Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 12

2019-08-23 23:17:58 | 古伊万里
私の関わっている小売業界では10月の消費税の増税&軽減税率導入、さらには中小企業を対象とした
キャッシュレス決済のポイント還元と、面倒なことが目白押しです。
システムの改修、新しいレジの購入、さらには補助金に申請、仕入先との調整と
本当にあと一ヶ月そこらで全部できるか判らないという状況です。
そんなことなもんで、とりあえず手持ちの既発表の品でお茶を濁すことになりました

今回取り上げる品は、名付けて「藍九谷花文五寸皿」です


恐らくは正保~寛文の前期といった感じの品で、何の花かわは判りませんが、草花を一輪だけ描いた
至ってシンプルな絵付けですが、葉の描き方や全体の構図は絵画的なセンスが感じられますね。
生掛けで小さな高台の付いた、皿というよりは平碗みたいな器形の品です。



こういったシンプルな絵柄の品は江戸前期の品に時々見られますが、この品でちょっと珍しいのは
落款が二重丸福である点で、これはあまり見かけませんので、意外に珍しいのでは?、と考えています。
同じような時代の品で二重丸の落款と言えば、「誉」が有名で、他にもあるようですが
やはり「丸福」は珍しいように思います。



薄くシャープな成形は寛文期の藍九谷の雰囲気を感じますが、全体の雰囲気はもう少し古いか?、と感じなくもありません。



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6 コメント

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前期藍九谷 (遅生)
2019-08-24 02:38:26
これは素晴らしい。
絵付け、器胎表面の具合、底銘、いずれも、初期伊万里(後期)や古九谷の雰囲気をのこしているとおもいます。藍九谷へ移行する時期の品ではないでしょうか。
伊万里しろうとの私が言うのもおこがましいですが、稀品にして優品だと思います。
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酒田の人さんへ (Dr.K)
2019-08-24 16:56:28
消費税増税等の対応で忙しいんですね。
頑張ってください。

良いですね~(^-^;
一服の絵を見ているようですね。
私は、このような器を見ると、何時も思うんです。
本当に、これを食器として使ったんだろうか、と!
私のような庶民感覚からすると、とても、とても、もったいなくて食器としてなど使えないのではないかと!
でも、考えてみれば、このような器を使用出来るのは、大名クラスの人ですよね。
感覚が違っていたんですね。
芸術は、やっぱり、庶民の中には育ちませんね。貴族階級の中にこそ育つんですね。

最近、「誉」銘の中皿を買ったこともあり、一瞬、これも「誉」銘かと思いました。
高台内いっぱいの堂々とした「二重丸福」は、自信作であることを強調していますね。
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古伊万里 (ことじ)
2019-08-24 20:44:32
余白を活かしたシンプルな図柄で
配置もいいですね。
形はあまり見かけないもので珍しいですね。
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遅生さんへ (酒田の人)
2019-08-24 23:26:35
ありがとうございます
初期に近い古手の品の雰囲気はあるものの
薄手の成形ゆえに、寛文期に近いという印象の品です。
適度な素朴さも魅力の一つかもしれませんね。
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Dr.kさんへ (酒田の人)
2019-08-24 23:35:07
消費増税の件、TVとかでさかんに補助金が3/4出るという政府CMを放送してますが
実は個人商店とかで使っている電子レジスターはどのメーカーも納期が厳しいようで
9月中に納入、代金支払い済みという補助金の条件を満たせないケースが多いようです。

それはともかく、たしかに江戸中期までは磁器は富裕層と武家だけのものでしたから
これを実際に使えたのは庶民ではなかった訳ですよね~。
そういった点を思えば、鍋島の品格の高さが何故必要だったかも納得できるように思います。
古九谷様式では「誉」は上手の多い落款ですが、ウチの「丸福」は上手ではないですが
古格を感じさせる品には違いありません。
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ことじさんへ (酒田の人)
2019-08-24 23:41:56
この器形は確かにちょっと変ってますよね
この高台の小ささは皿としては?、という感じがしますし
かといって深皿というには微妙な感じです。
寛文期の藍九谷では余白の多い構図の品をたまに見かけますが
いずれも独特の味わいがあるように思います。(なかなか入手できませんが)
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