Sakita Blog

1級建築士事務所Sakita Space Design主宰
崎田由紀のブログ。

令和4年(2022年) 2級建築士学科試験 構造速報

2022-07-03 22:50:39 | 建築士試験

2022年7月3日(日)
2級建築士学科試験、お疲れ様でした!

受験された方の声を聞くと、今年は計画と施工がむずかしかったようですね。構造も、新傾向の選択肢が結構あったので、びっくりされたかもしれませんね。
ただ、全体的には、例年通りの難易度だったといえるのではないでしょうか?
基準点の変更はないのではないかと思います。(まだ全国の様子がわからないので、なんともいえませんが)
今年も構造についてコメントしていきたいと思います。
私が独自に公開しているものですので、試験実施機関、予備校等とは関係がありませんので、その点ご了承ください。

力学は、3ヒンジとトラスがちょっと目新しい感じですが、全体的に簡単でした。M図が出ると思ったのに出ませんでしたね。
文章題は、新傾向の設問が2問。11年以前の復活問題が2問、選択肢ベースでの新傾向は10肢ありましたが、そのうち9肢は正答肢以外(正しい記述)でした。ですので、それら5問を落としたとしても20点前後は取れるような問題だったと思います。

No.1  断面2次モーメント 答1
難しい値の差の絶対値が出ると予想していたので、あまりに簡単すぎて拍子抜けですね!

No.2 応力度 答2
これも基本中の基本問題で、なんの問題もなかったでしょう。簡単です。

No.3 応力(単純梁の曲げモーメント) 答2
平成26年、平成30年の問題の類似問題ですので簡単でしたね!

No.4 3ヒンジの反力とせん断力 答3
3ヒンジ+等分布荷重、反力4つとせん断力が0になる位置、というのは新傾向でした。でもみなさん、等分布は集中荷重に置き換えてしまえば、なんの問題もないでしょう。反力4つは求められたと思います。せん断力がゼロになる場所は、Q図を描いて、図形の相似を使って出すのですが、今回はそれがわからなくても反力だけで選べてしまう組み合わせでしたので、落ち着いて解けばなんということはなかったはずです。
せん断力が生じないx点のB点からの距離を求めよ、という問題は平成18年に1級で出題があった問題です。それが今後2級に降りてくるのかな?という懸念はありますね。

No.5 トラス 答1
私たちの使う3つの三角形のどれでもない三角トラス、という意味では新傾向問題です。距離がわからないので、切断法も、節点法も使えません。ただ、力との距離がわかれば、反力は出せるので、反力と、NCD=0がわかれば、NABがわからなくても答えは選べました。
NABに関しても、令和1年、令和3年に出た、0部材探しができれば、0部材をどんどん消していくと連鎖で最終的にNAB=0がもとまる仕組みでした。

No.6 座屈 答5
座屈長さを利用して座屈荷重の大小関係を求める基本問題でした。簡単でしたね!

No.7 荷重外力 答2
これは5肢とも過去問で、しかも直前講習でやったものばかりでしたので、簡単でしたね!

No.8 荷重外力(風圧力) 答4
これは新傾向問題でした。平成26年と令和1年に、「地震力と関係のないものはどれか」という問題が出ていて、それの風圧力バージョンでした。

No.9 地盤基礎 答1
H24(2012)、H29(2017)、R01(2019)に出ていた用語と説明の問題でした。用語は全て過去問でしたが、正答の圧密の説明が、地盤改良のサンドドレーン工法(強制圧密脱水法)になっていた点が、サンドドレーン工法が初出題ですね。

No.10 木造部材名称 答5
選択肢の中の「雨押え」「額縁」が初出題でしたが、正答の面戸板の説明が広小舞、というのは過去問だったので、木造部材名称体操をやっていれば完璧でしたね!
木造部材名称体操のYouTube動画はコチラ

No.11 木造枠組壁工法 答2
ツーバイフォーだけで1問というのは平成22年(2010年)以来12年ぶりです。今年は2010年の問題から出るのではないかと思い、みなさんに取り組んでいただいていたので、これは当たりました!(他の力学はもっとむづかしいのばかり予想していました、、、(苦笑)
目新しい数字がたくさんあり、面食らわれたかと思いますが、正答肢のアンカーボルトの設置位置(隅角部付近および土台の継手付近「に設ける」)と間隔「2m」(在来軸組は2.7m)は覚えていたのではないでしょうか?
 
