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銀英伝人物評55<フリードリヒ・フォン・ゴールデンバウム4世>

2004年08月30日 15時48分32秒 | 銀英伝人物評
ゴールデンバウム朝銀河帝国第36代皇帝。本伝開始時点では63歳。若い頃は遊興に耽り、誰からも後継候補とは目されなかった。ところが他の兄弟(兄弟姉妹は9人いた)が共倒れしてしまったために帝位が転がり込んできた。それによって、今までまったく相手にしようとしなかったはずの門閥貴族たちがこぞって自分にかしずく様を皮肉な目で見ている。

16人の女性を28回妊娠させたが、流産・死産が多く、最終的に無事に成長した娘の一人アマーリエはブラウンシュヴァイク公に、クリスティーネはリッテンハイム侯に嫁いでそれぞれ孫娘を生んでいる。これら門閥貴族は皇室を自分のもののように思い、フリードリヒ4世の行為について、いちいち反発しているようだ。

政治についてはいっさい興味を持たず、リヒテンラーデ候にすべて一任。その結果、治世の中では特に目立つ業績はなく「灰色の皇帝」と呼ばれたそうだ。ただしラインハルトについては一目も二目もおいているようで、かつてローエングラム伯爵家を継がせる相談をグリンメルスハウゼンにした時は「箔がつくのはローエングラム家の方かもしれんぞ」と言っている。

バラの造園が趣味で、OVAでもよくバラの手入れをしているシーンがでてくる。それ以外の趣味としては老齢にさしかかった頃から少女趣味が出てきており、ベーネミュンデやアンネローゼが後宮に納められることになったわけだ。

性格は諦観なのか達観なのかわからないような、すべてを超越しているのではないかと思われるような不思議な発言がしばしばあり、特に印象に残っているのが、劇場版でアスターテへ赴くラインハルトに、口うるさい門閥貴族へのあてつけにいっそ侯爵にしてやろうかと言い出し、世間では皇帝は侯爵より偉いことになっているが卿もそう思うかとか、伯爵の地位を固めたら別のものを目指せなどと言っている。

ラインハルトはこの皇帝に対し、復讐心を燃やしていたが、結局急死してしまったため、「あの男にはもったいない死に方」と言われる。

銀英伝人物評54<パエッタ>

2004年08月30日 15時31分17秒 | 銀英伝人物評
中将で第2艦隊司令官。第4次ティアマト会戦の時からヤンの上官のようだ。部下には服従を求める性格で、ヤンの数々の進言もことごとく退けられた。自分の能力にそんなに自信あるのだろうかと疑問だ。
こいつがはっきりとトリューニヒト派の軍人と書いてある個所がないが、劇場版では国防委員長トリューニヒトとヤンとの会話に無理やり入り込んで愛想を言っている場面があるので、可能性は高そうだ。

アスターテ会戦の最中、帝国軍の奇襲によって負傷。これが結果的に歴史を動かしたというべきか、ヤンに後の指揮を託した。その後第2艦隊が第13艦隊に取り込まれたため、パエッタは療養後にクブルスリーの後任で第1艦隊司令官になる。その後はいっこうに活躍しておらず(その前もだが)、ランテマリオ会戦にも参加していたはずなのだがまったく登場せず。
「オーベルシュタインの草刈り」によって収監され、ラグプール刑務所の暴動で死亡。
こんなおっさんが上司だったら仕事やる気しないだろうなぁ。

銀英伝人物評53<ドーソン>

2004年08月30日 13時55分46秒 | 銀英伝人物評
同盟軍大将で統合作戦本部次長。トリューニヒト派の軍人。かつて士官学校の教官を勤めていたことがあり、生徒からの評判は悪かった。アッテンボローも露骨に嫌っており、外伝「螺旋迷宮」では、ヤンの前で、彼の卒業と同時にドーソンも士官学校の教官から前線勤務に移ったことを嘆く場面がある。

