2022年7月3日(日)
2級建築士学科試験、お疲れ様でした!
受験された方の声を聞くと、今年は計画と施工がむずかしかったようですね。構造も、新傾向の選択肢が結構あったので、びっくりされたかもしれませんね。
ただ、全体的には、例年通りの難易度だったといえるのではないでしょうか?
基準点の変更はないのではないかと思います。(まだ全国の様子がわからないので、なんともいえませんが)
今年も構造についてコメントしていきたいと思います。
私が独自に公開しているものですので、試験実施機関、予備校等とは関係がありませんので、その点ご了承ください。
力学は、3ヒンジとトラスがちょっと目新しい感じですが、全体的に簡単でした。M図が出ると思ったのに出ませんでしたね。
文章題は、新傾向の設問が2問。11年以前の復活問題が2問、選択肢ベースでの新傾向は10肢ありましたが、そのうち9肢は正答肢以外(正しい記述)でした。ですので、それら5問を落としたとしても20点前後は取れるような問題だったと思います。
No.1 断面2次モーメント 答1
難しい値の差の絶対値が出ると予想していたので、あまりに簡単すぎて拍子抜けですね!
No.2 応力度 答2
これも基本中の基本問題で、なんの問題もなかったでしょう。簡単です。
No.3 応力(単純梁の曲げモーメント) 答2
平成26年、平成30年の問題の類似問題ですので簡単でしたね!
No.4 3ヒンジの反力とせん断力 答3
3ヒンジ+等分布荷重、反力4つとせん断力が0になる位置、というのは新傾向でした。でもみなさん、等分布は集中荷重に置き換えてしまえば、なんの問題もないでしょう。反力4つは求められたと思います。せん断力がゼロになる場所は、Q図を描いて、図形の相似を使って出すのですが、今回はそれがわからなくても反力だけで選べてしまう組み合わせでしたので、落ち着いて解けばなんということはなかったはずです。
せん断力が生じないx点のB点からの距離を求めよ、という問題は平成18年に1級で出題があった問題です。それが今後2級に降りてくるのかな?という懸念はありますね。
No.5 トラス 答1
私たちの使う3つの三角形のどれでもない三角トラス、という意味では新傾向問題です。距離がわからないので、切断法も、節点法も使えません。ただ、力との距離がわかれば、反力は出せるので、反力と、NCD=0がわかれば、NABがわからなくても答えは選べました。
NABに関しても、令和1年、令和3年に出た、0部材探しができれば、0部材をどんどん消していくと連鎖で最終的にNAB=0がもとまる仕組みでした。
No.6 座屈 答5
座屈長さを利用して座屈荷重の大小関係を求める基本問題でした。簡単でしたね!
No.7 荷重外力 答2
これは5肢とも過去問で、しかも直前講習でやったものばかりでしたので、簡単でしたね!
No.8 荷重外力(風圧力) 答4
これは新傾向問題でした。平成26年と令和1年に、「地震力と関係のないものはどれか」という問題が出ていて、それの風圧力バージョンでした。
No.9 地盤基礎 答1
H24(2012)、H29(2017)、R01(2019)に出ていた用語と説明の問題でした。用語は全て過去問でしたが、正答の圧密の説明が、地盤改良のサンドドレーン工法(強制圧密脱水法)になっていた点が、サンドドレーン工法が初出題ですね。
No.10 木造部材名称 答5
選択肢の中の「雨押え」「額縁」が初出題でしたが、正答の面戸板の説明が広小舞、というのは過去問だったので、木造部材名称体操をやっていれば完璧でしたね!
木造部材名称体操のYouTube動画はコチラ
No.11 木造枠組壁工法 答2
ツーバイフォーだけで1問というのは平成22年(2010年)以来12年ぶりです。今年は2010年の問題から出るのではないかと思い、みなさんに取り組んでいただいていたので、これは当たりました!(他の力学はもっとむづかしいのばかり予想していました、、、(苦笑)
目新しい数字がたくさんあり、面食らわれたかと思いますが、正答肢のアンカーボルトの設置位置(隅角部付近および土台の継手付近「に設ける」)と間隔「2m」(在来軸組は2.7m)は覚えていたのではないでしょうか?
