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湘南でゆるゆら暮らしココロ赴く先へガシガシ出かけるライター山秋真が更新。updated by Shin Yamaaki

女性同士の争いはなぜ起こる?

2009-12-06 21:53:24 | 本/映画/音楽/番組
今日は、『女性同士の争いはなぜ起こるのか
主婦論争の誕生と終焉』を読んでいる。



次回のジェンダーコロキアムは、この本の書評セッション。

結婚しているとかいないとか、子どもがいるとかいないとか、
仕事をしているか専業主婦かとか、雇用者か自営業者かとか、
そんな見せかけの対立は、できれば回避したい。
姉妹の多いわたしにはそんな気持ちがあり、この本はツボにはまる。

やや厚めで、読むのが楽とはいいがたいけれど、
なんとか読みおえて参加したい。

ちなみに、ジェンコロのご案内と本の目次は以下のとおり。

*****
2009年度 第12回ジェンダーコロキアム
日時:2009年12月9日(水)18:40-20:30
場所:東京大学法文1号館315号室(本郷キャンパス)
書評セッション
『女性同士の争いはなぜ起こるのか 主婦論争の誕生と終焉』
(妙木忍 2009 青土社)
コメンテーター:熊坂礼子、大和田未来

本書の紹介
生き方の選択をめぐる女性同士の争いをテーマに、
3次にわたる主婦論争から、1980年代のアグネス論争、
1990年代の専業主婦論争、2000年代の「負け犬」論争までを
一本の線で結んで、戦後主婦論争として分析。 

女性のライフコース選択をめぐる論争の「かなめ」には
主婦をめぐる問いがあると考え、主婦をキーワードとして、
女性たちが時代をこえて受け継いできた論点に迫る。

女性が抱く葛藤はどこから来ているのか?
女性同士の争いは、時代や論点の変容を遂げながらも
なぜくりかえされるのか? 

その葛藤は、決して個人的な葛藤などではなく、
各時代の背景と女性が置かれた位置に関係しているということを、
歴史的に明らかにしようとした著作。

目次:

1章 「主婦論争」の誕生
   1 「主婦論争」の誕生
   2 1980年代以降の論争
   3 主婦論争を再定義する
   4 女性たちの共通点――比較の基盤
   5 女性と男性のあいだの非対称性と女性同士の分断
   6 規範が変化しても変化しないもの
   7 女性同士の争いを読み解くために
2章 前史としての主婦論争   
   1 第一次主婦論争――主婦は外で働くべきか?
   2 第二次主婦論争――家事労働はなぜ経済的価値を生まないのか?
   3 第三次主婦論争――主婦の正統性を正当化する
   4 性役割規範をめぐる女性間比較
   5 既婚女性が主役だった論争
3章 第四次主婦論争(アグネス論争)
   1 社会史的背景――働く母親の増加
   2 アグネス論争――子連れ出勤は是か非か?
   3 アグネス論争をどう読み解くか
   4 ライフコース比較言説の登場――山口百恵・松田聖子・アグネス
   5 職場神聖論
   6 羨望と嫉妬のあいだで――相対的剥奪感
   7 ねづよく残る性役割規範
4章 第五次主婦論争(専業主婦論争)
   1 社会史的背景――マイノリティ化する専業主婦
   2 前史――社会学者らによる専業主婦論
   3 主婦役割全面否定論と主婦役割全面肯定論の対立
   4 ライフコースの多様化の容認をめぐって――石原論と林論の対照性1
   5 女性の自己利益の優先の是非をめぐって――石原論と林論の対照性2
   6 石原論と梅棹論
   7 第六次主婦論争への助走
   8 石原論の歴史的意義と盲点
   9 専業主婦の階層分解を目前にして
5章 第六次主婦論争(「負け犬」論争)
   1 社会史的背景――広がる女性間の経済階層格差
   2 論争者のいない論争
   3 規範が失われた論争
   4 「勝ち犬」と「負け犬」の共通点
   5 「負け犬」論争がもたらしたもの
   6 「ありのまま」を肯定して生きる
6章 主婦論争の通時的分析
   1 主婦論争のまとめ
   2 第一の断絶――準拠対象の変容(第一次~第三次、第四次~第六次)
   3 第二の断絶――争点となる規範の変容(第一次~第五次、第六次)
   4 第三の断絶――女性の意識の変化(第一次~第四次、第五次~第六次)
   5 主婦論争の断絶から見えてくるもの
   6 女性同士の争いがくりかえされるのはなぜか
   7 新たな問い――規範解体以後も終わらない論争
7章 主婦論争のゆくえ
   1 ライフコースの多様化「以後」の主婦論争
   2 女性間を分断する規範のゆくえ
   3 女性同士の争いはどこへいくのか

著者&コメンテータ自己紹介:
みょうき しのぶ
1977年高知県生まれ。高知大学教育学部卒業。
京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。
東京大学大学院人文社会系研究科修士課程・博士課程修了。
博士(社会学)。専門はジェンダー研究と観光研究。
現在、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所ジュニア・フェロー。
主な共著として『新編 日本のフェミニズム 3 性役割』(岩波書店、2009)
『観光の空間』(ナカニシヤ出版、2009)ほか。

くまさか れいこ
山形大学人文学部卒業後、私立高校の社会科の教員として
4年間働きましたが、職場の同僚と結婚し、退職しました。
その後24年間は主婦役割を最優先させて暮らしてきました。
50歳になった頃、父が事故で障害者になり、それをきっかけに
家族の問題が表面化しました。その時に自分の主婦役割について
疑問を持ちました。4年前に上野先生と出会い、
『サヨナラ学校化社会』や『家父長制と資本制』などを読んで、
ようやく同志にめぐり会ったと思いました。
現在主婦の当事者研究をしています。
『女性同士の争いはなぜ起こるのか』を読んで、
待ち望んでいた主婦論についに出会ったと思いました。

おおわだ みき
東京学芸大学教育学部幼稚園教員養成課程卒業。
8年かけて大学を卒業!現在、東京大学社会科学研究所学術支援職員。
先生や友人など、理解し、見守ってくれる人に恵まれました。
その環境の大切さを実感します。私を離さない問題と向き合いたくて、
現在上野ゼミでお世話になっています。当日は、
当事者性と降りられなさ、自分自身のポジショナリティについて、
また、シングルマザーという、婚姻制度を選ばなかった
自分自身の立場から見えてくる「主婦」の立場について
考えていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

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