骨董というものは不思議なもので、買えない時はずっと買えない(予算に合わない、好みの品がない)んですが
ここ半月ほどは何故か予算に見合って、好みに合った品が続けて出てきました。
そんな訳でここ半月ほどで2つ目の新着古伊万里です
「染付草花文四方皿」

寛文期の品と思われる四寸サイズの四方皿で、縁の立った形から向付のような品だと思われます
器形ゆえに厚手で手取りの重い品です

見込みの文様はなんだか判らない草花で、意外に達者な筆致です
この品の見所は側面の部分でありまして、縁の立った器形を生かして四方に別々の山水文が描かれています
山水文 ①

山水文 ➁

山水文 ③

山水文 ④

正直なところ、見込み部分よりずっと手が掛かっているように感じます
藍九谷特有の深く濃い染付の発色、内股高台、力強い文様、これを見ただけで「おっ!、これは良い品だ」と私は思ったんですが
どうやらヤフオクの世界ではそんな思いを持つ人は少なかったようで、1万円そこらで落札できました。
20数年古伊万里を見て来た身からすると、嬉しいような悲しいような気分ではあります

この品は以前に紹介した「染付水仙文長小皿」と同じ窯で作られたのかも知れませんね。
酒田の人さんらしい品です。
中国の古染付に匹敵しますね。
今回の品については、私はネット上で気がつきませんでした。気がついていたとしても、お気に入りには入れていなかったでしょう(^^;
来ないときは、さっぱり来ないのですが、来始めますと次々と来るんですよね(^_^)
今回も良いものが手に入りましたね(^-^*)
古染付の影響を受けているのでしょうけれど、ここまでくると、古染付を超えていますね。
呉須の色も良いですし、山水文も秀逸ですね(^-^*)
技術革新が行われた(VOCから注文が入ったのが大きいんでしょうが)
そんな時代の品なんでありましょうか。
この品、扱っていたのが陶磁器専門の業者さんではなかったので
「藍九谷」というキーワードがありませんでしたし
商品のタイトルも「江戸明治期」となっていたので
この手を好む人の目に届かなかったのかも知れません。
こういった品を手にすると、あらためて自分の好みがこの時代の品であるという思いが強くなります。
やはりこの呉須の発色は他の時代の品にはない魅力を感じます。
柴コレに同じ器形で盆栽文の品があるようです。