No.12 木造壁量計算 答3
木造壁量計算の地震力に対して必要壁量の令46条表2の値の大小関係を問う問題で、初出題でした。
重い屋根>軽い屋根、1階>2階は覚えていたと思うのですが、1階の軽い屋根と、2階の重い屋根はどっちが壁量が長く必要なのかで迷われたかもしれませんね。冷静に考えてみれば、屋根と、2階と、どっちが重いの?と考えれば、2階の方が重たいですよね?このように、常識的に推測する力も必要かもしれませんね。
 
No.13 壁式鉄筋コンクリート造 答5
壁造の数値は、直前1週間で覚えてね!と言っていたのですが、こんなにストレートに出るとは。直前講習でやったのでバッチリだったはずです。
 
No.14 鉄筋コンクリート構造 答4
こちらも部材の断面寸法が散りばめられているので、数字を覚え切っていない方は引きずられたかもしれませんが、コンクリートの引張応力度は無視、というのはH25、H29、R01に「無視する」で、R02に「考慮する必要がある」で正答肢で出題されている頻出問題でしたので、みなさんできたでしょう。
 
No15 鉄筋コンクリート構造 配筋 答3
正答肢はR02に「検討を行なった」で正しい記述で出題されていたものが「検討は不要」と変えられて誤った記述になっている問題ですね。他の選択肢が数字なので、これも数字を正しく覚えていないと引っ張られてしまう系の問題ですね。数字を正しく覚えることと、過去正しい記述出たものは改変されて出る可能性が高いので、「なんとなくみたことあるから○」みたいなうろ覚えだと間違えてしまいますので注意してくださいね。
 
No.16 鉄骨構造 答1
鉄骨造の○○比は小さい方がいい!というのを散々やってきたので正答できたと思いますが、2と3の選択肢は初出題でした。3の選択肢は1級でよく出る選択肢がおりてきた感じです。
 
No.17 鉄骨造接合 答5
これも頻出問題なので大丈夫だと思いますが、数字を変えられていることに気づいたかどうかですね。選択肢1は初出題でした。
 
No.18 耐震設計 答5
これも直前講習で固有周期についてまとめて復習していたので大丈夫でしたでしょう。4の選択肢は初出題で、1級的な言い回しだな、と感じました。
 
No.19 構造計画 答2
水平力に抵抗するのが火打、鉛直力に抵抗するのは方杖、というのは覚えていたでしょう。4と5の選択肢が初出題でした。梁のせいは1/10を超える、と覚えていたので、4に引きずられたかもしれませんね。使用上の支障が起こらないことを確認した、というのがポイントでしょう。特定天井についても、構造での出題は初めてです。これは1級でも出るかもしれませんね!
 
No.20  木材 答3
「以上」「以下」を必ずチェックせよ!と直前講習でも言っていたのですが、「下回る」「上回る」という表現が「以上」「以下」とリンクできたかどうか、日本語の問題でもあったかもしれません。CLTが出るよ!と推していましたが、LVLの方が出ましたね。笑
 
No.21 コンクリート  答5
これもR01で「大きい」(正しい記述)で出題されたものが「小さい」(誤った記述)に変更されたタイプです。今年はR01の改変問題が多いですね!
 
No.22 コンクリートの圧縮強度の計算 答4
これも12年ぶりの出題ですが、2010年のものをやっていてよかった!これは当たりましたね!
 
No.23 鋼材 答4
鋼材は「引張強さ」と「降伏点強度」でひっかけてくるから、よく確認して!!と直前講習で言っていたのが出ましたね!
 
