病院の経営は危機的、伊藤議員「賞与も出せない実態」
伊藤岳議員は2日の参院総務委員会で、新型コロナウイルス感染症で深刻な影響を受ける病院の実態を示し、減収分の補てんを求めました。
日本病院会など三病院協会の調査(5月18日発表)では、全体で4月の収益が前年同月比10・5%減と、経営は危機的です。
伊藤氏は、埼玉県の病院からは「コロナ患者受け入れのため半分に減らした病床分の補償がないため受け入れ続けられない」との声が寄せられたと紹介し、2次補正予算案での対応を要求。厚生労働省の吉永和生審議官は「コロナ患者対応の病床を確保するために休止した病床も支援する方向」「どういう医療機関を対象にするかは検討中」と答えました。
伊藤氏は、病院全般が受診抑制で減収となり、職員にボーナスを支給できない実態にふれ「減収補てんに踏み出すべきだ」と主張。橋本岳厚労副大臣は「ポーナスが出ないということがあってはならない」と述べましたが、同省の迫井正深審議官は減収補てんには踏み込みませんでした。
伊藤氏はまた、特別定額給付金の業務を民間委託する自治体があり、住民から「振込口.座など個人情報を民間業者に伝えたくない」との声が上がっていることを紹介し、実態調査を求めつつ、自治体窓口での現金受け取りは可能かと質問。総務省の前田一浩審議官は窓口支給も可能だと答えました。
財政民主主義に反する、2次補正の予備費、塩川議員が追及
塩川鉄也議員は3日の衆院内閣委員会で、政府が第2次補正予算案に10兆円もの予備費を計上している問題を取り上げ、「財政民主主義に反する」と追及しました。
政府は新型コロナウイルス対策として、第1次補正予算に予備費1・5兆円を計上し、第2次補正予算案で10兆円を積み増そうとしています。
塩川氏は、リーマン・ショック時の予備費は1兆円、東日本大震災の際も8000億円で、これほど巨額だったことはないと指摘。憲法83条は「国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない」と定めており、「過去に例のない10兆円もの予備費を政府に白紙委任することなど認められない」と迫りました。
菅義偉官房長官は「臨機応変に対応する必要がある。万全の備えだ」と正当化しました。
塩川氏は、戦前、国の予算は国会に決定権がなく、政府が戦費調達のために国債を乱発し、国家財政と国民生活を破綻させた反省から、日本国憲法は財政全般への国会による民主的統制を要請していると強調しました。その上で、「予備費での執行は、不透明な支出があっても国会の事前チェックが働かない」と批判。「国民・野党に追及される国会は開きたくないが、お金は好き勝手に使いたいという政権与党の都合だ。大規模な対策費が必要になれば、国会を召集し、補正予算を提出するべきだ」と厳しく指摘しました。