今日は2級建築士学科試験でした。受験したみなさんお疲れ様でした。
例年どうり、構造の速報をお届けしたいと思います。
今年は、構造はかなり初出題の選択肢が多く、力学でも、初めてのタイプが多かったりして、戸惑った方も多かったのではないでしょうか?でも、よくよく読めば、正答肢は過去問だった、という問題がほとんどでした。なので、過去問をしっかり学習していた方は高得点が取れたのではないでしょうか?逆に過去問学習が不十分だった方は、初出題選択肢に惑わされてしまったかもしれませんね。
No.1 図心の座標を求める問題 答え2
断面の問題は、平成29年(2年前)に続いて断面1次モーメントでした。今年も、同じ断面積に分けることができたので、それぞれの重心位置を出して、横は横で足して2で割る、縦は縦で足して2で割るという超簡単な、断面1次モーメントを使わない方法で解けました。同じ断面積に分けられる問題が3回出たので、次は同じ断面積に分けられない問題が出るかもしれませんね。総合資格に通っていた方は直前講習で確認していたので、みなさん得点できたのではないでしょうか?
No.2 最大曲げ応力度を求める問題 答え1
単純梁に集中荷重がかかっているタイプの最大曲げ応力度を求めるという基本中の基本の問題なので、みなさん簡単に解けたのではないでしょうか?
No.3 曲げモーメント図から荷重の大きさを求める問題 答え2
平成27年度の曲げモーメント図からせん断力を求める問題の応用問題です。反力が左側4P/3、右側5P/3が出せたら、Pがかかっている点の曲げモーメント8kN・m=4P/3×3mからP=2kN、2Pがかかっている点の曲げモーメント10kN・m=5P/3×3mから P=2kNが出ます。
No.4 反力とせん断力を求める問題 答え2
単純梁系ラーメンに水平力がかかっている時の反力とせん断力を求める問題は、H24、H28にも出ているので、みなさん解けたのではないでしょうか?
No.5 トラスの0部材の数の組み合わせ 答え4
新傾向の出題でした。ここ最近のトラスの傾向は、切断法ではなく、節点の釣り合いで答えを選ぶパターンです。今年も、全く計算が必要ない問題なので簡単だったのではないでしょうか?直前講習で節点の釣り合いについて再度確認したのはよかったですね。
No.6 座屈 答え1
座屈長さの大小関係を聞く問題がH27、H29に続いて1年おきに出題されている形になりました。今回はCの柱が、中央にローラー支点があるというみたことのないタイプだったので、戸惑ったかもしれませんが、Cについてわからなくても、lA=1.5l×1.0=1.5l、lB=2l×0.7=1.4lからlA>lBがわかり、その消去法で1を選ぶことが可能ですので、みたことのない形に惑わされず、 選べましたでしょうか?
ちなみにCは1級で出たことがあるらしく、l×1.0=1.0lになります。
No.7 荷重外力 答え5
これは簡単ですね。地表面粗度区分は風圧力の計算に使用するものです。
No.8 荷重外力 答え3
多雪区域の地震時の積雪荷重は0.35Sですから、0.7Sではありません。0.7Sを足すのは長期荷重を計算するときです。
No.9 地盤基礎 答え2
砂で起こるのはボイリング、ヒービングは粘土で起きる。他の選択肢も頻出選択肢で、とても簡単でした。
No.10 木造部位部材名称 答え4
溝のある水平部材は鴨居であり、まぐさではありません。
振れ隅木、上がり框、が初出題ですが、まぐさが違うとわかるのではないでしょうか。
No.11 木質構造の接合 答え4
これも2と3の選択肢が初出題でしたが、正答肢はなんども出題されている問題ですので、落ち着いていれば簡単だったでしょう。
No.12 木造構造設計 答え1
横座屈を生じやすい曲げ材は、材幅に対して材せいが大きい部材ですから、逆です。3が初出題でしたが、応力度が許容応力度を超えないように設計する、というのが正しいというのは選べたのではないでしょうか?
No.13 壁式鉄筋コンクリート造2階建 答え3
『同一の実長を有する部分の高さの30%以上 』の幅の壁だけが耐力壁としてカウントしていい、というのを覚えていれば、200cm×30%=60cmなので、45cmではたりないですね。3、4、5が初出題で、そのうちのひとつ3が正答肢というちょっと難しい問題でした。
No.14 鉄筋コンクリート構造 答え3
付着検定と定着検定が逆になっています。こちらも初出題が正答肢の難しい問題ですが、他の1、2、4、5は過去頻出問題ですので、消去法で選べたのではないでしょうか?
No.15 鉄筋コンクリート構造の配筋及び継手 答え2
柱梁接合部内の帯筋の間隔は150mm以下かつ隣接する柱の帯筋の間隔の1.5倍以下、なので、200mmは大きすぎでNGです。2の選択肢が初出題でしたが、1を選べたのではないでしょうか?
No.16 鉄骨造 答え4
幅厚比、径厚比は大きいと危険、は直前でも繰り返しおさらいしたので大丈夫だったのではないでしょうか?2と5の選択肢が初出題ですが、正答肢4は頻出なので、簡単だったでしょう。
No.17 鉄骨造の接合 答え4
隅肉溶接の有効のど厚はサイズの0.7倍は直前でもやったので大丈夫でしょう。5の選択肢が初出題ですが。
No.18 構造計画 答え3
火打はたわみの抑制には関係なく、水平力がかかった時の床の面内剛性をあげるのに役立つ部材です。これも数回過去問で出題がありますから、難しくはなかったでしょう。ただ、2と4の選択肢が初出題だったので、惑わされた方もいたかも。
No.19 耐震設計 答え5
剛性率は小さいと危険、というのも直前講習でおさえていたので、得点できたでしょう。他の選択肢も全て過去問の簡単な問題でした。
No.20 木材用語とその説明 答え1
1は木裏ではなく木表の説明。2の目切れ、3の丸身、4の死節が初出題でしたが、1を選べたでしょう。
No.21 コンクリート 答え2
これはどの選択肢も過去問の簡単な問題でした。
No.22 コンクリートの調合表 答え5
H25年度のコンクリートの調合問題の応用。H25は記号での選択でしたが、今年は数値での選択でした。細骨材率は容積、というのを覚えていれば簡単だったでしょう。
No.23 鋼材 答え1
鋼材の比重はアルミニウムの約3倍。これも直前でやりました。他の選択肢も直前で確認した頻出過去問でしたので、簡単だったでしょう。
No.24 材料(高分子材料) 答え4
1の積層ゴム、2の硬質塩化ビニル樹脂、5のシアノアクリレート系接着剤が初出題でしたが、正答肢の4は耐火性がない可燃材ということがわたっていれば簡単だったでしょう。
No.25 材料 答え5
合わせガラスではなく、Low-Eペアガラス(複層ガラス)の説明。主語入れ替えのよく出る問題の類ですし、他の選択肢は過去問頻出問題なので、得点できたのではないでしょうか?
他教科について聞いたところでは、午前中の2教科、計画、法規は例年よりも簡単。午後の構造は例年通り。施工が 例年よりも難易度が高かったようです。
詳しくは総合資格学院ホームページから、解答をもらってください。
https://www.shikaku.co.jp/campaign/2k_esaiten.html?mid=topics
さて、明日からは製図ですね!
今年の課題は不明なことが多すぎです!しっかり対策しておきましょう!
https://www.shikaku.co.jp/2k/info/topics/kadai.html
お疲れ様でした。