覚的なことなので、上手く言えないけど、微妙に違う。
そして、中国の留学から帰ってきて先生と中国語で話したとき、
「ああ、くずれてしまった」と言われ、すごくショックだったのを覚えている。
いま中国で使っている中国語は、ざっくばらんで、使いやすくて馴染みやすい。
何もかしこまる必要はないし、それでいいと思う。
でも、あくまでも普段使いのような印象がある。
むかし、書き言葉を大切に育ててきた文化や教養が中国にはあった。
文革では、そういったものもすべて壊した。
私は外国人で無責任に意見が言えるからだけど、気品も失われたと思う。
私たちの世代は、貴族と接する距離感を生活上で知ることがないから、
先生とお付き合いするのが難しいと思う同級生も、もちろんいた。
そして、先生も誰に対してでも心を開くような方ではなかった。
でも、私はなぜか気に入っていただけたし、私も先生が好きだった。
約15年ぶりにお話しして、近いうちにお会いすることになった。
私がこれまでの社会人生活に一区切りをつけたこの段階で、
先生からお電話をいただくなんて、また、なんというタイミングだろう。
心の中にあるものを掘り起こしつつ進む。
その勇気が戻ってきた。
とても不思議なもので、先週、恩師の著書をたまたま手にとり、
ぱらぱらとめくって、元気にしていらっしゃるのか気になっていた。
週末に先生からお電話をいただき、メッセージを残してくださっていた。
久しぶりに過去の資料を整理していて、私の名前を見つけ、
懐かしくなって電話をしてくださったということだった。
中国で生まれ育ち、その後もう長く日本に住んでいらっしゃるので、
中国語だけでなく、日本語も私の話すものより美しい。
しかも、戦前の貴族の教育を受けた最後の世代の方だろうと思う。
お話をしていると、自然と敬ってしまうような気品と威厳がある。
私は小学生のときに、東京裁判における愛新覚羅溥儀さんの中国語を聞き、
「私は中国語を学ぼう」と直感した。
その後、大学で溥儀さんと同じ中国語を話す先生にめぐり会えたのは、
本当に運命だったのだと思う。
清朝の時代のいわゆる宮廷中国語を話す人は、いまの中国にほとんど残っていない。
言葉は変化するものだから、いいか悪いかの問題ではないけれど、
いま標準と言われているテレビ局のアナウンサーの発音や話し方は、
私が学びたかった中国語と、少しずれている。
すごく感覚的なことなので、上手く言えないけど、微妙に違う。
そして、中国の留学から帰ってきて先生と中国語で話したとき、
「ああ、くずれてしまった」と言われ、すごくショックだったのを覚えている。
いま中国で使っている中国語は、ざっくばらんで、使いやすくて馴染みやすい。
何もかしこまる必要はないし、それでいいと思う。
でも、あくまでも普段使いのような印象がある。
むかし、書き言葉を大切に育ててきた文化や教養が中国にはあった。
文革では、そういったものもすべて壊した。
私は外国人で無責任に意見が言えるからだけど、気品も失われたと思う。
私たちの世代は、貴族と接する距離感を生活上で知ることがないから、
先生とお付き合いするのが難しいと思う同級生も、もちろんいた。
そして、先生も誰に対してでも心を開くような方ではなかった。
でも、私はなぜか気に入っていただけたし、私も先生が好きだった。
約15年ぶりにお話しして、近いうちにお会いすることになった。
私がこれまでの社会人生活に一区切りをつけたこの段階で、
先生からお電話をいただくなんて、また、なんというタイミングだろう。
心の中にあるものを掘り起こしつつ進む。
その勇気が戻ってきた。