No.24 材料 答4
セメントは水硬性、しっくいは気硬性、も散々やったので大丈夫でしょう。
 
No.25 材料 答1
これはR01と全く同じ文章でしたね。今年はR01(2019年)からの出題が多かったですね。高確率問題でやったのでバッチリだったでしょう!選択肢5のケヤキは初出題でした。

お疲れ様でした。
「初出題はだいたい正しい記述で出る(正当肢にはならない)から、他の選択肢をよく読め、と言っていたので、大丈夫だったかとは思いますが、みたことのない文章がいっぱいでてくると、不安になりますよね。
そして2回目に出るときには誤った記述(正答肢)で出る可能性がある、とも言っていたのが、まさにその通りな感じですね。
なんとなく前見たことあってただしかったから、、、みたいなあやふやな記憶は危険です。
 
他の教科の答えは総合資格の即日採点サービスをご利用ください。
みなさんの合格をお祈りしています。


2021 2級建築士試験合格発表

2021-12-02 12:32:11 | 建築士試験

2021年12月2日、2級建築士の合格発表がありました。
今年は、初めて傾斜地が出題され、採点の基準が気になるところです。

試験元からのアナウンスはこちら
https://www.jaeic.or.jp/shiken/2k/2k-data.html

採点のポイントは
(1)設計課題の特色
 ①診療所部分と住宅部分との相互の動線計画
 ②防火区画等
(2)計画一般(敷地の有効利用、配置計画、動線計画、設備計画、各室の計画等)
(3)構造に対する理解
(4)断面構成に関する知識
(5)要求図書の表現
(6)設計条件・要求図書に対する重大な不適合
①鉄筋コンクリート造3階建でないもの
②要求図書のうち図面が1面以上未完成
③図面相互の重大な不整合(上下階の不整合等)
④延べ面積が「240㎡以上300㎡以下」に適合していないもの
⑤要求室のうち、次のいずれかの室が欠落又は設置階が違っているもの
 診療所部分:待合室、診療室、X線室、技工室
 住宅部分 1階:玄関ホール
      2階:LDK
      3階:夫婦寝室、子ども室
⑥著しく非常識な計画(階段、エレベーターの欠落等)

解答の傾向
「未完成」「設計条件の違反(要求室の欠落、防火区画等の計画が不十分)」、「要求図書に対する不備(部分詳細図(断面)の防水措置)」に該当するものが多かった。

私が採点した受講生さんの結果としては、
軒高9m超が6人のうち不合格5人
延焼ラインのミスが5人のうち不合格1人
部分詳細不適当が13人のうち不合格6人
ロングスロープが9人のうち不合格3人

といった状況で、
致命的かと思っていた延焼ラインの道路からの距離間違えはそれほど大きな減点ではなかったのかな?
やはり軒高は割と重く見られていたのかな?
という印象ですが、ひとつでアウトになるというよりも、2つ以上大きなミスがあるとダメだったという感じでしょうか?
断面図の切断指定位置違反でも合格していたり、
毎度のことながら、基準が見えにくい試験ではあります。

合格した方、おめでとうございます!
不合格だった方、令和4年はおそらく木造ですので、違う構造の設計の勉強ができると、前向きに捉えて、あきらめずに頑張りましょう!


令和3年度(2021)2級建築士 設計製図試験

2021-09-16 10:28:59 | 建築士試験

令和3年度(2021)2級建築士 設計製図試験
「歯科診療所併用住宅(鉄筋コンクリート造)」

要求図書

  • 1階平面図兼配置図[縮尺1/100]
  • 各階平面図[縮尺1/100]

   ※各階平面図については、試験問題中に示す設計条件等において指定します。

  • 立面図[縮尺1/100]
  • 断面図[縮尺1/100]
  • 部分詳細図(断面)[縮尺1/20]
  • 面積表
  • 計画の要点等

(注1)答案用紙には、1目盛が5ミリメートル(部分詳細図(断面)については10ミリメートル)の方眼が与えられている。
(注2)建築基準法令に適合した建築物の計画(建蔽率、容積率、高さの制限、延焼のおそれのある部分、防火区画 等)とする。

注意事項

試験問題を十分に読んだうえで、「設計製図の試験」に臨むようにしてください。
なお、設計与条件に対して解答内容が不十分な場合には、「設計条件・要求図書に対する重大な不適合」と判断されます。



