「クリーブランドにいるなら、ロックの殿堂に行かなきゃ!」
音楽通の友人にいわれ、あわてて調べると、
どうやらダウンタウン、それもクリーブランドクリニックの近くにあるらしい。
ということで、行ってきましたThe Rock and Roll Hall of Fame and Museum(ロックの殿堂)。
上の写真は、ロックの殿堂の正面。
なんだか、パリのルーブル美術館のピラミッドを思わせる…。
調べてみるとやはり、設計者が同じだった。
「幾何学の魔術師」との異名をもつという、中国系アメリカ人建築家、I.M.ペイ氏。
目の前の街路上には、「ロック生誕の地」と刻まれた記念碑もたつ。
1950年代の人気ラジオDJだったアラン=フリードが、ラジオ番組で
アップテンポな黒人のリズム・アンド・ブルースを「rock and roll」と呼び
新ジャンルとしたことで、ロックの流行が広まったそう。
22ドルの入場料を払い、いざ、なかへ。
プレスリーが友人たちに贈ったパープルの車
ウッドストックのチケット
ジョンレノンの走り書きの詩
ローリングストーンズがツアーに使った道具箱
マイケルジャクソンがグラミー賞授賞式できた衣装
U2やスティービーワンダーなどなどのステージ衣装…
功績をのこしたミュージシャン(デビュー25年以上が条件)、
プロデュユーサーなどの記録が保存・展示されている。
たくさんのジュークボックスやビデオや映画もあり、一日いても楽しめそう。
もちろん館内にカフェもあるので、お腹がすいても大丈夫。
ほとんど撮影禁止だが、出口近くにあった
マイケル=ジャクソン・メモリアルだけ写真におさめられた。
たくさんの写真や、カードや、テディベアや、花が添えられている。
よく見ると、ギターはマイケルの似顔絵いり。
…ロックの殿堂を見おわった今はひときわ、愛を感じるなぁ。
ロックに影響を与えた人たちも殿堂入りの対象なので
ロックのルーツとして、彼ら彼女らの功績も紹介されていた。
これがけっこうよく出来ていて、展示をみていくと
ロックがどういう状況の中で、どういうニーズのもとに生まれたか、
なんとはなしに受けとめるものがある。
ロックが生まれた1950年代、それは
アフリカ系アメリカ人が公民権運動をはじめた時期でもあった。
1964年に公民権法ができ、アメリカの人種差別は法的にはおわったけれど、
1968年のキング牧師暗殺のあと、反差別運動が過激化。
沈静化したのは1970年代中ごろといわれる。
言葉にできる気持ちは歌詞で、言葉にできない感情は音の響きで、
表現しようとしたひとつが、ロックだったのではないか。
1958年に生まれ、1966年にジャクソン5を結成し、
1971年からはソロ活動もはじめたマイケルは、
だからこそ、体験や想いを共有するひとりとして愛され、
その音楽はつよい共鳴を呼んだのかもしれない。
ギネス記録の大ヒット作「スリラー」が発売されたのは、1982年。
最近ではスキャンダラスな話題も多かったとはいえ、
それ以降ずっと、マイケルは世界のトップスターだった。
アフリカ系アメリカ人が
初めてアメリカ合衆国大統領になった2009年に、亡くなるなんて。
出口をでてそぞろ歩く。ロックの殿堂の横顔が目にはいる。
正面から眺めるロックの殿堂は、堂々としていて安定感があった。
側面からの姿は、不安定で、いびつで、尖っている。
人気ジャンルとして確立されながらも、留まるまい、固まるまいとするかのようだ。
これが、ロックの強さなのかも…。
最新の画像[もっと見る]
- 【ご案内】12/1(日)講演@東京・五反田/品川「のと地震の震源地をゆく〜原発がないのは偶然か」 4週間前
- 【ご案内】12/1(日)講演@東京・五反田/品川「のと地震の震源地をゆく〜原発がないのは偶然か」 4週間前
- 【お薦め】読書の秋に、『珠洲の海』(砂山信一 第一歌集・11月20日発売) 1ヶ月前
- 【ご案内】11/29(金)スライド&トークイベント「声をあげる人々が未来を変える~能登地震と原発」 1ヶ月前
- 【おすすめ】「新潟県巻町と根源的民主主義の細道」と副題にある名著、増補版! 2ヶ月前
- 【おすすめ】「新潟県巻町と根源的民主主義の細道」と副題にある名著、増補版! 2ヶ月前
- 「もの言う民が未来を救う」:神奈川新聞「2024衆院選 問う」10/27 2ヶ月前
- 「もの言う民が未来を救う」:神奈川新聞「2024衆院選 問う」10/27 2ヶ月前
- 【ご案内】10/28発売『現代思想』11月号に「帰りたいスズとジチ」 2ヶ月前
- 【ご案内】10/28発売『現代思想』11月号に「帰りたいスズとジチ」 2ヶ月前