Diary Of 酒田の人

田舎住まいの60代サラリーマンの趣味の日々

回想の古伊万里 122(染錦孔雀文小鉢)

2021-04-07 23:19:28 | 古伊万里
ウチの古伊万里を見ると、全体の7割近くが染付の品であることに気づきます。
これは江戸後期の品は別として、中期までの品の場合、染付の品のほうが安かったという理由が大きかったように思います。(藍柿や優品は別として)
そこで今回は、何とか入手した中期の色絵の品を紹介したいと思います。
「染錦孔雀文小鉢」
直径14cmほどの小鉢で、扱っていた業者さんは「柿右衛門」として売っておりました。
確かに、輪郭線を黒で描き中を塗るというのは柿右衛門様式の特長のひとつですが、柿右衛門と呼ぶかどうかは微妙です
一応、染錦手ということにしていますが、染付になっているのは圏線の部分だけで、絵付けそのものはすべて色絵です。
五つの区画のうち二つには孔雀が描かれ、残りの部分にはそれぞれ違った文様が描かれています
文様① 孔雀
文様➁ 松文

文様③ 梅文?
文様④

色使いは柿右衛門様式と言ってもいいように思いますが、やはり元禄期の色絵小鉢という表現のほうが合っているようにも感じます。

中期の上手の色絵小鉢ですが、深皿や小鉢といった器形の品は、同タイプのお皿より安く買える場合も多く
それ故にウチへやって来た品なのは確かです。



酒田をちょっと散歩 29(あちらこちら)

2021-04-04 20:29:30 | 散歩
山形県でも山形市を中心に新型コロナの感染拡大が続いており、桜はもうすぐ満開とは言え、なかなか散歩という訳にはいきません。
そこで、過去に撮りためてたい画像から未発表のものをいくつか紹介します。

まずは船場町から日和山公園へ登っていく「旧神明坂」、今から30数年前にこの近くに勤めており、昼休みに出かけた覚えがあります。
旧神明坂を上ったところにある小路
相馬楼の前を日枝神社方面へ登ったところにある、寿司割烹「鈴政」
右側にはとても雰囲気の良いバー、「酒田倶楽部」があります。

即身仏で有名な海向寺の隣にある「蓮尚寺」、左側の古い木造の建物もちょっと気になりますね。
酒田へ来たらこの旅館へどうぞ(別にワタシとは関係ありませんが)
市役所裏にある「若葉旅館」
別に鑑定団とは関係なさそうですが、市役所の向いにある「鑑定ビル」
ここは酒田市の水道施設で、ワタシらが子供の頃は「水道山」と呼んでいました。
最後に、踏切の隣にあるのは酒田が生んだ名優、成田三樹夫の生家
昔は商店を営んでいました。
何の脈絡もない散歩ネタになってしまいましたが、花粉の季節が過ぎたら、本格的に再開しようと思っています。

回想の古伊万里 121(染付水仙文五寸皿)

2021-04-02 23:14:01 | 古伊万里
回想の古伊万里シリーズもいつのまにか120回を越えましたが、だんだんどれを掲載したか判らなくなっており
毎回ブログの記事一覧で確認するという情けない状況に陥っております。

さて、今回の品は個人的に一番好きな寛文期の染付皿です
「染付水仙文五寸皿」

典型的な寛文期の藍九谷で、特に見どころのある品ではありません
見込みには水仙を一輪描き、その周りを12分割して対角線上に同じ文様を描くという、この時代に良く見られるデザインです。

水仙文は盛期伊万里の名品(金銘の藍柿)のようにはいきませんが、かなり絵画的にえがかれています。
とは言え、この品の場合は手が掛かっているのは12分割された見込み周囲の地紋のようで、かなり細かく絵付けされています。
時代はしっかりあるものの、特に個性的な品ではありませんので、イマイチな面もありますが、藍九谷好き故に購入してしまった品です。

このタイプの裏紋様は延宝期の品にも見られますので、古色はあるものの
古九谷様式としては末期の作なんでありましょうか。