9月12日日曜日に令和3年度(2021年度)2級建築士設計製図試験が行われました。

今年のびっくり玉は、なんといっても「傾斜地」ですよね。あとは「バルコニーの出入口部分の部分詳細図」、こちらもちょっと面食らったかもしれません。受講生さんのお話を聞いていても、エスキスは1時間くらいですぐ終わったのに、断面図と部分詳細で時間をとられ、十分な描き込みやチェックができなかったという声を聞きました。それでも、ご自分の知識を総動員して、なんとか描き上げて戻ってきてくださったみなさんには、頑張ったね!!と褒め称えたい気分です。

他校のユーチューブ動画を見ても、みなさん苦労されただけに怒りが爆発しているようですが、ちょっと日にちを置いた今、冷静に振り返ってみていただきたいと思います。

まず、傾斜地に対する対応ですが、多くの方が、傾斜地=床高をあげなくちゃ=直前講習3の課題、「床高指定があった場合は階高とロングスロープで対応」を思い出されたのだと思います。この講義をやった時に、「2階建はこれでいいけれど、3階建の場合は2級建築士の設計資格である軒高9mを超えてしまうから、3階建では注意」とさらっと解説していたのですが、十分にみなさんに伝わっていなかったと思い、反省しています。中には「3階建で床高指定があった場合はどう対応したらいいのか?」「過去そのような指定があったことがあるのか?」というご質問をされた方もいらして、その方達とは、「過去木造2階建で出題があり、南の庭がスロープだらけになってしまった」「天井高指定が高い場合は吹き抜けで処理するが、RC3階建の場合竪穴がかかってくるの難しい。そのような出題はないのではないか?」というような話をしていました。もう少し具体的に、「その場合は階高を調整しておさめよう」と指導できていればよかったのですが、できなかったことを反省します。ただ、優秀なみなさんは限られた時間の中で、試行錯誤しながらも階高を調整して9mにおさめていらしたので、さすがだな、と感心しました。
若干名の方が、最高高さの10mは気にしていたけれど、軒高9mは盲点だった、と9.5mにしてしまっている方がいらして、その方々はちょっと厳しいのかな、と思っています。

実は、傾斜地ですが、ロングスロープは必要なく、ただ、いつもの建物を地中に埋めればよかったのです。これについて、試験当日は怒りが爆発していたようですが、冷静になって、考えていただければ、まず建物に基礎が必要で、基礎には根入れが必要と考えれば、「絶対に切土をしてはいけない」という設定はありえないわけです。つまり出題者が言いたかったのは、土地全体を±0に、あるいは+250とか+500に、整地してはいけないよ、ということなのです。「日本語の問題なのか?」という怒りもありましたが、まさに、建築士の試験は、日本語の読み取りの問題です。
また、地中に壁を埋めるというのはRCならでは、なんですよね。木造では壁を地中に埋めることはできないので、高基礎にしないとなりません。そういう意味で、出題者にRCの特性をわかっていますか?と聞かれている気がしました。

ということは、試験元の指示は「建物の建っている部分はいつも通り±0を基準とし、奥まったところにある住宅の玄関は傾斜を生かして考え、内部でその段差を解消せよ」と読み取ることができます。
中には、住宅の玄関コア部分も南にしろという意味か?と考えた方もいらっしゃいますが、それは2階3階の設計が難しくなりますので、考えにくいのではないでしょうか?

そして、西立面を描いてみましたので、それをご確認いただければわかると思いますが、ロングスロープで床を上げることは、切土を少なくするように見えて実は盛土をしているのです。なのでスロープ無しの方が土を移動する部分が少なくなるのです。
中には床を上げて基礎はそのままで深基礎になっている方もいらして、それは切土も盛土もしていて大造成していることに、気づいていなかったりしますよね。