No.12 木造壁量計算 答3
木造壁量計算の地震力に対して必要壁量の令46条表2の値の大小関係を問う問題で、初出題でした。
重い屋根>軽い屋根、1階>2階は覚えていたと思うのですが、1階の軽い屋根と、2階の重い屋根はどっちが壁量が長く必要なのかで迷われたかもしれませんね。冷静に考えてみれば、屋根と、2階と、どっちが重いの?と考えれば、2階の方が重たいですよね?このように、常識的に推測する力も必要かもしれませんね。
No.13 壁式鉄筋コンクリート造 答5
壁造の数値は、直前1週間で覚えてね!と言っていたのですが、こんなにストレートに出るとは。直前講習でやったのでバッチリだったはずです。
No.14 鉄筋コンクリート構造 答4
こちらも部材の断面寸法が散りばめられているので、数字を覚え切っていない方は引きずられたかもしれませんが、コンクリートの引張応力度は無視、というのはH25、H29、R01に「無視する」で、R02に「考慮する必要がある」で正答肢で出題されている頻出問題でしたので、みなさんできたでしょう。
No15 鉄筋コンクリート構造 配筋 答3
正答肢はR02に「検討を行なった」で正しい記述で出題されていたものが「検討は不要」と変えられて誤った記述になっている問題ですね。他の選択肢が数字なので、これも数字を正しく覚えていないと引っ張られてしまう系の問題ですね。数字を正しく覚えることと、過去正しい記述出たものは改変されて出る可能性が高いので、「なんとなくみたことあるから○」みたいなうろ覚えだと間違えてしまいますので注意してくださいね。
No.16 鉄骨構造 答1
鉄骨造の○○比は小さい方がいい!というのを散々やってきたので正答できたと思いますが、2と3の選択肢は初出題でした。3の選択肢は1級でよく出る選択肢がおりてきた感じです。
No.17 鉄骨造接合 答5
これも頻出問題なので大丈夫だと思いますが、数字を変えられていることに気づいたかどうかですね。選択肢1は初出題でした。
No.18 耐震設計 答5
これも直前講習で固有周期についてまとめて復習していたので大丈夫でしたでしょう。4の選択肢は初出題で、1級的な言い回しだな、と感じました。
No.19 構造計画 答2
水平力に抵抗するのが火打、鉛直力に抵抗するのは方杖、というのは覚えていたでしょう。4と5の選択肢が初出題でした。梁のせいは1/10を超える、と覚えていたので、4に引きずられたかもしれませんね。使用上の支障が起こらないことを確認した、というのがポイントでしょう。特定天井についても、構造での出題は初めてです。これは1級でも出るかもしれませんね!
No.20 木材 答3
「以上」「以下」を必ずチェックせよ!と直前講習でも言っていたのですが、「下回る」「上回る」という表現が「以上」「以下」とリンクできたかどうか、日本語の問題でもあったかもしれません。CLTが出るよ!と推していましたが、LVLの方が出ましたね。笑
No.21 コンクリート 答5
これもR01で「大きい」(正しい記述)で出題されたものが「小さい」(誤った記述)に変更されたタイプです。今年はR01の改変問題が多いですね!
No.22 コンクリートの圧縮強度の計算 答4
これも12年ぶりの出題ですが、2010年のものをやっていてよかった!これは当たりましたね!
No.23 鋼材 答4
鋼材は「引張強さ」と「降伏点強度」でひっかけてくるから、よく確認して!!と直前講習で言っていたのが出ましたね!
No.24 材料 答4
セメントは水硬性、しっくいは気硬性、も散々やったので大丈夫でしょう。
No.25 材料 答1
これはR01と全く同じ文章でしたね。今年はR01(2019年)からの出題が多かったですね。高確率問題でやったのでバッチリだったでしょう!選択肢5のケヤキは初出題でした。
お疲れ様でした。
「初出題はだいたい正しい記述で出る(正当肢にはならない)から、他の選択肢をよく読め、と言っていたので、大丈夫だったかとは思いますが、みたことのない文章がいっぱいでてくると、不安になりますよね。
そして2回目に出るときには誤った記述(正答肢)で出る可能性がある、とも言っていたのが、まさにその通りな感じですね。
なんとなく前見たことあってただしかったから、、、みたいなあやふやな記憶は危険です。
みなさんの合格をお祈りしています。
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