今日は夏日。外にでてみると、
梅の実が陽ざしをうけて輝いていた。
そろそろ終わりかと思っていたかたばみの花も
昨日までの雨でみずみずしく蘇った様子。
初夏のこんな日には、風を感じたくなる。
久しぶりに自転車ででかけたいような。
自転車といえば、先月末の『週刊金曜日』憲法特集号に
ピースロードサイクリング!を紹介する記事を載せていただいた。
***** ***** ***** *****
さっそうと走りぬける「平和」の道
ピースロードサイクリング! (山秋 真)
ピースロードは大阪・西区の九条駅と京都・南区の九条駅をつなぐ道。
九条と九条をつなぐならどのルートも「ピースロード」。
そこを自転車で走る企画がピースロードサイクリング!だ。
きっかけは2004年の初め。
大阪の九条駅をみた高橋和行さんは、ふと思う。
「九条駅とかけて憲法九条に因んだことをしたい」。
初めは、九条を守るということで、九条駅のゴミ拾いでもやるか
と考えた。「そこに『京都にも九条駅あるで』と言われ、
二駅をつなげたらオモロイかなと」。
その道を高橋さんが「ピースロード」と名づけ、
企画をたてれば誰かやってくれるかとホームページを作った。
それをみた記者が取材にきたのが同年夏。「積極的にやれ」と
叱咤激励され、秋には第1回ピースロードサイクリング!を開催。
昨年で6回目を数えた。
主催するのは高橋さんをはじめ4人のコアメンバー。
年齢は現在30歳くらいが中心だ。
03年のイラク戦争をきっかけに知り合ったという。
当時20歳代前半の高橋さんは、自宅に引きこもって暮らしていたが、
「戦争反対デモを世界中でやっているニュースをみて、
自分も何かしなきゃいけないかなと奮いたった」。
グラフィックデザイナーである最年長のコアメンバー・
韓基大(はんきで)さんも語る。「僕はテレビにむかって文句言うだけ
やったけど、世界同時で1000万人の行動があると知って
ごっつい焦りを感じた」。
外へ出た若者たちは、大阪・梅田の歩道橋上、
自由にアピールできる場でつながっていく。
その瞳に、憲法九条を守ろうという集会は、昔ながらのスタイルが
できあがりすぎで馴染みにくいものに映った。
若い人が参加したり考えたりできる機会が必要だ、
それもいろんな方法の。だからピースロードサイクリング!は
「誰でも参加できるものにしよう」。
目指すは、いろんな人が参加できるイベントだ。
実際、参加者の顔ぶれはさまざま。
世代は10代から60代まで、最年長と最年少はそれぞれ63歳と13歳。
男女比は多少男性が多いが女性のリピーターもいる。
職業も、学校の先生・市議会議員候補・福祉関係者・自営業といろいろ。
住まいは大阪・神戸・奈良・京都など。
イラン・イラク・チュニジア・エジプトからの留学生もいる。
イラクの状況を考えると、イラクからの留学生が参加していることは
「平和について考えるのにすごく重い…いい意味で」と高橋さんは話す。
約50kmの道のりを朝9時半から約8時間かけて走る。
競走ではないので急がない。
約5kmごとに休憩ポイントを設け、ゆっくりな人のペースに合わせる。
おしゃべりしつつ自転車をこげば、おのずと交流も生まれる。
昼休憩は長いときで約2時間。これまで一人の棄権もなく全員が完走した。
今まで憲法を考える集会やイベントというと、
頭を使う機会が多かったように思う。室内で話を聞いたり、討論したり。
けれど「身体を使って表現したいっていう需要はあるんだな」
と、ピースロードサイクリング!を続けるなかで高橋さんは
気づいたという。「ペダルを踏むことに感じる実感みたいなものも
ある気がします。進む、という」。韓さんが言い添える。
とは言え継続は大変でもある。
「それでも、参加したいって人がおるんで『やろうか』ってなる」
と高橋さん。次回は今秋か来年に開催の予定。
いつか国会前を通るピースロードを走りたい―それが、
北海道にも「九条」のつく地名があると聞いて閃いた「野望」だ。
夢はいろんな人がピースロードを使うようになること。
「ピースロード××」が各地で生まれるといい。
サイクリングはそのきっかけづくり。
傍らで韓さんが「やるんすか……付き合いますわ」。
肩肘はらない軽やかさで、平和への願いを日常に取りこむ。
<以上、『週刊金曜日』797号(2010年4月30日/5月7日合併号)
より許可を得て全文転載。なお漢数字はアラビア数字に改めた>
***** ***** ***** *****
話を伺えばうかがうほど、
ピースロードサイクリング!は楽しそうで爽快そうで、
みょうに惹かれるものを感じた。
普段着の地道な活動という点もおもしろいし力づよい。
ちなみに今年2010年は10月10日(日)に開催
となったよう。詳細はおって告知とのことなので、
以下のURLからどうぞ:
http://www.geocities.jp/peaceroad_cycling/
もともとわたしは自転車好きだけれど、ここ数年、
あまりに運動不足なので自転車から徒歩に切りかえていた。
いまでは30~40分くらいの移動は徒歩圏(もっとも、
天気と時間が許せば+歩く速度はスローというユルさだけど)。
でも、風を感じるあの感覚は自転車ならでは。
やっぱり、ちかぢか自転車を整備してみるべき?