次のポイントは「バルコニーの出入り口と手すりを描け」という部分詳細です。
これも、「2階のバルコニーはルーフバルコニーにしておかないと立面断面がやっかいだ!」と教えていたので、ほとんどの方がルーフバルコニーにしていたため、はた、と困ってしまったわけです。最後にやったチャレンジ課題の部分詳細図の解答例が片持ちバルコニーだったため、ご自分の計画がフレームレスのルーフバルコニーなのに片持ちバルコニーを描いてしまった方がかなりいらっしゃいます。中には、「部分詳細は断面図の拡大版」という私の言葉を思い出して、頑張って大梁2つのフレームレスバルコニーの詳細を描いてくれた方もいらっしゃいました。すばらしい!がんばったけど、どこまで内部なのかわからなくなってしまった方も、、、。惜しい!ただこれは、初出題だし、正確に描けた方が少なかったのではないかと思うので、そんなに減点が大きくないといいな、と願っています。
これも実は、今回、駐車場等から建築可能な床面積がマックス8x14=112㎡に対して、延床が最大300なので、2階はルーフにしないでそのまま112にして、3階で調整し、2階のバルコニーは片持ちにする、というのが正解な気がします。そのようにできている方も、少しですが、いらっしゃいました。
私も試験当日問題を見た時に、「ルーバルの部分詳細は難しいから、東に(あるいは西に)もうひとつ片持ちのバルコニーをつけたらどうなの?」と姑息な対応策を思いついていたのですが、各校の解答例がそうなっているのを見て、でもみんなは、緊張と焦りの中、そんな姑息なことおもいつかないよなーと思い直しました。

その他のポイントとしては、
竪穴区画がきちんとできていて、マル防を描けたか、
延焼ラインの距離を間違えずに(特に道路は今回幅員10mなので道路側はかかってきません)を描けて、丸防を描けたか、
エレベーター、階段が梁またぎなく計画できているか、
断面図は「診療室」を含む部分で切断されているか(診療所ならどこでもいいのではなく、「診療室」で切る必要があります)(診療室がコアと同じ側にあると、階段やEVを切るハメになり、EVのところで切っているのにスラブを描いてしまうとアウトです。竪穴区画の階段室のホール部分ならスラブがあっても大丈夫です)
細かいところでは、1階の平面図にも部分詳細の切断線を描けという指示があったのですが、これに気づけている方も少なかったですね。

やはり、製図の試験はいかに課題文を隅から隅まで読んでいるか、
出題者が何をやらせたいのか、正確に把握できるか、
が勝負を決めるのだと思います。

総合資格学院の解説はこちらをご覧ください。
https://www.shikaku.co.jp/campaign/2k_seizu_sv.php?mid=main

今回は、描いた方が多かったルーバルの場合の部分詳細を描くためのAプラン(スロープなし)と、みなさんがやってしまった、ロングスロープの場合の対処法を描いたBプランの2つを作図してみましたので、ご参考までに。それぞれの西立面図も添えておきますね。

pdfはこちら

pdfはこちら


令和3年(2021) 1級建築士 学科試験 構造速報

2021-07-12 18:37:25 | 建築士試験

昨日は1級建築士学科試験、お疲れ様でした。
今年から1級建築士についても、解答速報を掲載したいと思います。
構造だけですし、私が独自に公開しているものですので、試験実施機関とは関係がありませんので、ご了承ください。

今年は法規構造は比較的やさしかったようですが、計画がとても難しかったようですね。総合点での合格点も下がりそうな感じです。1級は合格基準点、足切り基準点が明確に発表されないので、その点、合格発表までハラハラしますね、、、

No.1 組み合わせ応力度の問題 答2
圧縮力と水平力による組み合わせ応力度の問題はよく出題されるので、みなさん簡単に解けたと思うのですが、せん断応力度は出題頻度が高くないので、公式を覚えていたかどうか、、、?長方形断面の係数1.5をかけるのを忘れずに求められたでしょうか?

No.2 反力、応力、たわみの比 答4
平成15年に出題されたものとよく似た問題です。問題集の復活要注意問題に入っています。両端固定の梁のたわみの公式を覚えていたかどうか、、、?それを忘れていても、反力、最大曲げモーメント、最大せん断力は求められると思うので、消去法で選べたかもしれませんね。

No.3 曲げモーメント0の時の荷重の大きさ 答2
これはサービス問題でしたね!簡単。

No.4 崩壊メカニズム 答4
これもよく出る多層ラーメンの崩壊メカニズムですね。直前講習でも復習したのでできたと思います。

No.5 トラスの水平変位の大小関係 答3
これは平成21年の問題と似ていますが、問題集からは消えてしまっています。テキストに出題例として掲載されているので、できたかもしれませんが、練習量は多くなかったですね。公式を覚えていたかどうか?直前の公式集には載っていて、この公式はいつ使うのか?という質問があったので、トラスの変位の話をしたので、できたかもしれませんね!

