ようやく梅雨らしくなって参りました
雨に当たった草花の緑が鮮やかで美しい。
さて、
設計中の蚕室造りの古民家の改修計画(上田市)
いよいよ最終段階に差し掛かっています。
実施設計はとりあえず終えておりますが、
設計に応じた工事見積金額をお施主さんに提示し、
ご予算と照らし合わせた調整が必要な部分もありまして
何度か見積もりを修正し、
判断をお施主さんに伺っている段階です。
お施主さんにとりまして工事金額を決めるということは
家づくりにおいて非常に重要な判断ポイントとなるわけですが、
古民家の改修工事において
建物単体の工事だけでなく、
「屋敷」全体として修繕しなければならないことも多く、
設計図として描き起こすいわゆる計画部分の他に
付属屋や敷地に関する修繕が発生することもあります。
今回の古民家改修工事のお施主さんは
この家で生まれ育った息子さんで、
今はこちらには住んでいません。
この古民家には現在、
82歳になるお母様がお一人で住まわれて
古民家を守っておられます
息子さんご家族が、
これを機会に家を住みやすく改修して
ご実家に戻られるのですが、
この家のことを一番知っているのは
なんといってもお母様!
お施主さんは息子さんですが
お母様のご意見も非常に重要ですので
何度も家族会議を開いて協議されています。
誰か一人の考えで推し進めては
後々、家族の不満が残ったりしますので
家族会議、家づくりにはとても大事なことですね。
家を守ってきたお母様
施主の息子さん
そして奥様
3者の意向をまとめるのも私(設計者)の役目でもあるのですが、
この計画を始めて5年目。
(途中、設計を中断していた時期もありますが)
様々なご提案をしてきました。
基本設計時にご提案したもので
ご予算的に厳しいと諦めていたものがあったのですが、
なんとっ
この最終段階に来て、復活?!
更に、屋敷の修繕も追加?!
という
ちょっと驚く展開になって参りました。
えぇっ ご予算は?!
先々週くらいに工事金額の調整に頭を悩ませていたのに、
何故なぜ? どういうこと???
キーパーソンはお母様でした♪
仕事で忙しい息子さんご家族が、
改修した後は当面、屋敷に手を入れなくてもいいくらいまで
今回工事をさせてあげようというお母様。
凄いです。
屋敷として古民家を守るというのは本当に大変なことです。
それだけに、きちんと将来を見据えておられたお母様。
頭下がります。
古民家ブーム(?)な世の中になってきましたけども
本当の意味で古民家を守り受け継ぐというのは
生半可な気持ちでは無理だと
私も海野宿で古民家と屋敷を所有してみて思うところ。
今回の計画はお母様のお力添えもあって
工事範囲が増えまして
只今、急ピッチで
工事範囲の変更に伴う設計の変更
(というか元へ戻るみたいな)
作業を繰り返しておりますが
一方で、今回の工事でお世話になる
職人さん達との打合せも進めています。
今日は左官屋さんが現場を見たいと仰られるので
ご案内いたしました
主屋の前庭には一面にイワダレソウが
可愛らしい花を咲かせていました♪
写真に写っているのが左官屋さんの親方。
ロン毛ちりちりの髪に
可愛らしい絵柄の手ぬぐいを頭に巻いて
カッコいいジャケットとジーンズという装いで
若者と見間違えるような
70歳になる親方です
後ろ姿、70歳には絶対見えないです!
カッコいい~
この親方、
昨年、「信州の名工」に選ばれたんですって!
海野宿の我が家をはじめ、
最近の私達の現場はみな
この左官屋さんにお願いしていました。
この親方の良いところは
面倒見が良くて、研究熱心なところ。
私達の現場では何かと難しい現場が多く
(工期だったり予算面だったり)
そんな時に相談に快く乗ってくれたのが
この親方でした♪
有り難い~
お話好きな親方なのですが
最近、入院していたこともあって
心配していたのですけども
お元気になられて良かったデス!
さてさて、
工事を進める準備もしないといけないし
その前に
工事範囲の変更に伴っての
図面や見積もりの変更依頼やら
いっそいでやらないといけなくて
まだまだ焦る日は続きそうですが・・・
頑張らなくっちゃ~
左官屋さんに関する過去の記事↓↓↓