先日、柳井でお目にかかった方から、
わかれ際に「翁(おきな)あめ」なる品を頂戴した。
帰宅して包みをひらくと、なんとも福々しいお顔があらわれた。
さらに蓋をあけてみると
半透明の菓子が整然とならんでいて、凛としたたたずまい。
かつて名優が舞台前にこれを口にするのが常だったというから
のどを滑らかにするのだろうか。
暖かい店内に身をやすめ、一緒にお茶をいただきながら、
冬の空気の乾燥にしだいに咳が出だした病みあがりのわたしを案じて
持たせてくださったのかもしれないと、細やかな心づかいが身にしみる。
まずは、やはりのどにいい、祝島のビワ茶とともにいただいた。
後日、丁寧にお茶を淹れ、緑茶とともに。
この翁あめ、味も喉ごしも好いうえ、見事な透明感で美しい。
原材料がシンプル極まりないことも、良質の証しだとおもう。
ちなみに、これは柳井の和菓子の老舗、ひがしやさんの品。
わたしのイメージでは、柳井は、白壁の町、醤油蔵の町、そして菓子の町だ。
祝島への道中に、また寄りたい。
ところで、最近いただいた不思議な菓子もご紹介。
西鎌倉の和菓子屋、茶の子さんの「鎌倉さくら道」という。
見ためは最中で、和菓子の王道かと思いきや、
桜の花をひらくと、
バターとゴマが効いた洋菓子テイスト。
これが、意外と悪くない。和洋コラボ菓子の成功例かも。