No.6 座屈 答3
2級も座屈が文章題でしたが、1級も文章題でしたね。座屈長さの係数を覚えていたら簡単な問題でした。

力学は、学院推しの筋交い付きラーメンは出ませんでしたね、、、苦笑

No.7 地震時の振動 答1
「応答スペクトル」と言われると、力学の振動で使う「加速度」応答スペクトルが浮かんでしまうので、固有周期が長くなると小さくなる、と思ってしまいがちですが、今回は「変位」応答スペクトルなので、固有周期が長くなると大きくなるのです。
4の選択肢の粘性減衰の減衰定数も、「減衰」と言われると「履歴減衰」についてよく講義に出てくるので、鉄骨の方が大きいと思ってしまいますが、「粘性減衰」は、揺れ幅の減少の度合いなので、RCの方がガサガサ揺れなのでおさまりやすいですよね。紛らわしいところをついてきたな、と思いました。ひっかかった方多かったかも。。

No.8 荷重外力 答1
積載荷重の大小関係は簡単でしたね!その他の選択肢についても直前でやったことが出たので、正解できたでしょう!

No.9 木造 壁率比計算 答3
これは実力テスト、直前講座的中ですね!楽勝だったでしょう。

No.10 木造軸組工法 答1
これも直前でやりましたね!

No.11 鉄筋コンクリート構造 答2
直前でやった、、、と思ったら、2級の直前でやったのでした、、、
いずれにしても簡単な問題でしたね。

No.12 鉄筋コンクリート構造配筋 答2
これはびっくり玉ですね。1と3が正しいというのはわかりますが、2と4は初出です。初出で正当肢というのはキツイ問題ですね。今後定着などについてより、指針なり、標準図なりをこまかに学習しないといけないかもしれませんね。

No.13 鉄筋コンクリート構造 許容応力度計算 答1
これは1か4かで迷いますね。。。

No.14 鉄筋コンクリート構造 保有水平耐力計算 答4
これは脆性破壊するものはD!!とやっていたので、みなさん選べたでしょう。3の選択肢も直前でやりました。1と2はテキストには掲載されているのですが、あまり見覚えなかったかも?でも4までちゃんと読めば、選べますね!

No.15 鉄骨構造 答2
これはどの選択肢も直前などでやったものなので正答率高いでしょう!

No.16 鉄骨構造 接合部 答4
1の選択肢はあまりふれていませんでしたが、2、3については直前でやったので、判断できたでしょう。

No.17 鉄骨構造 答1
これも直前でやりました!的中ですね!

No.18 鉄骨構造 耐震計算 答2
補講で耐震計算ルートのまとめをやったので、補講に出席された方はできていたでしょう!

No.19 土質地盤 答3
これは2級でもよく出る問題ですね。簡単でした。

No.20 地盤沈下 答4
これも、土粒子が変形するのではなく、間隙水が排出されて体積が減少する現象、ということをおぼえていたら簡単ですね。

No.21 擁壁地下外壁 答1
摩擦係数については、粘土ヌルヌル、砂ザラザラで覚えていたと思います!

No.22 プレストレスとコンクリート構造 答2
正答肢は、直前でⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種について説明したのですが、ひび割れしない、とはいっていたけど、引張り生じない、という表現はしていなかったかも、、、また、他の選択肢が難しいので、これは難しかったかもしれませんね。

No.23 各種建築構造 答3
これも壁式鉄筋コンクリート構造の1と2はすぐに判断できても、3と4で迷ったかも?埋め込み拄脚の曲げ終曲耐力は、何と何の小さい方と何を足すのか?覚えていましたか?

