6月下旬から始まった佐久市望月宿の古民家改修工事
ようやく大工工事も終わりまして
今月より仕上げ工事に入ります
先月のシルバーウィーク中の20日(日)の事ですが
大工さんが仕事を終えるという事だったので現場へ行きましたら
望月宿の街道沿いになにやら素敵な提灯があちこちにぶら下がっていて
何があるのかと大工さんがご近所さんに聞いた話ところ大伴神社の秋まつりだとか。
ほぉ~!
(お盆時分には榊祭りもありましたね。)
こちらの建物、現場の目の前なのですが
建物も凄いんですけど、提灯飾りと、提灯の絵付けも凄い~
漢詩は何の話なんだろう?
望月宿 現場があるので何回も来てますけど、まだじっくり散策してませんでしたので
お祭りの提灯も気になるし 折角だから現場はちょいと後回しにして、日が暮れる前に望月宿を散策!
(もちろん、散策した後に現場監理しましたデス)
これまた絵付けが素晴らしい提灯です。
歌?句?が書かれています。何だろうと調べてみましたら
望月小唄でした!
こちらは百人一首が描かれてます。
こういう提灯はどこで作られるんでしょう。
気になります。地元の方が描いているんでしょうか。
実は海野宿の我が家でも提灯を作りたくて、ずっと検討しているものの
どこへ頼めば良いのか、未だに悩んでいます。
やっぱり手描きがいいので、手描きとなると、字の好みの問題もありますし(センスというか)
誰に頼んでもいい、という訳でもないですし
ぐずぐずと悩み続けています
それから望月宿には、重要文化財がありました
ずっと気になっていた建物だったのですが、やっぱり重文だったのね。
あとこちらの旅館。
おぉ~
木造3階建てだ!
入口の木製建具が、ゆらゆらガラスだったので近づいて見てみると
え?!
この建物、映画『犬神家の一族』の撮影で、那須ホテルとして使用されたそうな! へぇ~
そして昔の電話番号、十六番。 二桁ね。
望月宿、なかなか面白いです!
現場の合間で見るには時間が足りず
再度、散策したいと思います
という事で、町並みと提灯をざっと見て現場に戻りました。
現場の外観、何気なく見ていたら
ありゃ!
雨樋やられてるじゃん!
え?え?え?
まさか現場関係者が当たったのか?
と焦りましたけど、違いました。
ご近所の方が事故を目撃していたそうで、既にお施主さんに連絡がいっているとの事。
取りあえず、被害は雨樋だけでしたので、良かったというかなんというか。
道路ギリギリに建物が建っている場合、往々にしてこういう事故に遭うので
(海野宿の我が家も何度も雨樋が犠牲になっています)
このような損害に対応した火災保険に加入する事を、いつもお施主さんには口うるさくおススメしています
(それでなくても、この雨樋は受け金物の間隔が広くて、昨年の大雪の重みで既に歪んでおりましたし、どちみち修繕は必要ではありました)
2015年6月の時点でこんな感じ。
2013年に別の工務店で外観周りは修理をしたばかり。
その際、雨樋の受け金物の間隔を改善することなく、恐らく現状をそのまま踏襲したものと思われます。
さて、現場の様子ですが
一応、先月の20日で大工さんがあがる、というお話だったのですが
大きな神棚が不安定な状態でしたので、壁の左官工事をこのままやるのは難しいだろうという事で
補強をしてもらう事になりまして
2間半もある神棚なんですが、
これが思うように固定出来ず、この日で終わり、とい訳に行かず
大工さんにはもう一回、来ていただく事になったのでした。
こちらは2階の窓ですが、設計で計画していた通りに出来ず
二転三転してようやく納まりました
今回は小規模な改修工事だったので、図面を最低限しか描かなかったバチが当たったようなもんでしょうか^^;;
神棚が絡み、手摺が絡み、外部の屋根が絡み、下屋の水切りが絡み、あらゆるものが絡んでいたこの窓。
昭和時代に何回か増築・改修工事がなされているようなのですが
この時代の工事というのは、おおらかというか、(テキトーともいう?)
納まっているようで納まっていないのが平気というか
そういうある意味、始末の悪い部分(絡み)を解消しながら
今後恐らく屋根を改修する時期がくるはずなので、それを見越して窓の位置を設定し、
更にお施主さんがここから屋根に出て、布団を干すという事ですので
出入りしやすい案を捻出し
あれこれ何度も変更して、無事に納まったのでした~
これも納まってみれば、何がどうなん?って感じですけどね。
納まっていて当たり前みたいな
そんなもんです。
一つの形を作るのに、3つくらい理由があるもんです。
形づくる理由や説明が出来ないようなデザインはしないようにしています。
1階の台所周りは
お盆明けにはキッチンも据え付けられ、タイル貼りも終えました
本当はお盆前になんとかキッチン周りだけでも終わらせて、使えるようにしたかったのですけど
間に合いませんでした
この台所も、現状解体後、いろいろありました。
梁の補強、腐朽の補修、2階外壁(土壁)の押さえ等。
ですが、こうして納まってしまえば、何が?って感じですね。
自分でも悩んでいた部分を忘れてしまいそうになります。
これも大工さんが丁寧にうまく納めて下さったお陰です
あ、しかし、まだ取り付けが上手くいくか心配なレンジフードが残ってますが
これは現場監督の主人が相当悩んで部材を取り寄せて解決(納めるまで油断は出来ませんが)してくれましたデス。
(古民家ではレンジフードの制約が多い案件、非常に多いです)
という感じですが
ようやく仕上げ工事が今月より始まります。
まずは塗装工事からですね。