Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

藍九谷竹虎文皿

2024-05-06 23:36:46 | 古伊万里
ヤフオクを見ていたら、藍九谷の名品として図録には必ずと言っていいほど掲載されている「竹虎文皿」が出品されていました。
この捻じり縁の超有名品はときどき出品されており、去年の9月に出品された時は70万円を超える高額で落札されていました。
前回の品の真贋はともかく、今回の品は捻りが甘く、さらに絵柄が微妙に違い時代色が感じられないようには見えます
ちなみに、とても判りやすい写し物はコチラで確認できます。
ワタシは17年前の東京ドームプリズム骨董祭でガラスケース越しにこの品の現物を見たことがありますが、
70万円オーバーで落札された品の真贋はわかりません。(当時は300万円のプライスが付いていた)
こちらの東京の一流業者のHPに掲載されている品は間違いなく本物ですが、古くより名品として知られた品ですので
贋作や写し物が登場するのは名品の証と言えなくもないような・・・。





新着古伊万里(色絵くらわんか五寸皿)

2024-04-19 00:05:33 | 古伊万里
 前回は小皿の図録を紹介しましたが、今回は伊万里の小皿を紹介したいと思います
「色絵くらわんか五寸皿)
色絵といっても緑と赤だけですが、この濃い発色の赤で絵付けされたインパクトのある図柄が印象的な品です
サイズのわりに手取りが重く、しかも灰色っぽい生地の品で、このあたりはいかにも、くらわんかといった感じで、お約束の釉剥ぎもみられます。
それにしても何を描こうとしたのかは判らないものの、見込み中央に赤で書かれた勢いのある文様はかなりインパクトがあるのは確かです。
この品の裏側を見ると、特長的な点として兜型の成形になっている点、そして
高台内中央に渦巻き形の窯印(?)があるのが判ります
色絵くらわんかとしては絵柄をも含め、珍しいタイプの品なのかも知れません。
実はこの品の存在は20年以上前から知っており、↓の画像は「小さな蕾」の2003年1月号に掲載されていた
「甲斐壺」というお店の広告のものです

当時このお皿が五客組でいくらで売られていたかは判りませんが、妙に印象に残った品であったのは確かです
あれから21年、一枚だけとは言え、安価に入手できたことを喜ぶべきかも知れません。



小皿・豆皿の図録

2024-04-17 23:17:47 | 古伊万里
ウチの伊万里は五寸サイズまでの小皿が圧倒的多数を占めますが、これは経済的な理由が大きいと言わざるを得ませんが
世の中には小皿や豆皿の専門コレクターも居るようですし、小皿・豆皿を中心に扱う有名業者さんもあります。
という訳で、ウチにある小皿・豆皿の図録を紹介したいと思います。
一冊目は2002年に刊行された「小皿・豆皿・小鉢 1000」です。
監修しているのは、鑑定団でもお馴染みの中島由美さんで、文様の種類ごとに整理されており、なかなか良い図録です
1000も掲載されている割にはウチにある品は2つしか掲載されておらず
鍋島の竹笹文皿

そして、帆立貝形皿だけでした

この他では、別冊太陽にも「小皿豆皿1000」という図録があり、こちらは1995年の刊行です

伊万里以外の品も掲載されていますが、こちらは大橋康二氏が「小皿に見る伊万里の変遷」というコラムを書いており
これがとても参考になります。
柴コレの図録もそうですが、こういった多数の古伊万里が掲載された図録を見ると、古伊万里蒐集という道の果てしなさを実感します。




桜の季節

2024-04-11 23:50:39 | 古伊万里
酒田でももうすぐ桜が満開になるようですが、古伊万里の文様としては桜はメジャーとは言えません
柴コレで見ても、梅の1/4程度しか出て来ません。
これは桜の主力品種であるソメイヨシノが全国に広まったのが幕末に近い時代だったことに関係があるのは確かでしょうか。
という訳でウチにあるたった2枚の桜が描かれた品の桜の部分だけを紹介したいと思います

まずは中期の桜花散らし文の六寸皿です

桜の花の文様自体は大雑把ですが、散らし方に魅力のある品です
続いては平戸で、恐らくは明治時代の品で、「桜川の図」七寸皿です

平戸らしい白い土に明るい染付の発色が美しい品ですが、桜の花が流れに散る姿はまさに日本人の美学みたいなものでしょうか。






鑑定の鉄人

2024-03-27 23:13:14 | 古伊万里
最近は骨董や伊万里の専門書を読むことはなくなりましたが、古伊万里に興味を持ち始めた頃には
書店で古伊万里や焼物関連の書籍があれば、とりあえず買って読んだものでした。
そんな頃に読んだのが、お馴染みの中島誠之助氏の著作「鑑定の鉄人」でした
この書籍は1995年の刊行で、「なんでも鑑定団」の放送開始が1994年であることから考えると
中島氏が「いい仕事」で有名になり、蛸唐草を中心とする古伊万里のブームが盛り上がっていった時代に書かれたことになります。
当時のワタシはとりあえず知識を仕入れて、という時代でしたので、この本はそれなりに役に立ったのかも知れませんが
骨董というヤツは、結局のところ身銭を切って購入しないと自身の勉強にはならないと悟るのは、ずっと後のことでした。

で、この本の第五章に「鉄人の伝授する鑑定の鉄則」という部分があり、その項目だけを紹介したいと思います。

第一条 ファースト・インスピレーションで勝負しろ
第二条 すべての故事来歴を捨て去れ
第三条 欲の心を捨て去れ
第四条 常に懐は空にしておけ
第五条 失敗を恐れるな
第六条 世の中のあらゆることを勉強しろ
第七条 約束ごとは徹底してマスターする
第八条 財布が許すならば実体験をもて
第九条 物を見る際は過剰な個性は表に出すな
第十条 物の生まれた時代を想像して対峙しろ

骨董を商売にする人と、趣味で収集する人ではスタンスが違うのは事実ですが
ま~、これが全部できたら業者さんになれるのかも知れませんね。