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湘南でゆるゆら暮らしココロ赴く先へガシガシ出かけるライター山秋真が更新。updated by Shin Yamaaki

09年松井やより賞:グアテマラ当事者団体/同ジャーナリスト賞:境分万純さん・松浦範子さん

2009-12-20 22:01:22 | ジェンダー
先日、2009年のやより賞・やよりジャーナリスト賞の
贈呈式に出かけてきた。

今年のやより賞は、中米・グアテマラの当事者団体によるプロジェクト:
「戦時性暴力の被害者から変革の主体へ」に贈られた。
それはどんなプロジェクト? という方のため:

  「2000年東京で開催された女性国際戦犯法廷に触発された
  フェミニスト活動家、ヨランダ=アギラルさんにより
  はじめられたプロジェクト。

  30年余のグアテマラ内戦中、さまざまな暴力をうけた女性たちが
  正義と尊厳をとりもどすための活動をしている。

  当事者女性たちが自らの人生をきりひらき、
  女性に対する暴力を根絶する社会を目指す活動の一環として、
  グアテマラ民衆法廷を実現しようと準備中。」(やより賞HPより)

来年開催予定の民衆法廷のため忙しいなか、プロジェクトを代表して、
マリアナさん(右)とアイデーさん(左)がグアテマラから出席。



グアテマラの人口の約6割は先住民族であるマヤ族だという。
やはりマヤ族のマリアナさんが着ているのは、
民族衣装のウィーピル(ブラウス)とコルテ(スカート)。

この写真ではわかりづらいけれど、色鮮やかで美しい。
これは最近の流行の柄で、もちろん手作り。
「手作り」といっても「縫う」のではなく「織る」のだとか。
うーん…マリアナさんもその服も、わたしには眩しくみえる。

それにしても、内戦中に農村部で440のマヤの村が消滅、
死者20万人、国内外の避難民100万人、という被害のすさまじさ。
なのに、
マヤ文明やマヤ暦くらいしか知られていないばかりか、
グアテマラとマヤが結びついてもいない、日本の(わたしの)現状。

ちなみに、写真中央奥は通訳の新川志保子さん。
グアテマラ 虐殺の記憶 真実と和解を求めて』
(歴史的記憶の回復プロジェクト 2000 岩波書店)の共訳者でもある。



この本は、この日の会場でお会いした、わたしの出身校の
先生だった方から頂戴した。直接の面識はないと思ったら、
話しているうちに、スペイン語担当の先生だったと分かった。

あれ? わたしも高校1年の時、スペイン語をとってみたような。
巻き舌ができなくて、夏くらいには自主的にfade outしていたような?
じゃあ面識があったのか? 今となっては、2人とも思い出せない。

…気をとりなおして、『グアテマラ 虐殺の記憶』の目次紹介。

はじめに-歴史的記憶の回復
1部 証言-破壊
 1章 暴力はひとりひとりに何をもたらしたか
 2章 種子の破壊
 3章 共同体への攻撃
2部 恐怖のメカニズム 
 1章 暴力の情報網
 2章 住民を標的に
 3章 恐怖のメカニズム
3部 二度と再び
 1章 暴力に立ち向かう
 2章 尊厳を取り戻す女性たち
 3章 二度と再び繰り返さないために
勧告-社会再建への道

すごく興味深そうな本。そもそも「被害者から主体へ」という
このプロジェクト自体、示唆に富みそうで、めちゃくちゃ興味深い。
積読(つんどく)のなかでも最優先あつかいにして、
「来週の締切がおわったら読みたい本」にしよう。

ところで、09年のやよりジャーナリスト賞は、
映画メディアを媒介として使うかたちで
映画評論を中心に新たなジャーナリスト活動をおこなう、
境分万純(さこう・ますみ)さんに贈られた。

辛玉淑(しん・すご)さんとともに、お勧め映画の解説をする境分さん(右)。
一押し映画はなんといっても『行け行け! インド』だとか。
境分さんの解説を聞いていると、本当に観たくなるから不思議。



今年は、やよりジャーナリスト特別賞(作品賞)が
クルディスタンへの取材をかさねた写真家の松浦範子さんに贈られた。



「たまたま行ったトルコで、何も知らないところから取材をはじめ、
現地の人に助けてもらって13年かかわってきた。
心ある人が協力してくれるなかで、その人たちを巻き込んだり
迷惑をかけたりしながら、取材を続けてきた」という
松浦さんの言葉をきき、なんだか他人とは思えなかった。

それぞれの世界をもつ魅力的な人たちに出会えて、元気を再充電。
初心にたちかえる機会までもらった。
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