昨日は2級建築士学科試験お疲れさまでした。
新試験制度元年ということで、どんな問題が出て来るのか、戦々恐々でしたが、やはりそんなにガラリと変えられる訳もなく、しっかり過去問を学習した人は手応えを感じることができたのではないでしょうか?
伝え聞くところによると計画が、新傾向問題や、言い回しの変化をつけたりで難しかったようですね。構造は簡単だったという声と、難しかったという声の両方をききました。
一番怪しいと思っていた、壁率比の問題、やっぱり来ましたね~。また、耐震診断、耐震補強改修といったタイムリーな問題も入ってきていました。
しかし、それらは想定範囲内だったので、準備できていたのではないでしょうか?
1)中空断面の断面2次モーメントの問題。これは簡単。3番の896cm4ですね。
2)最大曲げ応力度の問題。これも変形ではなく素直な問題。しかも一番出る確率高いと私の予想的中の単純梁に集中荷重がかたよってかかるパターン。2番の18N/?。
3)曲げモーメントの問題。2カ所求めるのですが、MAの方が問題。等分布荷重の途中なので、2kN/m×1mをもう一度計算に入れないと間違えてしまいます。3番。
4)座屈の問題。消去法が使えない、面倒くさいタイプですが、パターン的には例年通り。2番。
5)反力と応力(せん断力)の問題。これも過去何度かでているタイプ。5番。
6)トラスの問題。これは架構がいつもとちょっとちがううえに、下に引張る力なので、一瞬えっと思うかもしれませんが、冷静に対処すれば、解けたはず。反力を出して、斜め60度で切断して、左側で考えます。左側ピンの反力は3KN。Aまでの距離が問題ですが、正三角形に補助線1本入れればいつもの30度60度の直角三角形が二つ現れますよね?そうすれば距離√3が出せるはず。答えは4番。
7)荷重外力の問題。これは直前でもやった簡単すぎる問題。1番の平方根がバツ。二乗に比例。
8)設計用地震力の問題。これも直前でやったので簡単。1番の0.2がバツ。軟弱地盤の木造は0.3。
9)地盤基礎の問題。これも直前でやりましたね。圧密沈下は粘土地盤です。3番がバツ。
10)木造の部材名称の問題。これも直前でやりました。5番は根太掛けのこと。根がらみは大引を支える束が倒れないようにつなぐ材です。5番がバツ。
11)壁率比の問題。新傾向の中では私が一番怪しいと思っていた部分です。当たりました。1番がバツ。梁間方向(Y方向)の壁が、左が3に対して右が1しかないので、1/3<0.5でアウトです。
12)木造の接合の問題。4番がバツです。木ねじはせん断、引抜き、両方とも耐力がありますが、木口面での木ねじは引抜き抵抗の考慮ができません。
13)補強コンクリートブロック造の問題。これも直前でやりましたね。5番がバツです。両方向の耐力壁の長さの合計にしてはダメ。方向毎に合計を出し、それぞれ検討します。
14)鉄筋コンクリート構造の問題。これも直前でやりました。5番がバツ。クリープするのはコンクリートで、コンクリートの圧縮縁応力が減ってしまう分、鉄筋の圧縮応力が増えてしまうのでした。
15)鉄筋コンクリート構造の主筋比と帯筋比の問題。帯筋に関しては何度も練習していたので、pwが0.43%というのはみなさん計算できたのではないでしょうか?主筋比は大昔に出たきり、最近はまったく出ていなかったので盲点でした。主筋の断面が出て来るのは柱の断面ですよね?psの分母が柱の断面積50×50で、主筋D19の2.87?×8本が分子にきます。2番が正解になります。
16)鉄骨造の問題。これも直前でやりました。4がバツ。曲げモーメントをフランジで、せん断力をウェブで負担します。
17)鉄骨の接合に関する問題。これは新しい選択肢が2つまぎれているので、惑わされないことが大事。5番がバツです。これは講義でもやっていることで、隅肉溶接の時には、有効面積=有効長さ×有効のど厚で、この有効のど厚a=0.7Sで表され、サイズの0.7倍です。薄い方の母材の厚さがのど厚になるのは、突き合わせ溶接のときですので、しっかり区別してください。
また、3番の「裏はつり」という施工用語が初登場ですが、正しい選択肢になりますので、確認しておいてください。4番の「保有耐力接合」という用語も初登場ですが、言っていることは直前でも数回繰り返し言っていた、「接合部の耐力」>「部材の耐力」ということです。
18)構造計画の問題。4番がバツ。これは1級から降りてきた問題ですね。そで壁、腰壁のような雑壁は、強度は無視しますが、剛性は考慮するので、偏心率の算定に影響してきます。
2番の問題も、一瞬あれ?って思うかもしれませんが「必要保有水平耐力」は、必要な力なので、大きめに設定します。
19)既存建築物の耐震診断、耐震補強に関する問題。新傾向問題です。2番がバツ。梁の耐力と変形性能について診断するのは第3次診断法です。第2次は柱だけです。テキストには新傾向対策として掲載されていました。
20)木材の問題。これは簡単。1がバツ。あかまつ、べいつがは耐蟻性が低い木材です。
21)コンクリート材料の問題。3番がバツ。AE剤によってできる気泡は耐凍害性を向上させます。
22)コンクリート材料の問題。4がバツ。骨材に含まれる粘土や塩化物はコンクリートの耐久性を低下させてしまいます。その他の選択肢も、初出のものが結構混ざっていますが、冷静に読めば、4が明らかにおかしいですよね?
