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ゲーム攻略、読書感想文など。

銀英伝人物評58<ムライ>

2004年08月30日 18時17分16秒 | 銀英伝人物評
ヤン艦隊の参謀。
外伝「螺旋迷宮」ではタナトス警備管区参事官(中佐)として、惑星エコニアで起きた暴動の後始末にあたる。すぐれた手腕と迅速な判断であっという間に事件を解決してしまった。この時のムライが一番かっこよかったなぁ。

第13艦隊が設立されたとき、准将だったムライは首席幕僚としてヤンに招聘されている。「独創性は欠くものの緻密で整理された頭脳を持つ」と紹介されている。
後にはムライ本人がユリアンに語ったが、ヤン自身が指揮官・参謀の2つの資質を持っていたため、幕僚として、常にヤンに対して常識的な意見をぶつけるという役割を負うことにしたそうだ。そのためメルカッツに対してすら一線を置いている。ただしメルカッツが帝国軍の軍服を着ていることについては何も言わなかった。

ヤン艦隊内ではみんなから煙たがられる存在で、アッテンボローやポプランの天敵となっている。ちなみに原作では、会議の席でヤンがブランデーを飲みだしたとき、周りも次々と飲みだすのだが、意外にもムライもこの時飲んでいる。

そういえばバーミリオンでヤンがとどめを刺すのをやめたときは、シェーンコップらが攻撃するよう進言したのに対しムライは何も発言していない。ことが政治的判断に属することだから発言を控えたのだろうか。

バーラトの和約後、ヤン艦隊が解体されたため任を解かれて辺境に飛ばされる。後にチュン・ウー・チェンによって呼び出されて同盟艦隊を率いてヤンの元に集うことになった。ムライが合流したときの「ピクニックが研修旅行になっちまった」という発言は、ムライに関する発言で一番おもしろかった。
この直後にビュコック戦死の報に触れるのだが、ムライはチュン・ウー・チェンに向けて敬礼をしている。

ヤンの死後、ユリアンの指揮下に入るのを不満に思う人員をすべて連れてハイネセンに戻る。表面的にはユリアンらを見限ったことになり、不名誉な役割になるのだが、あえてそれを進言したところにこの男の真骨頂があるように感じる。
ハイネセンに戻った後は要注意人物としてマークされるが、ロイエンタール叛乱の時は、帝国軍がイゼルローン回廊を通過するのを防いでくれるよう交渉する役割を命じられて再びイゼルローンに行く。
イゼルローン共和政府の立場からすると、ロイエンタールの叛乱に荷担するのは頭の悪い判断らしく、ユリアンはあっさりNOの返事をする。ムライもそれがまっとうな選択だと思っていたそうで、もしユリアンがYESの返事をした時はしばくつもりだったという。早い話がロイエンタールは人選を誤ったということだ。

「オーベルシュタインの草刈り」で収監されるが、ラグプール刑務所の暴動では負傷するものの命は取り留めたため、ハイネセンに戻ってきたユリアンと再会した。

まぁヤンあってのこの男という感じがするが。

銀英伝人物評57<オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク>

2004年08月30日 16時36分41秒 | 銀英伝人物評
公爵。帝国最大の権門で傲慢を絵に描いたような性格。原作でもOVAでも醜い人物として描かれている。ちなみに予備役だが元帥の称号も持っている。ただしアスターテ戦役直後、ラインハルトが元帥に昇進した際、他の元帥は4人と紹介されており、それも軍務尚書エーレンベルク、統帥本部総長シュタインホフ、幕僚総監クラーゼン、宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガーと明記されているので予備役は数に数えていない。

フリードリヒ4世の娘を下賜され、皇帝の娘婿という立場となったため皇室を我が物のように考えている。
甥のフレーゲル男爵とともにラインハルトの存在を苦々しく感じているが、皇帝の寵姫の弟ということで直接手をくだすことはなかった。
ただし、ラインハルトがローエングラム伯爵家を相続する話を聞いたときは皇帝すら罵っている。

外伝では、皇帝を招く予定のパーティーをクロプシュトック候の爆弾テロにより台無しにされてしまったため、自ら討伐軍を率いて行く。しかし、部下の乱行を制さず好き勝手暴れさせたため、激怒したミッターマイヤーは貴族を射殺することに。同じく外伝でベーネミュンデ侯爵夫人の自裁に立ち会っているが、そこで、皇帝の孫を殺した男として弾劾される。

皇帝の孫にあたる娘(ザビーネ)がいるため、彼女を女帝にして自分が皇帝の父となることを目論んでいたが、エルウィン・ヨーゼフが皇帝になったため、その野望は果たせなかった。

権力を握ってしまったリヒテンラーデ公(エルウィン・ヨーゼフが皇帝になったとき公爵になった)とラインハルトの枢軸に対抗するために、元々はライバルだったリッテンハイム侯と結んでリップシュタット盟約を作り、帝国を二分する戦争に突入する。この時軍の指揮官としてメルカッツを脅迫してその地位につけるが、あれは見ていて不憫だ。
ちなみにリップシュタットというのは盟約を結んだ場所の地名で、そこはブラウンシュバイク公の別荘。

