そもそも島に進化あり(川上和人/新潮文庫)
この著者は鳥類学者。作品を紹介するのは4冊目。
今作は、島の生物学。そもそも島とは何か、という定義から始まり、島に生物が到達する形態や、島での生物の進化と絶滅などが論じられる。
島は、大陸に比べて様々な資源が制約されているが故に、島特有の生態系が出現する。一方、それはある意味で大陸の縮図であり、地球もまた宇宙の中の孤島、ともいえる。
例によって、ガンダムやウルトラマンなどの他事記載や、無駄に多い脚注は、従来の著作と同様だが、今作ではあまり気にならない。(むしろ少なめ。)
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』では、新たに出現した島に、鳥の調査に向かう様子が描かれていたと記憶している。この本では、そうした著者の長年の研究から得た、島の生物学に関する知見が取りまとめられている。鳥の研究から必然的に島の研究に至る様子が、よく表されていると思う。
結果として、進化に関する知識を深めるとともに、生態系が直面している危機を理解するために、非常によい著作に仕上がっていると思う。
なお、画像は、書影とは無関係のイメージです。
この著者は鳥類学者。作品を紹介するのは4冊目。
今作は、島の生物学。そもそも島とは何か、という定義から始まり、島に生物が到達する形態や、島での生物の進化と絶滅などが論じられる。
島は、大陸に比べて様々な資源が制約されているが故に、島特有の生態系が出現する。一方、それはある意味で大陸の縮図であり、地球もまた宇宙の中の孤島、ともいえる。
例によって、ガンダムやウルトラマンなどの他事記載や、無駄に多い脚注は、従来の著作と同様だが、今作ではあまり気にならない。(むしろ少なめ。)
『鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。』では、新たに出現した島に、鳥の調査に向かう様子が描かれていたと記憶している。この本では、そうした著者の長年の研究から得た、島の生物学に関する知見が取りまとめられている。鳥の研究から必然的に島の研究に至る様子が、よく表されていると思う。
結果として、進化に関する知識を深めるとともに、生態系が直面している危機を理解するために、非常によい著作に仕上がっていると思う。
なお、画像は、書影とは無関係のイメージです。