23)鋼材の問題。これは簡単。1がバツ。炭素が増えると溶接性が悪くなります。
24)屋根葺き材の問題。これは初出だらけなので、仕事をしていない人には難しかったかも。お仕事で屋根を扱っている方には簡単なはず。実務よりの新傾向問題ですね。3がバツ。いぶし瓦は釉薬をかけずに焼く瓦のことです。
25)その他建築材料の問題。2がバツ。プラスチック系の断熱材の方が、透湿性もなく、断熱性がいい(熱伝導率が低く熱伝導抵抗が高い)。
難しかったという声も聞きますが、過去問をしっかりやっていれば15点は楽にクリアできたのではないでしょうか?
全体でも合格点をだしている方が多いようですね。
次は製図!RC造の非住宅ですので、こちらの方が難関かも!頑張ってください。
2012.7.3.追加情報
簡単かと思ったけれど、全国的に計画と構造の得点が低いようです。足切り点がさがるかも…?
構造12点だった方や、合計59点だった方などは、諦めずに製図の準備をしておいたほうがよいかもしれませんね!
2012.7.4.追加情報
FAXがつぶれていて、問6のトラスの正三角形の1辺を3mで計算していました。実際の問題は2mでしたので、距離は√3でしたね!答えは変わりません。
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新試験制度元年ということで、どんな問題が出て来るのか、戦々恐々でしたが、やはりそんなにガラリと変えられる訳もなく、しっかり過去問を学習した人は手応えを感じることができたのではないでしょうか?
伝え聞くところによると計画が、新傾向問題や、言い回しの変化をつけたりで難しかったようですね。構造は簡単だったという声と、難しかったという声の両方をききました。
一番怪しいと思っていた、壁率比の問題、やっぱり来ましたね~。また、耐震診断、耐震補強改修といったタイムリーな問題も入ってきていました。
しかし、それらは想定範囲内だったので、準備できていたのではないでしょうか?
1)中空断面の断面2次モーメントの問題。これは簡単。3番の896cm4ですね。
2)最大曲げ応力度の問題。これも変形ではなく素直な問題。しかも一番出る確率高いと私の予想的中の単純梁に集中荷重がかたよってかかるパターン。2番の18N/?。
3)曲げモーメントの問題。2カ所求めるのですが、MAの方が問題。等分布荷重の途中なので、2kN/m×1mをもう一度計算に入れないと間違えてしまいます。3番。
4)座屈の問題。消去法が使えない、面倒くさいタイプですが、パターン的には例年通り。2番。
5)反力と応力(せん断力)の問題。これも過去何度かでているタイプ。5番。
6)トラスの問題。これは架構がいつもとちょっとちがううえに、下に引張る力なので、一瞬えっと思うかもしれませんが、冷静に対処すれば、解けたはず。反力を出して、斜め60度で切断して、左側で考えます。左側ピンの反力は3KN。Aまでの距離が問題ですが、正三角形に補助線1本入れればいつもの30度60度の直角三角形が二つ現れますよね?そうすれば距離√3が出せるはず。答えは4番。
7)荷重外力の問題。これは直前でもやった簡単すぎる問題。1番の平方根がバツ。二乗に比例。
8)設計用地震力の問題。これも直前でやったので簡単。1番の0.2がバツ。軟弱地盤の木造は0.3。
9)地盤基礎の問題。これも直前でやりましたね。圧密沈下は粘土地盤です。3番がバツ。
10)木造の部材名称の問題。これも直前でやりました。5番は根太掛けのこと。根がらみは大引を支える束が倒れないようにつなぐ材です。5番がバツ。
11)壁率比の問題。新傾向の中では私が一番怪しいと思っていた部分です。当たりました。1番がバツ。梁間方向(Y方向)の壁が、左が3に対して右が1しかないので、1/3<0.5でアウトです。
12)木造の接合の問題。4番がバツです。木ねじはせん断、引抜き、両方とも耐力がありますが、木口面での木ねじは引抜き抵抗の考慮ができません。
