骨董関連の書籍を読むと、昔は元禄までが古伊万里で、古九谷や柿右衛門は伊万里とは別扱いだった、という記述を目にします。
元禄以降の品は「幕末の雑器」とひとくくりになっていたかどうかは知りませんが
そういった点では今回の品は、以前は「幕末の雑器」扱いだった可能性はありそうです。
「染錦牡丹唐獅子文七寸皿」
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宝暦~中期末あたりによく見られる、染錦手で大きく牡丹が描かれた品です
牡丹の輪郭を金彩で描いているあたりに、この時代の特長が見られるように感じます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/d3/f1f7777c5c124749537be478e6eea9cd.jpg)
唐獅子文は金彩で描かれており、赤と金の水玉模様というのが面白い点でしょうか
整形は縁の立ったちょっとだけ手のかかったものになっており、金縁となっています
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裏面は典型的は中期古伊万里で、落款も一般的な大明成化年製、唐草はそこそこ丁寧に描かれています。
この手のお皿も以前はそれなりの値段がしたんですが、最近では数千円で買えるケースもあり
中期古伊万里に出世したのに、「幕末の雑器」に戻ってしまったような状況です。
最期に参考のために、盛期の可愛い唐獅子文を紹介します
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/df/f52d37b5066e2b388e1f49c4a6fd041d.jpg)
この唐獅子君は横サイズ3cmほどで絵付けされており、盛期の技術力の高さを感じさせるものです。