No.24 耐震構造、免震構造、制振構造 答3
これも直前でやりましたね!的中です。

No.25 既存鉄筋コンクリート構造の耐震診断改修 答2
これは2級でよく出る問題なので、簡単に感じましたが、1級ではあまりふれていなかったかもしれませんね。耐震スリットを設けると短柱が長柱になる→せん断破壊しなくなる→靭性が向上する(耐力は向上しない)と判断できたかどうか?

No.26 構造計画 答1
これは難しい問題でした。

No.27 木材および木質系材料 答4
これは簡単、、、ですよね?

No.28 コンクリート材料 答4
これも応力度ひずみ度曲線を描いて、ヤング係数をどうやって求めるか、思い出せれば簡単でした。

No.29 鋼材 答3
これも簡単でしたね!降伏点強度と引張強度でひっかけてくるのは2級と同じですね!

No.30 非構造部材等の設計用地震力 答4
これは難問でした。告示等についても学習しないとならないかも?
ただ、東日本大震災で、天井、傾斜路、エスカレータ、エレベータ等についての被害があり、それに伴って法律が厳しく改正されているので、その辺の知識を問われているので、大切な問題といえば大切な問題ですね。人の命に関わる仕事をするのですからね。

さて、みなさんの結果はどうだったでしょうか?
1級建築士の数が足らなくなるので、試験制度の見直しがされたというものの、試験自体は難化している気がします。人は増やしたいけど、質は落としたくないという国の意向なのでしょうか?

難しかった計画など、その他の教科の解答は総合資格の解答速報サービスをご利用ください。 

 


令和3年(2021) 2級建築士学科試験 構造速報

2021-07-04 23:17:16 | 建築士試験

令和3年(2021) 2級建築士学科試験 構造速報

学科試験お疲れ様でした。
今年の試験は法規が難しかったという噂でしたが、結果を見るとみなさん結構取れていて、構造、施工が難しいという声も聞こえました。施工はかなりむつかしかったようですね。

法規も構造も、1級の試験から降りてきたような問題もあって、2級の準1級化がさらに進んだようです。
構造について今年もコメントをしていきたいと思います。

NO.1 断面1次モーメント 解答4
R01に出たばかりの断面1次モーメントがまた出ましたね。今回もH26,H29,R01同様、同じ断面積に分けられる問題なので、与えられている断面1次モーメントの公式を使わずとも瞬殺できる簡単問題でした。ラッキーでしたね。

No.2 応力度 解答2
等分布荷重の梁の長さを出す問題なので、最後にl^2の2乗を外さないとならない点がちょっと難しかったかな?でも直前講習でやりましたね!

No.3 応力 解答2
せん断力、出せましたか?今回はもし間違えて反対側を出しても、H29のように左右非対称位置に荷重がかかっているわけではないので、まちがえようがなかったですね!

No.4 トラス 解答4
R01に引き続いて0部材の数探しでした。Aの0部材が5つ全部探せたかどうかがポイントですね。

No.5 応力図 解答5
M図がでましたね!H27 、H30、R01、R02 とM図が出ているので、今年も出そうだなーと思っていたのが的中しました。直前期にM図の特訓プリントを配布していたので、みなさんできていたと思います!今年は昨年に比べて、消去法で簡単に選べるのでとても簡単だったと思います。

No.6 座屈 解答2
 H25年以来久しぶりに文章題が出題されました。でも最後の総合模試で文章題をやっていたので、みなさんできたと思います!オイラー式がかければ、簡単でしたね!

以上力学はどれも簡単でした。問題は一般構造です、、、

No.7 荷重外力 解答1
正答肢の1は過去何度も出ていて、直前講習でもやったのでみなさん選べたと思いますが、3、5の選択肢は初出題ですね。

No.8 地震力 解答2
過去問でよく出る「地震層せん断力は、その階が支える固定荷重と積載荷重の和に、地震層せん断力係数を乗じて求める」という日本語を公式にするとどうなるか、という問題ですね。内容は簡単ですが、見た目が目新しいので戸惑ったかも。

