植物はなぜ動かないのか(稲垣栄洋/ちくまプリマ―新書)
サブタイトルが「弱くて強い植物のはなし」
植物は動かない。これを植物の「固着性」という。動かない、というよりは動けないから、植物は環境を変えることができない。だから、自らを変えて環境に適応する。これを植物の「可塑性」という。
という具合に、食物連鎖の最底辺に位置する植物の、一見、弱いけれども、とても強い生存戦略を説明する本。素早く進化するために寿命を短くし体を小さくする(だから大木よりも草の方が進化が進んでいる)とか、毒を作るとか。
そのほか、弱肉強食が基本の生き物の世界で、植物が生き延びるための戦略が、かなり詳細に説明されている。
この人の文章は読みやすいだけでなく、植物って面白いな、と思わせてくれる。『身近な雑草のゆかいな生き方』は、かなり前だが何かで紹介されて評判になっていた。『世界史を大きく動かした植物』は、このブログでも紹介したこともある。(探すのも面倒なほど、かなり前です。引用方法をまだ理解していません。)
同じ稲垣栄洋さんの本で「はずれ者が進化をつくる」を記事にしましたが、とても興味深かったです。
この本もぜひ読んでみたいと思います。