Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

チルドレナ・マエモンジャコウ

2020-02-19 21:13:16 | 
このところ、膨大なコレクションを誇る故玩館の主人(「ゲンセンカン主人」ではありません)、遅生さんと青磁合戦(?)を繰り広げてきましたが
ウチにもあと二つばかり伊万里青磁があるんですが、どっかにしまい込んでしまったので、とりあえず「蝶」で小休止です。

今回の蝶は、コスタリカ産の「Parides childrenae childrenae」(チルドレナ・マエモンジャコウアゲハ)です


前回紹介した「オルレアナ」よりも小ぶりで、翅を開いても6cmに満たない蝶です
個人的にはマエモンジャコウ(Parides)の中でもかなり美麗な種類だと思っていますが、特に前翅の明るい緑色の斑紋が印象的です
後翅の赤い文様も黒地に乗っているせいか、濃いピンクみたいな色に見える点も魅力的だと思っています。

↓が裏面ですが、表面の緑斑紋のある部分には斑紋はなく漆黒で、後翅には表よりも小さな赤い斑紋があります。


それにしても、黒地に緑と赤なんていう組み合わせは、なかなか思い浮かばないように思います。

回想の古伊万里 46 (青磁色絵松竹梅文木瓜形皿)

2020-02-17 23:08:33 | 古伊万里
多岐にわたる素晴らしいコレクションを誇る遅生さんの故玩館ブログで、魅力的な古九谷青磁が紹介されています
そこでワタシも青磁の名品をと思ったんですが、そんな立派な品はウチにはありませんでしたので
とりあえず、中期の青磁色絵を紹介したいと思います。
「青磁色絵松竹梅文木瓜形皿」


横20cmほどのわりと大ぶりな木瓜形のお皿で、かなり手取りの重い品です
時代的には中期でも後半の宝暦~天明といった時代の品ではと想像されますが、伊万里青磁としては青に近い発色だと思います。


青磁に器面に赤、緑、紫、そして金彩を使った絵付けがされており、宝暦あたりに見られる染錦手を青磁で作ったと思われる
タイプの品ですが、やはり青磁に上絵付けされた赤は、染錦などよりも強烈な印象です。


この品の場合、今までウチで取り上げてきた伊万里系の青磁と違い、高台の釉薬の境目のあたりに錆色が見られません
理由は定かではありませんが、盛期までの品や鍋島青磁に比べると青磁釉が薄いなんてこともあるんでしょうか。

この品は伊万里を買うようになってわりと早い時期に購入した品ですが、後に、HPをやっていた時代にDr.kさんと共に
多大な影響を受けた先輩コレクターさんが同じ品を所有していることが判り、骨董が取り持った出会いを強く感じた品でもあります。




回想の古伊万里 45(青磁色絵小鉢)

2020-02-15 23:04:35 | 古伊万里
素晴らしき故玩館のご主人、遅生さんのブログで美しい青磁天目茶碗が紹介されています
そこでウチも前回の鍋島青磁に続いて勝手に便乗して、深めの器形の青磁をUPすることにしました。(ま、二番煎じですな・・・)
とは言っても、ウチには伊万里しかありませんので、あまり期待してはイケマセン。
「青磁色絵小鉢」
サイズはは直径14cm、高さ5cm、高台径が7cmといったところで、とりあえず「小鉢」としてみました。


伊万里の青磁は緑がかった発色の品が多いですが、この品は薄い青で発色しており、見込には紅葉を散らしています
器形も単なる丸ではなく捻じりの入った凝った成型となっており、しかも青磁としてはかなり薄い成型の器です。


裏面も色絵の青で唐草が描かれており、その様式から見て延宝~元禄期の柿右衛門様式に近いと思われます。
(黒で輪郭線を描き、中を青の色絵具で塗っています)


高台部分に二か所欠けがあるものの状態はまずまずで、高台部分には青磁のお約束のような鉄分による錆色が出ています。
この品でちょっと不思議なのは、青磁に青の色絵具による絵付けがされている点で、普通に考えれば
色の濃さは違うものの、青に青ではせっかくの色絵が目立たなくなるのでは?、という点です。


しかし、現物を見ると不思議なくらいに青磁釉と色絵の青がマッチしていることに気づきます
もしこれが通常の伊万里の緑系の発色の青磁だったら、このような統一感は出なかったのかも知れません。
この発色の青磁ゆえに青の絵付けがされたのか、あるいは最初から狙ったものなのか
いずれにしても当時の陶工のセンスを感じる品でもあります。
ちなみに、盛期の鍋島青磁の名品には青磁に赤で唐草を描いた品がありますし、青磁染付の名品も多数知られています。
鍋島の青磁染付は、最初に染付で文様を描き、その上から青磁釉を筆で塗って素焼き、さらに全体に透明釉を掛けて本焼きする
という記述を何かの本で読んだ記憶があります。



オルレアナマエモンジャコウアゲハ

2020-02-14 23:28:48 | 
マエモンジャコウアゲハは中米~南米にかけて生息している小型から中型のアゲハの仲間で
わりと美麗な種類の多い一群です。マエモンジャコウという和名ですが
学名がParidesであることから、蝶好きはパリデスで呼ぶようです。

ウチには3種類しか標本がありませんが、今回紹介するのは学名を「Parides orellana」という種類で
以前は「オオマエモンジャコウ」と呼ばれていた時もあったようですが、現在は学名通りに「オルレアナマエモンジャコウ」と表記されています。


漆黒の中に後翅に赤斑紋というなかなか強烈な色彩ですが、パリデスの仲間の多くは黒地に赤、緑、白(灰色)といった色の斑紋を
持つ種類が多く、中にはかなりの珍種も存在します。(一般的にはそれほど珍しくはない)
実際、ブラジル産の「Parides burchellanus」という種類は昨年、ワシントン条約の附属書Ⅰに指定され商業取引が禁止されました。


ちなみにマエモンジャコウの仲間は毒を持っているようで、他のアゲハやシロチョウが擬態することがあるようです。




回想の古伊万里 44(鍋島青磁五寸皿)

2020-02-13 21:35:42 | 古伊万里
いつも多岐にわたる素晴らしいコレクションを見せて頂いている遅生さんのブログで
中期の素晴らしい鍋島青磁五寸皿がUPされましたので、ウチも便乗して時代不明の鍋島青磁を引っ張り出してきました。
「鍋島青磁五寸皿」


直径15.5cm、高台径8cm、高さ4cm、五寸サイズですが極めて手取りの重いお皿です。
高い高台と完成度の高い成型はいかにも鍋島を感じさせます

裏面はこんな感じです


この品は今から十数年前に都内の有名店で購入した品で、購入したときは、「人気薄の青磁だけど、ついに鍋島をゲット!」とか思っていたんですが
購入してからふと考えると、鍋島の中でも青磁は一番時代判定が難しい、値段も自分の買えるくらいの値段だから高くはない
購入したのは有名店で、店主は中期~中期末と言っていたけど、本当のところはどうなのか・・・、そんな思いを抱くようになりました。
早い話が「自分には鍋島はワカラン」というのが結論ではありました。


とはいえ、↑の画像でわかるように、同時代の伊万里とは明らかに違う深い発色と釉薬感
この魅力は今出来の青磁や江戸期の伊万里青磁にはないもので、この一点だけでこの品を「鍋島青磁」と思い続けているのは確かです。

それにしても、瑠璃釉とか青磁は画像が撮りにくい・・・