またまた古伊万里再編集シリーズですが、今回は一見すると古伊万里には見えない(と思う)お皿を二枚取り上げます。
まず一枚目は幾何学的なデザインの五寸皿です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/42/f2a093b7740a512277e009a203056ea0.jpg)
一見して古伊万里とは思えないモダンで幾何学的なデザインで、紗綾形文様 の部分は型紙摺りのようですが
それ以外の文様はそれぞれ同じではないことから、手描きの可能性が高いように感じます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/32/f644429e11bed7551ba1a41778b29ae2.jpg)
絵付けするのにそれなりに時間がかかりそうですが、あまり見かけないタイプの品のように思われます
今から10年ほど前に滋賀県の業者さんから何枚か出品されましたが、以後は見たことがありません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/73/5c2ea053654e0d42cbd6e9a2ad41b154.jpg)
表と比べ裏面は中期末~後期の古伊万里の姿をしており、裏文様はなく、落款は後期を代表する「乾」です。
続いての品は色絵の尺皿です
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/12/ef/2bd0f5e65a1c9f920032f83d57835f08.jpg)
こちらも一見すると西洋のお皿のような雰囲気を持っています
朝顔のような花と良く判らない花が、青、紫、白で絵付けされ、葉は緑で絵付けされ
さらに文様のの隙間の部分を青手古九谷のごとく、中期末に見られる中間色の緑に塗っています。
青い花はかなり厚塗りです
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/8f/23bce76bc69e7fd334bba32b4b4aca8a.jpg)
紫の花は薄塗り
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/82/67182dd08945a13985f3ed6856533dee.jpg)
この品にとって重要なのは白い花でありまして、塗り残しの生地の白ではなく、白い釉薬で絵付けされています![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/6e/41ae94ba435fab5677793605da30d527.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/6e/41ae94ba435fab5677793605da30d527.jpg)
色絵を盛り上げたように絵付けする技法は、清朝磁器の粉彩に影響を受けたものらしく
何かの書籍で、天明~寛政期に技術導入されたと読んだ記憶があります
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3e/98/bf384bbf5706f3144f30567d41c882bb.jpg)
一枚目のお皿と同様に、裏面は「古伊万里です」と言わんばかりの絵付けです
この品も落款は「乾」です。
この尺皿と同手が今年ヤフオクで出品され、1万円に満たない値段で落札されていましたが(入札するか迷いました)
経済的な価値とは別の魅力のある伊万里であると、個人的には思っています。