No.9 地盤基礎 解答5
直前講習でやった岩>固>密>堅>ナシを覚えていれば簡単ですね。その他の選択肢も過去問ばかりで、これは簡単でした。

No.10 木造部材名称 解答1
野縁は天井下地、廻り縁が天井と壁の見切り材ですね。

No.11 木造 解答3
「座金が木材にわずかに減り込む程度にボルトを締め付ける」というのはかなり昔に出題があったきり、ここ11年は聞かない選択肢でした。選択肢4のドリフトピン接合の降伏せん断耐力と終曲せん断耐力が同じというのはR01に出題がありました。今回、R01と似た出題が多いですね。

No.12 木造接合金物 解答4
H26に出題のあった金物シリーズですが、初出題の金物が多かったので難しく感じたかも?現場を知っている人には簡単だと思うのですが。

No.13 壁式鉄筋コンクリート構造 壁量計算 解答1
H23、H28、H30に出た壁量計算がまた出ましたね。簡単でした。

NO.14 鉄筋コンクリート構造 解答1
直前講習でやったものばかりでした。これは簡単でした。

No.15 鉄筋コンクリート構造 配筋等 解答5
継手は揃えない!ずらす!というのも、直前講習でやっていたので、みなさん選べたでしょう。ただ、選択肢3は初出題ですね。テキストp213のM図と⑦の記載を読んでいたかどうか、、、M図は引っ張り側なので、M図の図が出ている方に引っ張り鉄筋を入れるというのが理解できていたかどうか?講義ではあまり触れていない部分でした。

No.16 鉄骨造 解答3
正答肢の3は、直前でもやった気がするのですが、1、2、4が初出題で、とまどったのではないでしょうか?

No.17 鉄骨造 接合 解答1
H29に適当な選択肢として出題されていたものが、アレンジされて不適当な選択肢(正答肢)になって出てきました。また、選択肢3は初出題ですね。

No.18 構造計画 解答1
これも、正答肢1はH30の5のアレンジですね。偏心率の話ですが、偏心率はH25、H26、H29、R01にも出ているので選べたと思うのですが、2と5の選択肢は初出題でした。特に選択肢2はH31に大雪の後に法令ができた新しい傾向の問題でした。

No.19 耐震設計 解答4
これは直前でもやったので大丈夫だったでしょう。ただ、選択肢3の二次設計の目的は初出でした。

No.20 木材 解答3
H30の「すべての条件が満たされた環境下でなかれば繁殖しない」のアレンジ問題でした。ちゃんと読み取れたかどうか。
5の選択肢の「曲げヤング係数」は初出題でした。

No.21 コンクリート 解答3
H29の「長期の湿潤養生期間が必要となる」という適当な選択肢のアレンジ問題でした。
2の選択肢も、よく読めば、乾燥開始が遅ければ、乾燥収縮は小さいだろうな、と想像できますが、習ってない、と思ってしまうと迷うかも?

No.22 コンクリート 解答5
これは直前でやったものばかりだったので簡単でした。

No.23 鋼材 解答4
選択肢4の「降伏点」というところに反応できたかどうか。引っ張り強度ではありません、降伏点とヤング係数は一度も上がらずダダ下がりでしたよね。H29年と全く同じ文章でしたのでできたでしょう。
選択肢1、2、3は初出題でした。3は1級でよく出る問題で、2級でも説明するべきか迷った部分でした。来年から2級でも説明します。
鉄骨造の○○比は小さい方がよい、のシリーズに増やすだけです。

No.24 ガラス 解答2
型板ガラスの説明ではなく、フロストガラス、曇りガラスの説明でした。初出題ですが、型板ガラスの正しい説明をしっかり覚えていれば、違うな、と気づけたのでは?
プリズムガラスは初出題でした。

No.25 材料 解答5
ALCが防水性に劣るというのはH22の正答肢でもあるので、できたでしょう。選択肢1と2は初出題でした。

以上、正答肢は過去問や過去問アレンジなので、冷静に読めば間違えないと思うのですが、適当な選択肢の中に初出題が多かったですね。これらが今後アレンジされて不適当な選択肢(正答肢)になっていくのでしょうね。

みなさんはいかがでしたでしょうか?

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