豚も杓子も。

私にすれば上出来じゃん!と開き直って、日々新たに生活しています。

美しさと可愛らしさ

2006年02月23日 | Weblog
とうとう、フィギュアスケートの女子シングルが始まりました。
メダル獲得の可能性の高い最後の競技なので、期待はいやがおうにも高まるばかりです。

ショートプログラムが終わって、日本勢の順位は3位、4位そして8位。
ミキティは、ジャンプでバランスを崩したりしたのがひびいて、8位。滑る直前の表情も少し不安げで緊張が伝わってきました。次の荒川静香さんは、もう自信溢れる様子で登場。最後は会心の笑みで滑り終えられました。結果は3位。途中のジャンプは、三回転のつもりを瞬時にニ回転に変更して失敗を回避したということでした。それだけ冷静だったのでしょうね。4位につけた村主章枝さんは演技に入る瞬間に顔つきががらりと妖艶に変わったのには驚きました。定評ある彼女の表現力の一端を見たように思いました。
三人三様の衣装も見ごたえありました。中でも荒川さんの赤い衣装は、解説でも指摘されていたように彼女の鍛えられた身体をよりいっそう美しく見せ、かつトリノのリンクに映えていました。村主さんの衣装も彼女がどうしたらよりあでやかに美しく見えるかを研究し尽くしたようなものでした。対して、ミキティですが、凝っているのは認めます。ワダエミさんのデザインだそうですが、それが果たして彼女の魅力を引き出すことに成功しているかは疑問です。かっこいいんだけど、全体に黒というのは、どうしても軽快感が失われているように思えました。ジャンプも重そうに見えたのではないでしょうか。
日本の三人とともに、印象的だったのは、やはり1位のコーエンさんと2位のスルツカヤさんでした。
彼女たちは、どちらもキュート系。表情がとても可愛らしくて、特にコーエンさんは会場から自然に拍手が湧いてくるほど観客へのアピール度がずば抜けていました。それぞれの衣装も各自の個性を引き立てる良いサポートをしていたと思います。

美しいということと可愛いということを敢えて区別するなら、荒川さん、村主さんは、美しい系。スルツカヤさんコーエンさんは、可愛い系。そして、我らがミキティも、どちらかといえば可愛い系に入るのではないでしょうか。
彼女の持ち味は、しっとりとした女性らしさというより、元気な若々しさの方だと思います。振り付けや、衣装に、そのような要素をもっと取り入れたら個性的に輝けたのではと、素人的には思ってしまいました。

昔々、アグネスチャンさんがアイドル全盛の頃、「きれいと言われるのと可愛いと言われるのとではどちらがうれしいですか?」という質問に、「可愛いといわれる方がうれしいです。だってその人の好意が感じられるから。」と、答えていました。
たしかに、美しさは好き嫌いを離れて客観的に判断できるもの。可愛らしさは対象への好意がないと感じられないものなのかもしれません。
今回の女子シングルのメダル対決は、美しさと可愛らしさの勝負というと単純すぎるでしょうか。
日本の二選手が観客の好意を引き寄せるほどの圧倒的な美しさを表現することを願いつつ、外国選手の可愛らしい演技にも注目してみたいと思います。
もちろん、変幻自在の一流スケーターである彼女たちは、フリーではまた違った姿を見せてくれるのかもしれません。

勝負の世界は何が起きるかわかりません。
ミキティも最後まであきらめないで、四回転を決めて欲しいと思います。
表彰台独占ということだってないとはいえないですよね。
頑張って欲しいです。

ともかく、今夜は早く寝て、明日の早朝に備えることにいたします。