通り土間と薪ストーブのある家(長和の家)の
その後です。
基本設計の段階ではありますが、
建設費の概算において
予算オーバーとなりまして
基本設計プランの内容を見直しながら
予算調整を行っておりました。
前回の記事↓
2回目の予算調整案を先月、
お施主さんにご提案しました。
それでもまだ、
ご予算に照らし合わせてみますと
200万~多くて500万くらいの
予算オーバー
お施主さんとしましては、
気に入ったプランに対して、
縮小はしたくないし
仕上げ等も、
イメージしている民家の風合いを壊すまで
グレードを下げることはしたくない、
中途半端に仕様等を変更して
趣の違う建物になるくらいなら
建てない方がいい
ということに。
実施設計図まで描いてもらって
それを眺めながら
貯金をする!!!
とまで
おっしゃっていました。
無理をして建てようと思えば
建てられるものの
(銀行では融資をしてくれるそう)
そこは、無理をしたくはないとのこと。
これから貯蓄をして
建設を急がない
という選択をされました。
こういう局面において
どのような決断をするのか
選択をするのか
ここにお施主さんの価値観と
生き方が現れます。
私は若いお施主さんの
今回のしっかりとした判断は
素晴らしいと思いました。
結果としましては、
基本設計のみで終了
という形を取らさせてもらいました。
お施主さんからは、図面を一式書いてもらって
それを十数年後になるかもしれないけれども、
その時まで眺めています、
とおっしゃっていましたが、
それよりも、
実施設計図は、生もの
というと語弊があるかもしれませんが、
今後、法律が変わったり、
材料にも変化があったり、
そして、私達の設計の考えにも
成長して変化があるかもしれませんので、
実施設計図が、
そのまま十数年後に通用するかは
わからないので、
実施設計をするのは止めましょう
と
私の方から申し出ました。
そういうわけで、長和の家は
十数年先ぐらいまで
延期することになりました。
お施主さんからは
「栖風采さん以外は全く考えていません!」
とおっしゃって下さったので
(ありがとうございます)
そのお言葉を胸に
またお声がかかるのを
気長にお待ちしていようと思っています。