ウチの古伊万里を見ると、全体の7割近くが染付の品であることに気づきます。
これは江戸後期の品は別として、中期までの品の場合、染付の品のほうが安かったという理由が大きかったように思います。(藍柿や優品は別として)
そこで今回は、何とか入手した中期の色絵の品を紹介したいと思います。
「染錦孔雀文小鉢」
直径14cmほどの小鉢で、扱っていた業者さんは「柿右衛門」として売っておりました。
確かに、輪郭線を黒で描き中を塗るというのは柿右衛門様式の特長のひとつですが、柿右衛門と呼ぶかどうかは微妙です
一応、染錦手ということにしていますが、染付になっているのは圏線の部分だけで、絵付けそのものはすべて色絵です。
五つの区画のうち二つには孔雀が描かれ、残りの部分にはそれぞれ違った文様が描かれています
文様① 孔雀
文様➁ 松文
文様③ 梅文?
文様④
色使いは柿右衛門様式と言ってもいいように思いますが、やはり元禄期の色絵小鉢という表現のほうが合っているようにも感じます。
中期の上手の色絵小鉢ですが、深皿や小鉢といった器形の品は、同タイプのお皿より安く買える場合も多く
それ故にウチへやって来た品なのは確かです。
偶数なら同じ文様を1個おきに描けば安定したデザインになりますが
奇数だとそうはいかないものの、それでも安定したデザインにするのは大したものかも知れません。
この品、一般的には元禄柿右衛門として売らていますが
様式化が崩れた末期の柿右衛門とも言えそうです。
この品は、後期柿右衛門と呼んだほうがよいのでは。
ネーミング好きの遅生でした(^.^)
やはり中期の色絵小鉢というのが普通かも知れませんね~。
数を揃えたいタイプの品ですが、なかなか難しいようです。
柿右衛門よりも華やかで、力強さが感じられますね(^_^)
民衆の湧き上がる力みたいなものを感じます(^-^*)