自分の甥であるシャイド男爵が治めていた惑星ヴェスターラントで民衆の蜂起が起こり、男爵は殺されてしまったため、ヴェスターラントへの熱核攻撃を行う。実はシャイド男爵とは親しくもなく、かわいがってもいなかったのだが、自分の一族が平民に殺されたという事実に腹を立てたのだ。

猜疑心の強い性格で、一度ラインハルトの捕虜となったのに生きて帰ってきたオフレッサー上級大将を、裏切者として殺し、忠臣のアンスバッハも味方の讒言によって牢に入れた。本当は殺してもおかしくなかったのだが、さすがに功績が多大である部下にそこまではできなかったと書いてある。

最後はアンスバッハによって無理やり自裁させられたが、ラインハルトの命を奪うよう命令していたのがこの物語に大きく影響を与えた。これはラインハルトにとっては皮肉というべきか。

銀英伝人物評56<ホワン・ルイ>

2004年08月30日 16時08分43秒 | 銀英伝人物評
同盟政府の人的資源委員長。小柄な体ながら、声は大きく血色のいい肌をしているそうだ。OVAではバーコードはげ。良識派の政治家としてジョアン・レベロとともに知られており、帝国領侵攻作戦に反対している。査問会にも参加しているが、これは査問会のメンバーがすべてトリューニヒト派になってしまうと批判があるだろうから任命された。

バーラトの和約後に下野し、難局の舵取りを任されたレベロに何度か苦言を呈す場面がある。しかし精神的に自殺してしまっているレベロを見、ついに見放す。どう考えてもレベロではなくこいつが議長になった方がいいのに、と多くのファンが思ったことだろう。
「オーベルシュタインの草刈り」で逮捕・収監された。後のラグプール刑務所の暴動では死なずに済んだが、この事件の死んだ人物、生き残った人物を見ていると、どうでもいい奴がまとめて殺されたなぁと感じる。

レベロがビュコックやシトレと交際があったのに対し、こいつは特に軍の誰かと仲がいいという話がないのはなぜだろう。

銀英伝人物評55<フリードリヒ・フォン・ゴールデンバウム4世>

2004年08月30日 15時48分32秒 | 銀英伝人物評
ゴールデンバウム朝銀河帝国第36代皇帝。本伝開始時点では63歳。若い頃は遊興に耽り、誰からも後継候補とは目されなかった。ところが他の兄弟(兄弟姉妹は9人いた)が共倒れしてしまったために帝位が転がり込んできた。それによって、今までまったく相手にしようとしなかったはずの門閥貴族たちがこぞって自分にかしずく様を皮肉な目で見ている。

16人の女性を28回妊娠させたが、流産・死産が多く、最終的に無事に成長した娘の一人アマーリエはブラウンシュヴァイク公に、クリスティーネはリッテンハイム侯に嫁いでそれぞれ孫娘を生んでいる。これら門閥貴族は皇室を自分のもののように思い、フリードリヒ4世の行為について、いちいち反発しているようだ。

政治についてはいっさい興味を持たず、リヒテンラーデ候にすべて一任。その結果、治世の中では特に目立つ業績はなく「灰色の皇帝」と呼ばれたそうだ。ただしラインハルトについては一目も二目もおいているようで、かつてローエングラム伯爵家を継がせる相談をグリンメルスハウゼンにした時は「箔がつくのはローエングラム家の方かもしれんぞ」と言っている。

バラの造園が趣味で、OVAでもよくバラの手入れをしているシーンがでてくる。それ以外の趣味としては老齢にさしかかった頃から少女趣味が出てきており、ベーネミュンデやアンネローゼが後宮に納められることになったわけだ。

性格は諦観なのか達観なのかわからないような、すべてを超越しているのではないかと思われるような不思議な発言がしばしばあり、特に印象に残っているのが、劇場版でアスターテへ赴くラインハルトに、口うるさい門閥貴族へのあてつけにいっそ侯爵にしてやろうかと言い出し、世間では皇帝は侯爵より偉いことになっているが卿もそう思うかとか、伯爵の地位を固めたら別のものを目指せなどと言っている。

ラインハルトはこの皇帝に対し、復讐心を燃やしていたが、結局急死してしまったため、「あの男にはもったいない死に方」と言われる。

銀英伝人物評54<パエッタ>

2004年08月30日 15時31分17秒 | 銀英伝人物評
中将で第2艦隊司令官。第4次ティアマト会戦の時からヤンの上官のようだ。部下には服従を求める性格で、ヤンの数々の進言もことごとく退けられた。自分の能力にそんなに自信あるのだろうかと疑問だ。
こいつがはっきりとトリューニヒト派の軍人と書いてある個所がないが、劇場版では国防委員長トリューニヒトとヤンとの会話に無理やり入り込んで愛想を言っている場面があるので、可能性は高そうだ。

アスターテ会戦の最中、帝国軍の奇襲によって負傷。これが結果的に歴史を動かしたというべきか、ヤンに後の指揮を託した。その後第2艦隊が第13艦隊に取り込まれたため、パエッタは療養後にクブルスリーの後任で第1艦隊司令官になる。その後はいっこうに活躍しておらず(その前もだが)、ランテマリオ会戦にも参加していたはずなのだがまったく登場せず。
「オーベルシュタインの草刈り」によって収監され、ラグプール刑務所の暴動で死亡。
こんなおっさんが上司だったら仕事やる気しないだろうなぁ。