さいふうさいブログ

けんちくのこと、日々のこと、いろんなこと。長野県の建築設計事務所 栖風采プランニングのブログです。

上田市の古民家(蚕室造り)改修工事 いよいよ解体始まりました。

2013年09月03日 | 現場7~上田市 蚕室造り民家の改修

上田市の古民家(蚕室造り)の改修工事がいよいよ始まります。

先月から一応、着工はしておりましたけども

解体は昨日から始まりました。

 

建坪が凡そ86.5坪、延床面積132.5坪の大きな民家で

昭和の増築部分を除いた元々の蚕室造りの部分は

1階 間口12.5間 × 奥行凡そ5.5間

2階 間口12間 × 奥行4.5間

というもの。

大きくて、いつもどこがどの部屋か一瞬考えるとこが多いです(笑)

特に2階は

部屋名じゃなくて、蚕室番号で呼び合ってまして

図面も蚕室番号で記しています。

 

さて、家の中の片付けも

実はまだ終わっていなかったのですが

大工さん達は

片付いた部屋から

ガンガン壊していきます

P1020171_2

 

追いかけられるように

お施主さんのお母様と、私とで

頑張って片付けていましたが

お母様は82歳ですから、

無理をされて入院とかになっては困りますし

私なんかへっぴり腰で、役立たずですから

(むしろお母様の方が軽やかに動かれます!)

最後は、大工さん達に

家財道具をばばーっと移動してもらいまして

 

昨日1日であっという間に

4部屋解体しました!

 

こちらは↓茶の間です。

P1020169

茶の間の天井を剥ぎましたら

予想通りの空間が現れました!

これはいいです

思っていたよりも梁もいい色が出ていますし

これで壁を綺麗にすれば

素晴らしい空間になります。

  

この空間を実際目にしまして、

うん!

薪ストーブの位置は計画通りで良さそうだと確信しました。

(薪ストーブの位置はいろいろ意見の分かれるところでしたので)

  

屋根も10年前にやり替えているのですが

野地板も良いものでやり替えてあるので

現場の大工さん達は声を揃えて

「このままで素晴らしい空間になるわなー」

と仰ってくれました

  

容積としてはかなり大きい空間になりますが、

薪ストーブと床暖房も入りますし

断熱も、天井断熱ではなく屋根断熱を施します。

    

修理する必要のない大屋根なのですが、

そこを敢えて屋根瓦を一旦下ろしまして

(屋根面積が大きいのでかなーり大掛かりではありますが

野地板より上に全面断熱材を敷き込む屋根断熱にします。

(これかなり重要なポイントです)

 

修理する必要のない屋根に

敢えて予算をかけて

屋根断熱にするかしないか、

計画段階ではお施主さんも悩みました。

  

何しろ、屋根面積が大きすぎて

断熱化に必要な費用が、百万単位ですから、

躊躇しますよね

  

それで計画段階では一度、屋根断熱は止めたのですが

最後、予算枠が何故か増えたため

(こういうことは非常に珍しいことではありますが嬉しい事)

屋根断熱計画が復活! 

 

P1020145_4

 

神棚の上にも立派な梁がドーンと渡っています。

私共はだいたい想像していた通りなのですが、

 

大工さん達は始めて目にしますので

「こりゃすげーわ!」

と仰ってました

 

親方がしみじみと

「昔の大工は、

よくこんなでかくて曲がりくねった梁を

力のかかり方を考えて組めたよな。

おら達にはできねー。

スゲーよな。

学ぶこといっぱいあるよ。」

と仰ってました

  

P1020146

P1020165

取次の部屋も解体終了~。

  

 

P1020117_2

お部屋も終了。

 

  

P1020149

北の間の終了。 

 

今まで見えなかった床下部分がこのように露わになって

さてー・・・

早速悩むところが出て参りました。

土台が、どうして土に接しているのか

礎石はどこへ?(あるはあるはずなのですが)

多分、以前の修理の時の考え方にもよるのですが、

コンクリート土間を土台に絡めちゃっている部分もあり、

コンクリートがね、

床下の通気がね、

あ~、、、となります。

  

実際、シロアリ駆除も以前されたことがあるそうなので

なんとなくそうなる原因は分かります。

仕事そのものは悪くないのですが。 

  

さて、こうしてブログを書いている間にも

今頃は2階の片づけを大工さん達に手伝ってもらって

作業されている頃だと思います。

午後にはまたお手伝いに行ってこようと思います☆

  

 

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