第140回 直木賞受賞作 山本兼一著 『利休にたずねよ』
を、ようやく読み終えました。
始終、小説を読んでいるというより、
利休の美意識を感じながら、
自分に置き替え、設計に置き替えながら読んでいました。
最後の恋にまつわる節からは、
小説として惹き込まれて一気に読み終えましたが、
もう一度、最初の節の”死を賜る”を読み返して
本を閉じました。
侘び と 艶。
”艶”という表現が何度もありましたが、
建築設計を考える上で何かの ヒント になりそうで
私の中で、もやもやしています。
学生時代には、利休好みの遺構である 国宝の茶室
「待庵」に2度ばかり見学したことがあります。
そして今は、海野宿の江戸時代末頃の建物である
歴史的建造物に暮らしながら
古民家といつも向き合っています。
なんでしょう。。。
古民家には、侘び 寂び 枯れた
そういう風情が元々あるわけですが、
それを、単に、保存的に再生するのとも違い、
また、その風情をいたずらに強調しすぎて
いかにもらしく 再生するのもどうかと思いますし、
かと言って、建築家のデザインの餌食になるのも
見ていられないし、
私達は、できるだけ不自然のないようにまとめようと
思うものの、それだけでは何かが足りない。
小説の言葉を借りて言えば
”艶” に通じるようなもの
そういうものが感じられればいいのかな、
と思ったわけですが、
それが一体、なんなのかは
暫く、私の中で思い巡らせることになりそうです
(k.m)
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