数学が見つける近道(マーカス・デュ・ソートイ/新潮クレストブックス)
この人の著作を読むのは、2019年5月に紹介した『知の果てへの旅』以来、5冊目。
ちなみに、それ以前の3冊は『素数の音楽』、『シンメトリーの地図帳』、『数字の国のミステリー』で、『レンブラントの身震い』は、読み逃しているようだ。
この本は、「宇宙の構成原理としての数学」でも、「思いがけないところで応用されている数学」でもなく、様々な問題を解決するための「近道を提供する数学」について論じている。
冒頭に、ガウスが9歳のときの、あの有名なエピソードが紹介される。本論では、数学がもたらす9種類の近道が論じられた後、第十章で、近道がないと考えられている、例のプレミアム問題のひとつが取り上げられる。
近道は、退屈でつらい仕事を省略できるが、大きな苦労があればこそ大きな満足が得られる、というのも否定しがたい真実。結局、近道は旅を最速で終わらせるためではなく、新たな旅をはじめるための踏み石、ということで、決して「タイパ」を奨励するだけの本ではない。
筆者はオクスフォード大学の数学者。この人の本を探すのならば、まず、この人の専門分野である『シンメトリーの地図帳』がおすすめ。19万6883次元空間ではじめて姿を現す「モンスター」についての記述がある。
この人の著作を読むのは、2019年5月に紹介した『知の果てへの旅』以来、5冊目。
ちなみに、それ以前の3冊は『素数の音楽』、『シンメトリーの地図帳』、『数字の国のミステリー』で、『レンブラントの身震い』は、読み逃しているようだ。
この本は、「宇宙の構成原理としての数学」でも、「思いがけないところで応用されている数学」でもなく、様々な問題を解決するための「近道を提供する数学」について論じている。
冒頭に、ガウスが9歳のときの、あの有名なエピソードが紹介される。本論では、数学がもたらす9種類の近道が論じられた後、第十章で、近道がないと考えられている、例のプレミアム問題のひとつが取り上げられる。
近道は、退屈でつらい仕事を省略できるが、大きな苦労があればこそ大きな満足が得られる、というのも否定しがたい真実。結局、近道は旅を最速で終わらせるためではなく、新たな旅をはじめるための踏み石、ということで、決して「タイパ」を奨励するだけの本ではない。
筆者はオクスフォード大学の数学者。この人の本を探すのならば、まず、この人の専門分野である『シンメトリーの地図帳』がおすすめ。19万6883次元空間ではじめて姿を現す「モンスター」についての記述がある。
多分はじめましてです。
彼の著書では「素数の音楽」にハマってしまいました。
これからも色んな書物の紹介を楽しみにしてます。