また第一艦隊勤務時代にはダストシュートの中を調べまわり、じゃがいもが無駄に捨ててあることを発表したエピソードがあることから「じゃがいも野郎」と呼ばれる。

クブルスリーがフォークに撃たれて療養している最中は統合作戦本部長代理になり、クブルスリーが退役後に統合作戦本部長となる。後にビュコックは自分が本部長になっておけばよかったともらす。
小役人体質の男で、ラグナロック作戦により帝国軍が同盟領内に侵攻してくると、アイランズ国防委員長とビュコック司令長官が共同で対策に乗り出している中、ひとり取り残されて、自分の最低限の仕事のみを行っている。

バーミリオン会戦後、ヤンとラインハルトとの会談の中で、統合作戦本部長は収監せざるを得ないとラインハルトが言っているので、バーラトの和約後は戦犯として捕まったと思われる。

銀英伝人物評52<ルパート・ケッセルリンク>

2004年08月30日 13時40分57秒 | 銀英伝人物評
銀河英雄伝説 Vol.11ルビンスキーがかつての恋人に生ませた男。だがルビンスキーは権力の頂点を目指すためにこの恋人とわかれて大商人の娘と結婚したためルパートは私生児ということになった。

ルビンスキーの超克を志て、父と同じ政治の道に踏み込んだルパートは頭角を表し22歳の若さで補佐官に上り詰めた。ルビンスキーはルパートが実の子だということを知っていたが、彼を補佐官に取り立てたのは純粋に有能であったからだと思われる。
何気にルビンスキーは地位の世襲に興味はなかったが、肉親の情を抜きにしても彼の才能を買っていたので、もしルパートが才気煥発なだけの男であればゆくゆくは後を告げたかもしれない。

ルパートは父親の地位を狙っており、実際才能だけだったらルビンスキーを凌駕していた。だが経験の差でルビンスキーに及ばなかったと原作にある。それはともかく、自身の野望の布石として、地球教のデグスビィ司教に、フェザーンと地球教の権力の山分けを持ちかけた。これは、いくらフェザーンの権力だけ手に入れても、背後にある地球教をどうにかしないことには、ルビンスキーの先代の自治領主と同じ運命になってしまうからだ。しかしデグスビィは純粋な信仰者であったために取引は断られたため、麻薬漬けにして無理やり協力させようとしていた。

また、ルビンスキーの愛人のドミニクを自分の愛人にしたのはいいが、結局ルビンスキー暗殺の企みの共犯者だった彼女が全部ルビンスキーに喋ってしまっていた。帝国軍がフェザーンに侵攻してきたときにルビンスキーを暗殺してしまおうとしたのだが、逆に殺された。もっと先まで生き延びていたらすごい活躍しそうだっただけに残念。

銀英伝人物評51<マグダレーナ・フォン・ヴェストパーレ>

2004年08月30日 13時17分23秒 | 銀英伝人物評
男爵夫人だが独身。自身がヴェストパーレ男爵家の当主ということ。原作の本伝では登場していない。男勝りの性格で、悪い意味での貴族的な慣習とは無縁でいるため、周りから煙たがられる一面もある。
アンネローゼが後宮に入ったとき、他の貴族たちは仲間はずれになるのが嫌でアンネローゼには近づかなかったが、男爵夫人は堂々とアンネローゼに近づき友達付き合いをする。
以後、アンネローゼとの親交は続き、ラインハルトとキルヒアイスも何度か会うのだが、彼女はキルヒアイスが好みのようだ。もっともキルヒアイスにはいい迷惑なので、「髪が黒い女性は嫌い」とまで言わせている。

7人の芸術家の卵のパトロンで、無論彼女の愛人なのだが、一流の芸術家ではなく、卵であるというところに保護欲をそそられるらしい。ちなみにメックリンガーとも付き合いがあるが、こちらは愛人ではない。そうだったら面白いのだが。
ヒルダの母は結恨前、この男爵夫人の経営する学校で古典音楽を教えていた。その関係があってヒルダとも面識がある。