13)補強コンクリートブロック造の問題。これも直前でやりましたね。5番がバツです。両方向の耐力壁の長さの合計にしてはダメ。方向毎に合計を出し、それぞれ検討します。
14)鉄筋コンクリート構造の問題。これも直前でやりました。5番がバツ。クリープするのはコンクリートで、コンクリートの圧縮縁応力が減ってしまう分、鉄筋の圧縮応力が増えてしまうのでした。
15)鉄筋コンクリート構造の主筋比と帯筋比の問題。帯筋に関しては何度も練習していたので、pwが0.43%というのはみなさん計算できたのではないでしょうか?主筋比は大昔に出たきり、最近はまったく出ていなかったので盲点でした。主筋の断面が出て来るのは柱の断面ですよね?psの分母が柱の断面積50×50で、主筋D19の2.87?×8本が分子にきます。2番が正解になります。
16)鉄骨造の問題。これも直前でやりました。4がバツ。曲げモーメントをフランジで、せん断力をウェブで負担します。
17)鉄骨の接合に関する問題。これは新しい選択肢が2つまぎれているので、惑わされないことが大事。5番がバツです。これは講義でもやっていることで、隅肉溶接の時には、有効面積=有効長さ×有効のど厚で、この有効のど厚a=0.7Sで表され、サイズの0.7倍です。薄い方の母材の厚さがのど厚になるのは、突き合わせ溶接のときですので、しっかり区別してください。
また、3番の「裏はつり」という施工用語が初登場ですが、正しい選択肢になりますので、確認しておいてください。4番の「保有耐力接合」という用語も初登場ですが、言っていることは直前でも数回繰り返し言っていた、「接合部の耐力」>「部材の耐力」ということです。
18)構造計画の問題。4番がバツ。これは1級から降りてきた問題ですね。そで壁、腰壁のような雑壁は、強度は無視しますが、剛性は考慮するので、偏心率の算定に影響してきます。
2番の問題も、一瞬あれ?って思うかもしれませんが「必要保有水平耐力」は、必要な力なので、大きめに設定します。
19)既存建築物の耐震診断、耐震補強に関する問題。新傾向問題です。2番がバツ。梁の耐力と変形性能について診断するのは第3次診断法です。第2次は柱だけです。テキストには新傾向対策として掲載されていました。
20)木材の問題。これは簡単。1がバツ。あかまつ、べいつがは耐蟻性が低い木材です。
21)コンクリート材料の問題。3番がバツ。AE剤によってできる気泡は耐凍害性を向上させます。
22)コンクリート材料の問題。4がバツ。骨材に含まれる粘土や塩化物はコンクリートの耐久性を低下させてしまいます。その他の選択肢も、初出のものが結構混ざっていますが、冷静に読めば、4が明らかにおかしいですよね?
23)鋼材の問題。これは簡単。1がバツ。炭素が増えると溶接性が悪くなります。
24)屋根葺き材の問題。これは初出だらけなので、仕事をしていない人には難しかったかも。お仕事で屋根を扱っている方には簡単なはず。実務よりの新傾向問題ですね。3がバツ。いぶし瓦は釉薬をかけずに焼く瓦のことです。
25)その他建築材料の問題。2がバツ。プラスチック系の断熱材の方が、透湿性もなく、断熱性がいい(熱伝導率が低く熱伝導抵抗が高い)。
難しかったという声も聞きますが、過去問をしっかりやっていれば15点は楽にクリアできたのではないでしょうか?
全体でも合格点をだしている方が多いようですね。
次は製図!RC造の非住宅ですので、こちらの方が難関かも!頑張ってください。
2012.7.3.追加情報
簡単かと思ったけれど、全国的に計画と構造の得点が低いようです。足切り点がさがるかも…?
構造12点だった方や、合計59点だった方などは、諦めずに製図の準備をしておいたほうがよいかもしれませんね!
2012.7.4.追加情報
FAXがつぶれていて、問6のトラスの正三角形の1辺を3mで計算していました。実際の問題は2mでしたので、距離は√3でしたね!答えは変わりません。
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