湘南にもないかな、「ピースロード」。
梅の実が陽ざしをうけて輝いていた。
そろそろ終わりかと思っていたかたばみの花も
昨日までの雨でみずみずしく蘇った様子。
初夏のこんな日には、風を感じたくなる。
久しぶりに自転車ででかけたいような。
自転車といえば、先月末の『週刊金曜日』憲法特集号に
ピースロードサイクリング!を紹介する記事を載せていただいた。
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さっそうと走りぬける「平和」の道
ピースロードサイクリング! (山秋 真)
ピースロードは大阪・西区の九条駅と京都・南区の九条駅をつなぐ道。
九条と九条をつなぐならどのルートも「ピースロード」。
そこを自転車で走る企画がピースロードサイクリング!だ。
きっかけは2004年の初め。
大阪の九条駅をみた高橋和行さんは、ふと思う。
「九条駅とかけて憲法九条に因んだことをしたい」。
初めは、九条を守るということで、九条駅のゴミ拾いでもやるか
と考えた。「そこに『京都にも九条駅あるで』と言われ、
二駅をつなげたらオモロイかなと」。
その道を高橋さんが「ピースロード」と名づけ、
企画をたてれば誰かやってくれるかとホームページを作った。
それをみた記者が取材にきたのが同年夏。「積極的にやれ」と
叱咤激励され、秋には第1回ピースロードサイクリング!を開催。
昨年で6回目を数えた。
主催するのは高橋さんをはじめ4人のコアメンバー。
年齢は現在30歳くらいが中心だ。
03年のイラク戦争をきっかけに知り合ったという。
当時20歳代前半の高橋さんは、自宅に引きこもって暮らしていたが、
「戦争反対デモを世界中でやっているニュースをみて、
自分も何かしなきゃいけないかなと奮いたった」。
グラフィックデザイナーである最年長のコアメンバー・
韓基大(はんきで)さんも語る。「僕はテレビにむかって文句言うだけ
やったけど、世界同時で1000万人の行動があると知って
ごっつい焦りを感じた」。
外へ出た若者たちは、大阪・梅田の歩道橋上、
自由にアピールできる場でつながっていく。
その瞳に、憲法九条を守ろうという集会は、昔ながらのスタイルが
できあがりすぎで馴染みにくいものに映った。
若い人が参加したり考えたりできる機会が必要だ、
それもいろんな方法の。だからピースロードサイクリング!は
「誰でも参加できるものにしよう」。
目指すは、いろんな人が参加できるイベントだ。
実際、参加者の顔ぶれはさまざま。
世代は10代から60代まで、最年長と最年少はそれぞれ63歳と13歳。
男女比は多少男性が多いが女性のリピーターもいる。
職業も、学校の先生・市議会議員候補・福祉関係者・自営業といろいろ。
住まいは大阪・神戸・奈良・京都など。
イラン・イラク・チュニジア・エジプトからの留学生もいる。
イラクの状況を考えると、イラクからの留学生が参加していることは
「平和について考えるのにすごく重い…いい意味で」と高橋さんは話す。
約50kmの道のりを朝9時半から約8時間かけて走る。
競走ではないので急がない。
約5kmごとに休憩ポイントを設け、ゆっくりな人のペースに合わせる。
おしゃべりしつつ自転車をこげば、おのずと交流も生まれる。
昼休憩は長いときで約2時間。これまで一人の棄権もなく全員が完走した。
今まで憲法を考える集会やイベントというと、
頭を使う機会が多かったように思う。室内で話を聞いたり、討論したり。
けれど「身体を使って表現したいっていう需要はあるんだな」
と、ピースロードサイクリング!を続けるなかで高橋さんは
気づいたという。「ペダルを踏むことに感じる実感みたいなものも
ある気がします。進む、という」。韓さんが言い添える。
とは言え継続は大変でもある。
「それでも、参加したいって人がおるんで『やろうか』ってなる」
と高橋さん。次回は今秋か来年に開催の予定。
いつか国会前を通るピースロードを走りたい―それが、
北海道にも「九条」のつく地名があると聞いて閃いた「野望」だ。
夢はいろんな人がピースロードを使うようになること。
「ピースロード××」が各地で生まれるといい。
サイクリングはそのきっかけづくり。
傍らで韓さんが「やるんすか……付き合いますわ」。
肩肘はらない軽やかさで、平和への願いを日常に取りこむ。
<以上、『週刊金曜日』797号(2010年4月30日/5月7日合併号)
より許可を得て全文転載。なお漢数字はアラビア数字に改めた>
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話を伺えばうかがうほど、
ピースロードサイクリング!は楽しそうで爽快そうで、
みょうに惹かれるものを感じた。
普段着の地道な活動という点もおもしろいし力づよい。
ちなみに今年2010年は10月10日(日)に開催
となったよう。詳細はおって告知とのことなので、
以下のURLからどうぞ:
http://www.geocities.jp/peaceroad_cycling/
もともとわたしは自転車好きだけれど、ここ数年、
あまりに運動不足なので自転車から徒歩に切りかえていた。
いまでは30~40分くらいの移動は徒歩圏(もっとも、
天気と時間が許せば+歩く速度はスローというユルさだけど)。
でも、風を感じるあの感覚は自転車ならでは。
やっぱり、ちかぢか自転車を整備してみるべき?
湘南にもないかな、「ピースロード」。