もう何年携わっているのか勘定できないくらいやってる上田の蚕室造りの古民家改修工事。
設計のお声が掛かったのが2008年ですから、今年が2015年で、、、
とうとう7年目に突入してしまいました
昨年の4月には外回りの工事を残したまま、引き渡しを済ませおりましたこちらの現場。
その後、引き続き、外壁の塗装や漆喰塗りを予定しておりました。
塗装工事は昨年に終える事が出来たのですが
漆喰塗りの方は時期的な問題がありまして
(寒冷地では凍結の恐れがあるため)
今年の春に工事をする事になり、左官屋さんが入って下さるのを待っておりました。
そして5月下旬に現場入りして頂きまして、やっと外壁の漆喰塗りを終えたところです
こちらが改修前です。↓
(北面)
そしてこちらが改修後です↓
今回の改修工事は生活部分の改修がメインでしたので、北側の外壁も2階の蚕室部分だった部屋は一部まだ昔のままです。
屋根は全面に外張り断熱を新たにやりましたので、瓦は葺き替え、そして、屋根断熱のため屋根の厚みが増えたので、雨樋もやり直しました。
外壁は2階一部と、1階は最初は改修部分だけ塗り変え予定だったのですが、最終的には全面塗り替えになりました
こちらの家は、とにかく大きい建物で、間口12間以上もあります。
延床面積は、なんと132坪という、とてもとても大きい明治の蚕室造りの古民家。
ここら辺の一戸建て住宅 3棟分 はあります!
(なので写真に建物全体像が納まりません)
しかし、これだけ大きいと、改修するにも維持するにも生半可な事では出来ず、
各代が 家一戸分新築するくらいの費用 を投じて、
ここまで屋敷として残ってきたと言えます。
質実剛健が家風だというお施主さん。
建物も暮らしにも華美なところがありません。
ですが、「質」というものをよく分かってらっしゃる家で、安普請はされてこなかった。
解体工事をしても、いい材料を使った普請をされていたので、痛みもあまりありませんでした。
長持ちするものはどういうものか、これだけの年月を耐えてきた古民家に暮らされているからこそ分かっているのだと思います。
最近思う事は、この「質」が分かる人が少なくなってきているように感じます。
物が溢れ、物を簡単に手に入れる事が出来るようになり、物の耐久性を考えなくても良くなったからでしょうか。。。
と、ちょっと話が逸れてしまいましたね。
これで一応、外壁も仕上がりましたので、そろそろ工事としては目途がたってきたというところでしょうか。
あともう一息。(と言いながら、まだ少し掛かりそうですけど)
これだけの建物ですので、直し始めると、あちこち気になるところが出てきたり
お施主さんご家族も先月5月に引っ越してきたところなので
これからまだ手直し等あるかもしれません。
と、思っていたところ、早速畳替えのお話があったり
いいですよー
まだまだお付き合いします! 家づくりってそういうものだと思うもの。
そうこうしているうち、2期工事ってなっちゃったり、は、しないとは思いますが
実際、別の物件ではこれから5期工事というのもあります。
このように建築って、物の売買等と違って、手離れが悪いものですけど
だから面白いのかもしれません